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・・・もうですね、連日結構なニュース続きで更新する方もえらいこっちゃなんですよ。そんな矢先にビッグトレードと来ました。D誌・H誌の編集の方々は発売日にこんな特大ニュースで涙目でしょう。私だって今日から通勤時間に「逆転検事」始めたばかりなのに、それどころじゃ無くなってしまいました。

http://sports.espn.go.com/nba/news/story?id=4285489

キャヴス←シャキール・オニール
サンズ←ベン・ウォーレス、サーシャ・パヴロヴィッチ、46位指名権、50万ドル

かねてからの噂、遂に具現化しましたね。なかなか勝ち切れないキャヴスがレブロン引き止めの切り札として、遂に元NBA最強センターを引っ張る決意を固めたようです。

このトレードの意味するところを、まずはサンズ側から考察します。要するにサンズはサラリーキャップ削減策に出た訳ですが、シャックを出したということは、'07年のトレードデッドライン前にマリオンを放出してシャックを獲得したトレードが誤りだったとスティーヴ・カーが今回認めたのと同じです。ええ、過ちを認める事は良い事ですよ。

サンズはこれで一気に再建モードに行くかというと、どうやらそうではないようです。まあナッシュとアマレというチームの元からある核は変わっていませんからね。マリオンもベルもディーオゥもいなくなりましたが、ナッシュが元気なうちはリスタートも難しくないでしょう。引退寸前のベンやパヴロヴィッチは契約切れを待てば良い訳ですし。

ただ、私はグラント・ヒルがサンズを去ると見ます。思い出しても見てください、彼がピストンズ、そしてマジックを去る時に結構古巣に冷たかったのを。シャック放出の見返りが少ないのを見て、ヒルが移籍の決断をしても私は全く驚きませんし、それを咎める気持ちもありません。だってヒルに残された時間はあまりに短いのですから。

さていよいよ本題、キャヴス側から見たシャック獲得の狙いですが、まあもう100人が100人、誰でも分かりますよね。先だってのカンファレンスファイナルでの惨敗をもって、マジックはキャヴスにとって不倶戴天の敵となったのです。どうやってマジックを倒すか、そこをキャヴスは今オフ最重要ポイントと考えて動いています。実は私は、ブログネタが無ければ、キャヴスがこのオフどう補強に動くべきか考察するつもりでした。その矢先にこのトレードですよ。という事で、ある程度考えていたアイデアを交えつつ書いていきます。

私が考えていたキャヴスの対マジック対策補強案、それはドワイトの天敵獲得作戦でした。即ちラシード・ウォーレス、ブレンダン・ヘイウッドといった、1人である程度ドワイトを抑えてしまえる人材です。セルティクスは同じ理由でケンドリック・パーキンスを当面手放す予定は無いと思いますが、キャヴスに必要なのもまずはインサイドの核。ラシードのように得点力も伴えばベストでした。それにピストンズのインサイド陣が揃って対ドワイトのディフェンスに長けていたのはラシードの指導の賜物と私は睨んでいますが、そういう指導力を発揮すればヴァレジャオはじめキャヴス現有戦力のビッグマン達もドワイトを守るのが上手くなりそうですしね。

そういう視点からすると、シャック獲得というのはあまりマジック、ドワイト側から見ると怖くは感じません。なるほど彼は生ける伝説、レジェンドセンターです。しかし、天分に恵まれた彼のプレースタイルはノースカロライナ大で仕込まれた基本が身に付いているラシードと違い、チームメイトの参考にはならないでしょう。

レブロンとシャックのコンビは私に'82-'83シーズンを圧倒的な強さで頂点まで駆け上がったシクサーズのジュリアス・“Dr.J”・アーヴィングとモーゼス・マローンの名コンビを連想させます。ファイナルまで進みながら勝てなかった2人のオールスターが組み、プレーオフを全シリーズ通算僅かに1敗、マジック・ジョンソンとカリーム・アブドゥル・ジャバー率いるレイカーズすら完膚無きまでに粉砕したシクサーズと今回のキャヴスのチームの立ち位置はかなり近いとさえ私は考えます。

しかし、問題はあの時のDr.Jよりレブロンは若いのですが、あの時モーゼスは28才だったのに対し、シャックはもう37才だという事実です。いや、シャックはモーゼス以上のスーパーセンターだと仰る貴方、確かにそうかも知れません。

では、もう少し分かり易い例を出しましょう。ヒート時代、ウェイドと組んでいた頃のシャックです。ウェイドとレブロン、組む相手は同じシャック。しかし、ヒートが頂点を極めたのはもう'06年の事。あれから3年経っているのです。覚えてますか、ヒートがあの翌年には新進気鋭のブルズに1stラウンドで仕留められ、たちまち瓦解したのを。あの時シャックももう過去の人かとまで言われたものです。

その時点のシャックより、今のシャックは確実に衰えている訳です。今37才、'72年の3月6日生まれですから'09-'10シーズン中には38才です。当然ながら故障による長期欠場のリスクも高いですし、あまり長時間のプレーは考え物です。因みにかつてのレジェンドセンター達が最高何才で優勝チームでプレーしたかを調べてみまししょう。但し完全控えモード(てか殆ど出番無し)だったロバート・パリッシュ@シカゴ・ブルズは除きます。

ウィルト・チェンバレン→36才
ビル・ラッセル→35才
カリーム・アブドゥル・ジャバー→41才


ジャバーがおるやん、と言われそうですが彼の身上は力づくのプレーよりも鮮やかなスカイフック。それにWikipediaにも記述がある通りウェイトトレーニングにヨガに瞑想に武道(何しろブルース・リーの遺作映画「死亡遊戯」でラスボス役で出演してます)と、ミック・ジャガーや小田和正並のストイックなボディーコントロールを己に課した結果です。ポジションは違いますがジョーダンやストックトンが40代まで輝きを保ち続けていられたのも弛まぬ努力あっての事でしょう。そもそも30才で引退すると嘯いていた事さえあるシャックがそういった体のケアに熱心とは到底考えられません。

今ひとつ指摘したいのが'80〜'90年代を席巻したビッグセンターたちの38才頃の姿です。ユーイングはその頃には遂にニックスを離れ、ソニックス、マジックと渡り歩いていました。まるで今のシャックのように・・・。彼のライヴァルだったオラジュワンもまたロケッツを離れ、衰えを見せながらラプターズへ移籍するも1シーズンで引退。そしてデヴィッド・ロビンソンは37才にして2度目の優勝で自らの花道を飾り、ユニフォームを脱いでいたのです。37〜38才というのは、そういうお年頃なのですよ。

シャックという人は、ドワイトを結構早い段階からライヴァルと睨んでいた節があるように思います。オールスターでダンス対決してた頃はまだ普通に接していたと思うのですが、ドワイトがシャックのトレードマーク的なモチーフだったはずのスーパーマンの姿でダンクコンテストを制した頃から、シャックはドワイトに対して厳しい言動をするようになった印象があります。

そして今季、マジックがシャック時代以来のファイナルまで勝ち進んでなお、シャックはあんなにいがみ合っていたはずのコービーの肩を持ち、ヴァンガンディーHCはじめマジックに対してはあまり応援するような発言は見られなかったと思います。これはマジックがファイナルで1勝でもすれば、かつての自分がマジック時代に果たせなかったファイナルでの白星をドワイトに達成されることになるのが面白くなかったからだ、なんて説もあったぐらいでした。かつてシャックが世界屈指の名センターだったサボニスとマッチアップし、彼を出し抜いてアリウープダンクを叩き込み、彼独特の決めポーズを繰り出す姿を見たものですが、シャックは今や自分がサボニスの立場に立っている事、そしてかつての自分の位置にドワイトが立っている事を正確に理解しているのだと思います。

ともあれ、シャックは今一度ドワイトの前に立ち塞がります。レブロンも自分1人ではマジックに勝てないと悟ったばかりですので、シャックと組む=優勝しても3PEAT時代のコービーみたいに「シャックのお陰」と言われるリスクがある、だとしてもこの際シャックのキャヴス入りを諸手を上げて喜ぶはずです。まあかつて優勝した時の、どの時点のシャックより今は衰えているのですから、これで優勝出来ればレブロン>コービー&ウェイドという図式が成り立つような気がしないでもありませんし。

しかし、もう一つ厳しい指摘をしておきましょう。それはドワイトと戦えるビッグマン達の年齢です。ケンドリック・パーキンス(25才)とヘイウッド(30才)はまだ若いですが、シャックは上述の通り来季中には38才。今回キャヴスにとってよさげに思えたラシードにしても、この9月で36才を迎えます。

キャヴスが現在抱えているビッグマンを考えてみても、イルガスカスがまもなく34才になる訳です。ヴァレジャオはまだ27才間近と若いですが、ドワイトを止められないのはご存知の通り。シーズン途中で加入したヴェテラン、ジョー・スミスがまもなく34才。そしてシャック獲得トレードで放出されたベン・ウォーレスもまもなく35才です。お分かりでしょうか、キャヴスのフロントコートは殆ど34才以上で支えられているのです。

ヴィンス・カーター時代のラプターズもこんな感じでしたね。オークリー、アントニオ・デイヴィス、ケヴィン・ウィリスなどのヴェテランビッグマンを大量に抱えていたラプターズは、結局カンファレンス決勝まで届く事無く、カーターもチームを去りました。しかしそれは、今にして思えばそれ以上のビッグマンを取るのが難しい情勢でベストを尽くした結果だったように思えます。

キャヴスもレブロンがFAで去る危険を抱えたまま、残り1シーズンとなりました。ここで優勝して気分良く長期契約を交わすためにも、キャヴスは今度こそファイナルまで勝たねばならないのです。そのためには先が短くとも実績あるビッグマンを確保せねばなりませんでした。今回のシャック移籍は、ある意味そういったニーズから行われてきた場当たり的補強の究極の形だとも考えられるでしょう。

もしかするとシャック移籍がカンフル剤となり、レブロンは遂にチャンピオンに手が届くかも知れません。しかし、先が短いシャックの加入は正に短期間しか効かないカンフル剤であり、長期政権は望めないでしょう。そしてシャックやイルガスカス、ラシードがコートを去る頃、不測の事態さえ無ければ再びドワイトを止められるセンターは殆ど見当たらなくなってしまう可能性が高いのです。

私のキャヴス補強作戦の最終結論、それはホーネッツが出したがっていたタイソン・チャンドラー獲得でした。怪我がちというリスクが裏目に出る可能性もありますが、それはシャックとて同じ事。だったらまだこの10月にやっと27才と若いチャンドラーを獲得し、レブロンと組ませれば中長期的にも安定したチームが作れたのではないかと思います。しかし、それもシャックが加入してしまった今となっては詮無い事です。

恐らく来季もキャヴスは強いと思います。思いますが、シャック長期離脱でシーズン終了のリスクも抱えました。だいたいヒート、サンズにとってもシャックは短いタームで勝つための獲得選手だった訳でして、シャックを取るという事はセルティクスの中高年BIG3をチームの中心に置くのと同じく、故障のリスクも抱え込みつつ今すぐ結果を出すための切り札な訳ですよ。

ということで、自分はあまりシャックのキャヴス入りはリーグの構図に大きな変化をもたらさないと予想します。ひょっとするとマジックだけでなく、KG復帰モードのセルティクスの方がキャヴスより有利であるかも知れない、とさえ思ってます。そうなるとキャヴスのレブロン引止めは相当困難を伴いますが・・・。

ただ、シャック加入で勝てる可能性がアップしたとばかりに、キャヴスがFA獲得競争で有利なポジションに立つという線はありますね。ジェイソン・キッド、ラシード・ウォーレスあたりが一緒に加入してくれば、あるいはマジックやセルティクスを倒せるかも、と思ったりしてます。キャヴスフロントが果たしてまだまだ動くのかどうか、明日のドラフトも含めてまだまだ見逃せないシーズンオフになりそうですね!

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