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短期集中シリーズ、オーラスです。

ここまで取り上げた漫画って、井上雄彦さんの漫画が多かったので、当然集英社ばっかりです(「バガボンド」はモーニングなので講談社ですが)。「NBA STORY」も月刊ジャンプなので集英社。「ダッシュ勝平」は少年サンデーなので小学館ですね。出版業界では常識ですが、集英社と小学館は実は社屋が隣り合っています。元々小学館の創業者一族が娯楽部門として集英社を立ち上げたので、同じグループ企業なのですね。この2社を中心とした祥伝社、白泉社、プレジデント社といった面々を総じて「一ツ橋グループ」といいます。これに対して講談社、光文社、日刊現代、キングレコードといったところは「音羽グループ」と称されます。

集英社がジャンプ系の雑誌、小学館がサンデー系とビッグコミック系。講談社はマガジン系です。バスケ漫画の観点から見れば、一ツ橋グループの方が質量共に圧倒的にリードしてる感じですね。講談社のバスケ漫画って、「Dear Boys」だけ、だったのですね。

ただ、「SLAM DUNK」ヒット以前はバスケ漫画は当たらない、というのが定説だった訳ですが、その定説を「SLAM DUNK」が打破した以上、話は変わってきます。「ワンピース」がヒットすれば同じような絵柄の漫画が出て・・・ゴホゴホゴホ。まあ、大ヒット漫画が出ればそれをフォローするのは良くも悪くも定番の手法です。

で、講談社ですが。月刊だけでなく週刊少年マガジンも、かつて何作かバスケ漫画に挑んできました。その過去2作をテキトーにレヴューしてみましょう。

☆西山優里子/Harlem Beat



ストリートバスケから高校バスケへシフトする漫画でしたか。ストバスの雰囲気は勿論AND1的なものとは程遠く、オサレな雰囲気でスタイリッシュなバスケ、みたいな感じでした。まあこの人の絵は上手いとは思うのですが、そもそもバスケットボールのルールを把握せずに描いていたって話は有名ですよね。今なら腐女子喰い付きまくりな感じでしょうか?それなりにヒットした事は事実なのですが、バスケ好きとしては今ひとつ食指が動きませんでしたねぇ。最近はバレーボール漫画・・・やっぱりあまりバスケに拘り無さそうな気が・・・。

☆瀬尾公治/CROSS OVER



・・・何故単行本が2冊しかamazonに無いのか・・・。この人は、良くも悪くも絵だけのヒトだなぁと思います。「涼風」とかストーリーは破綻してるというか思いつきで描いてるとしか思えない行き当たりばったり感溢れてたんですが、絵には魅力あったせいかそれなりに続いちゃったんですよねぇ。この「CROSS OVER」も主人公がアイヴァーソンをモチーフにしたっぽいチビキャラで、何故か日本武道を練習に取り入れるとかそれなりに話を捻ろうという努力は見てとれなくもないのですが、結局一番印象的だったのは女子バスケ部のヒロイン(かなり涼風似です)の入浴シーンだったという・・・。それでも7巻まで続いたのはやはり絵の力かと。最新作も相変わらずっぽいですし、この作者さんには早急に原作者をつけるべきだと思います。

・・・かくして今ひとつバスケファンには刺さらなかった週刊少年マガジンのバスケ漫画でしたが、3人目にして遂に違うタイプの作家が現れます。西山さんも瀬尾さんも綺麗な絵柄の作家さんでしたが、3人目のバスケ漫画家、日向武史さんは今までに無いタッチの絵を描くヒトだったのです。

でもね。正直、連載1回目にその「あひるの空」を見たときは「これはねーわwwwwwwww」って思ったのも確かなんですよね。だって、メインキャラのアフロこと花園千秋のビジュアル、「リアル」の野宮朋美の当初のビジュアルとそっくり過ぎるなぁと思ったんですよ。速攻2chあたりで槍玉に挙げられて糸冬、かなと。が、どっこいそうではありませんでした。

「SLAM DUNK」の功績はもちろんバスケ漫画初のメガヒットで後続に道を開いた事なんですが、一方でバスケ漫画のハードルを一気に高くしてしまったのも事実です。バスケ漫画を描くという事は当然「SLAM DUNK」と比較されるという事を意味する訳で、力量不足な作家ならスタートラインに立つ前にゲームセット、先日までジャンプに載ってたバスケ漫画と同じ運命です。

「Harlem Beat」は「SLAM DUNK」に登場する流川のようなイケメンキャラを更に強化&増量し、イケメンパラダイス状態で違う客層を開発したのが正解でした。「あひるの空」の場合、「SLAM DUNK」の影響を正直に認め、むしろ作中にバスケをはじめるきっかけとして登場さえしています。この姿勢はいわゆるパクリとは異なりますね。「リスペクト」という言葉の正しい使い方はこういう時でしょう。井上さんが快諾したのも分かる気がします。

身長150cmというチビキャラで来た今作、主人公の持ち味は異常なシュート力。ですが、高校生でNBA並みのプレーをする「SLAM DUNK」のプレー場面が、冷静に考えれば実のところかなり非現実的なのに比べると、まだリアル寄りと言えなくもありません。またキャラの私生活や環境も結構描き込まれており、人間関係や恋愛ネタの絡め方も結構秀逸。母の死、バスケ部廃部という衝撃展開から、分かってはいましたが復活への流れ、貧弱ビッグセンター茂吉要ことモキチのキャラ作り(ジャバーをモデルにするとは渋いですね)、ヤス、ナベ、チャッキーという駄目キャラ3人組の使い方などなかなか話の構成も上手いなと。

それと、連載を追っていればよく分かりますがこのヒト、かなり硬派です。編集とケンカして連載が一時中断したこともあれば、新人漫画家へのメッセージが「おっぱいやパンツばかり書く漫画家にならないでください」だったりします。このヒトの掲載誌、週刊少年マガジンですよ。看板連載は「ネギま!」とかですよ。男気あり過ぎるにも程があります。

ということで、最近は結構「あひるの空」はお気に入りだったりします。実際のところ七尾奈緒派なだけという噂もありますが。・・・このロリコンどもめ!(AA略)それはさておき、HOOP誌が最近日向さんとよく絡んでいるのは良いですね。先日のインタヴュー掲載もナイスでしたが、200号記念たる10月号の表紙に日向さんの絵とはGJでした。是非今後ともこのコラボは継続して欲しいものです。

HOOP (フープ) 2008年 10月号 [雑誌]


バスケ漫画話、以上にてお開き、でございますー。

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