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バックス84-81ペイサーズ
マジック104-99ジャズ
キングス102-98ブルズ
スパーズ103-87クリッパーズ
キャヴス109-91サンズ

☆本日のハイライト

・キングス、35点ビハインドをひっくり返す
・サンズのホーム無敗記録終了のお知らせ
・バックスのボグート、31得点18リバウンド

♪あれは誰だ〜誰だ〜誰だ〜

デューク大ブルーデビルスと言えば、言わずと知れたノースカロライナ大ターヒールズと並ぶNCAA界の雄。名将コーチKに率いられる青き名門大学は、グラント・ヒルを筆頭に数々のNBA選手を排出してきました。しかし、かねがね言われているように、何故かライヴァルUNCの水色軍団に比べ、NBA入り後のデューク大卒業生(近年は卒業前に入るヒトが増えましたが)はカレッジ時代の輝きに比して些か寂しいプロキャリアを過ごす傾向があります。

グラント・ヒルの栄光と蹉鉄については最早耳にタコルーですよね。彼の先輩で共にNCAAを青一色に染め上げたはずのレイトナーはプロ入り前のドリームチーム入りをキャリアのハイライトにしてしまい、史上最高のPGと謳われたボビー・ハーリーは交通事故でキャリアを棒に振ってしまいました。ジェイ・ウィリアムズもハーリーと全く同じ辛酸を舐めてしまいましたね・・・。

まだまだ続きます。新人王ブランドの近年の状況、ちょっと寂しくなりませんか。マゲッティーにしてもプレーオフでの華々しい活躍という場面も少なく、ただキャリアを重ねている感があります。今日の対戦相手、ジャズに在籍するブーザーにしてもあのままレブロンの相方としてキャヴスにいたらまた違ったろうに、今やジャズでもトレード放出候補のままシーズンを迎えるという気まずい有り様です。まあ、それで19.8得点10.8リバウンドというのは称賛に値しますが。

そんな、今ひとつ大成しないという先輩達の後を追いつつあるかと思えた選手がマジックにもいました。J.J.レディック。デューク大の単年得点記録所持者にしてカレッジ・プレイヤー・オブ・ザ・イヤー、ジョン・R・ウッデン・アワードなど数々の栄華に包まれた大学時代を送った彼はデューク大史上13人目の永久欠番選手でもあります。そんな彼もまた、2006年ドラフトでマジックに11位で指名入団後、おしんさながらの耐え忍ぶ日々を送って来たのです。

本来ピュアシューターたるレディックとインサイドフォースそのものたるドワイトの相性はかなり良いのでは?という希望的な観測は少なくありませんでした。しかし、レディックのプロキャリアは常に分厚いSGロスターとの絶望的な戦いでした。

1年目はヒル先輩、ボガンズ、アリーザ、ドゥーリング。2年目はエヴァンス、ボガンズ、ドゥーリング。そして3年目は新人リー、ピートラス、ボガンズ。只でさえ出番の少なさにトレードを望んだのは一度や二度では無かったはずです。しかも3年目にはドラフト指名でわざわざSGが入って来たのです。♪二十二 二十三 二十四と 私の人生暗かった、と宇多田ヒカルの母さんさながらに歌いたくもなるというものです。青い悪魔なのに演歌が似合うとかどうなんでしょうか。お前も蝋人形にしてやろうか、と思ったら自分が蝋人形だったでござるという(´・ω・`)カワイソスなキャリアだった訳ですよ。

しかし、HCにはHCなりに言い分があります。1年目にのブライアン・ヒルの考えは分かりませんが、2年目以降のレディックを見て来たスタン・ヴァンガンディーがレディックに求めていたものは一貫していました。

ディフェンス、です。

しかしこれ、白人ピュアシューターにあまり求められませんよね。 スティーヴ・カーがディフェンスで貢献したとか聞いた事あります?ディフェンスの大穴覚悟で点を取りに行く、それがシューターってもんじゃないすか。しかしスタンおぢさんは違ったのです。

しかし、この試練はレディックにとって避け難いものでありました。何しろ上記の面々はレディックよりディフェンスに長けるだけでなく、大概はレディックよりロングシュートも決まっていたのです。それではレディックの存在価値はただの非常要員ないしガベージタイム専門選手になってしまうのも当然の事でした。せめて得意の3が5割超えとかであればまた違った気もしますが・・・。

ともあれ、レディックがこのチームで生き延びるためにはディフェンスでも成果を上げる他に道はありませんでした。その成果が昨季プレーオフ、カンファレンスセミファイナルでのレイ・アレンに対するディフェンスでした。アレン自身の疲れもあったでしょうが、第7戦終了時にアレンがレディックにハグをした時、私はアレンがレディックの努力を認めたと思いましたね。

もちらん、それだけではレディックに道はありません。チームが彼に求めているのはディフェンスのスペシャリストではなく、攻守に活躍出来る選手なのです。シューターはシュートが決まらなければ、そもそもの存在価値がありません。それはレディック本人が誰より強烈に自覚している事でした。

そして4年目。リーがトレードで去ったとはいえ、以前として彼の前にはカーター、ピートラス、バーンズが立ち塞がっています。しかし、レディックは遂にHCの完全な信頼を得ました。今までも垣間見せていたクラッチタイムでの勝負強さ、ブレないディフェンスへの献身的な姿勢。先発こそしませんが、試合終盤カーターはSFに回り、レディックがSGとしてコートに立つ・・・そんな場面も増えてきています。勝敗が決した後で手持ち無沙汰な観客達のレディック出場を求める声がレディックのフラストレーションでしか無かった、耐え難い日々はもう過ぎ去ったのです。

マジック対ジャズ。前回ソルトレークシティでボコられたマジックとしては負けっ放しではいられない相手でした。しかしこの2チーム、相手も青色、こちらも青色。レディックとブーザーがデューク大時代を思い出したかどうかは知りません(笑)。
マジックの先発は変わらずの5人、ジャズはデロン・ウィリアムズ、ブリュワー、C.J.マイルズ、ブーザー、オクァーです。そしてこの試合の話題の中心は本来、昨ファイナルを彷彿とさせる驚きの早さで故障からコートに戻ってきたネルソンのはずでした。ええ、昨ファイナルと申し上げました。正直、あの二の舞を危惧したからです。いかに限られた時間の出番と決まっていたとは言え、まさかT-MAC宜しくカップ麺2個が程好く伸びはじめる程度の出場でネルソンが大人しくしている訳がありませんでしたから。

意外な形でネルソンの復帰は何気に重要となりました。というのも、先発のJウィルがなんと、3Q残り6:19時点でウィリアムズ同士のマッチアップで笛を吹かれ、審判と言い合ってテクニカル2発、退場処分となってしまったのであります。ここまで延々一進一退の戦いを繰り広げてきた両者でしたが、この穴を復帰初戦のネルソンが埋められるか?というところでした。

しかし、やはりネルソンにいきなりそこまで多くを求めるのは無理がありました。結論だけ先に書くならばネルソンはこの日6本のFG全てをミス、FTでの2得点と1アシスト2TOに終わったのです。じゃあ、誰がマジックを勝利に導いたのでしょう。カーター?う〜ん、ところがこの日の彼も相変わらずのシュートスランプのままだったんですよ。

ジャズが4Q、14-4のランで一気にマジックを79-84と突き放した時、マジックを救ったのはレディックとルイスでした。まずルイスが3を叩き込み、ミルサップに決め返されるとお次はレディックがドライヴからレイアップ。そしてこのレイアップを皮切りにマジックはAJのジャンパー、ルイスの3、更にレディックの3が立て続けに決まり、10-0のランで一気に92-86に。キリレンコの3にはレディックが更にレイアップで応じ、カーターはこのクラッチタイムになるとデイリーワークのようにクラッチジャンパーとFTをかっちり決めました。かくて、マジックは前回の敗戦の仇を取り、ここ5試合で4勝目となる白星を挙げる事が出来たのであります。

http://www.nba.com/games/20091221/UTAORL/gameinfo.html?ls=gt2hp0020900401#nbaGIboxscore

ドワイトは21得点9リバウンド、そして大事な5ブロックをマーク。そしてこの日の主役、レディックはベンチから3ポイント2/2を含むFG7/9での20得点!先発組のカーター&ルイス18得点をも越えて見せたのです。ま、カーターはFG5/15ながら9リバウンド3アシストでしたが。ピートラスも何気にFG3/4(しかもそのうち3ポイントが2/3)で8得点ですから悪くは無かったですね。あと、ドワイトのファウルトラヴルのため久々に11:21の出番を得たゴタートが5得点5リバウンド2ブロックと気を吐いた事も付け足しておきます。ベンチ12人全員登場のマジック、いい試合でしたね。

http://www.orlandosentinel.com/sports/os-orlando-magic-utah-jazz-sidebar-1222-20091221,0,5763539.story




中でも、やはり今日はレディックでしょう。NBA.comの特集動画を見ても明らかですが、自信を持って、しかも実にハードかつ献身的にプレーに打ち込む姿は正にNBA選手の鑑です。ヴァンガンディーHCの言をお聞き下さい。

"He is playing with great confidence -- and for good reason. Success breeds confidence, and he's playing very, very well. On top of the confidence, the guy is just so focused and tough. He's on top of everything."

はい皆さん、“He's on top of everything.”ですよ。あのヴァンガンディーにここまで全幅の信頼を置かせるところまでレディックは成長しました。彼にとってこの4年は大学時代とは比べ物に成らないほど重いものだったはずです。その厳しい中を、ひたむきな努力で彼は耐え続けました。ええ、努力ってやっぱり報われるものなんですよね。

つー訳で受験生の諸君も、こんななが〜いブログ読んで時間を浪費している暇があったら来春に向けて真面目に勉学に励むように(笑)。大丈夫、中学受験と大学受験(現役)に失敗したけど高校受験と大学受験(浪人)で笑った私が言うんですから間違いありません、受かりますって。気軽に頑張るんですよ〜

P.S.

http://www.nba.com/2009/news/12/21/players.week/index.html?ls=iref:nbahpt2


ドワイト、コービーと並ぶプレーヤー・オブ・ザ・ウィーク選出オメ!