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前編中編より続く)

ワールド・ワイド・ウェスについては一度は取り上げなければいけないと思ってました。しかしながら、今一つ彼に関しては纏まった記事があるでも無く、調べるとなるとなかなか難しい存在だった事もあり、ここまでなかなか手が付けられなかったのですね。で、今回調べてみようとしましたが、先達がいました。以前に(結果的に)間接的にご紹介するような形となったエア〜ボールさんです。

http://jimikei.cocolog-nifty.com/jk/2010/05/world-wide-wes.html

日本どころか世界的に見てもこれ程良く纏まった記事はそうは無いでしょう。それぐらいに完璧な仕事ですので、是非一読を、どころかこれは最早マストリードだと断言しておきます。いや、一度ご迷惑をお掛けしたからとかじゃありません(笑)。「World Wide Wes」の名前で一度ググれば、ホーネッツと共にさんとエア〜ボールさんの記事が検索結果画面1ページ目に出て来るのは伊達じゃありませんよ。

つー事で矢沢永吉もビックリなウェスの成り上がり振りはエア〜ボールさんにてご確認下さい。で、読んでみての私の感想なんですが、あー、ギョーカイ(古)に多いタイプだなあと。エンタテインメント業界全般に言える事ですが、あそこは顔の広さが非常に重要なんですね。色んなところに点在するキーマンと言うべき重要人物に「ああ、○○ちゃん元気?」などと顔が効くようなヒトが重宝されるんですよ、あの世界。何しろゴルフ場でレコード大賞受賞が決まるなんて世界ですからね。

ウェスはその方法論をスポーツ界にも持ち込んだという訳です。元々ヒップホップ/R&B業界を中心としたブラックカルチャーとNBAなどで活躍する黒人アスリート達とはかなり交流があるんですよ。ほら、最近NBAちゃんぷる〜さん3J時代のマヴスの話で、トニ・ブラクストンを巡って3Jが仲違いした、って書いてあったでしょう。当時のトニさんは正直美人とは言えな・・・モゴモゴ、個性的なアレだったんですが、まあそういう事は別に普通だった訳です。そりゃあグラント・ヒルの嫁さんはクインシー・ジョーンズ(マイケル・ジャクソンのプロデューサー)秘蔵っ子シンガーのタミアだし、リック・フォックスの前妻はこれまた塩野義製薬でお馴染みのシンガーのヴァネッサ・ウィリアムズだったりもするはずですよ。

そんな中にあって、ウェスはスポーツ業界を足掛かりにエンタメ業界まで押さえ、今や並ぶ者とて無い立場を何時の間にやら確立していたんですね。これは最早フィクサーとでも呼ぶべきでしょう。恐るべきは人脈パワー。私、さっき「矢沢永吉」と書きましたが、むしろこの成り上がり方は糸井重里っぽい気もしますね。詳しくは秘密の花園結社リスペクター (Vol.2) (SPA! comics)
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の「となりのイトイくん」の項をお読み下さい。

さて、そんな「となりのウェスくん」が今やNBA界の支配者ぐらいの勢いになりつつある訳ですが、そんな中で一体彼は何がしたいのでしょうか。正直、これだけ名を馳せている彼が今更エージェントとしてしゃしゃり出る必要があるの?って話ですよね。だってもう今の時点でリーグを支配する隠然たる力をお持ちなんでしょ。今更表舞台に出てきて何したいの?と疑問は募ります。

・・・それがまあ権力欲って奴の不思議なところなんだろうな、と思いますね。 十分一生不自由しない程の財産があってももっと多くを求める億万長者の如く、ヒトは多くを持てば更に多くを望む生き物なのですよ。

マイアミ・ヒートのてんぷくトリオ結成に、ウェスがどこまでの役回りを果たしたのか確たる証拠はありません。むしろレブロンをヒートへ走らせた原動力はウェスでは無くパット・ライリーの魔力溢れる勧誘、そして同期コンビでした。しかし、3人が同じエージェントに属した事は何らかの形で作用したのは確かであるように思われます。

思えば、ポールが今オフにトレード要求をぶつけ始めたのはレブロンのマイアミ行きが実現するより前でした。レブロンがウェスの思い通りにならずにフロリダ半島を目指すにあたり、ウェスはマイアミの少年隊とは別に、自らの手腕でもって別のタイトルコンテンダー足り得るチームを作り上げたかったのではないか、そのためにレブロンと2人してポールを唆したのではないか・・・私が予想するのはそういう絵です。

http://sports.espn.go.com/nba/news/story?id=5414701

その行き着くところがあの一連のポール騒動、そしてリーグからの異例中の異例と言える「ポールないし代理人に対してホーネッツを通さずポールのトレード交渉を行う事を禁止する」という通達ですね。トレードの交渉を行う相手がチームフロントではなくエージェント・・・まだ21世紀は始まって10年なのに、世も末だなあと思わずにはいられません。モヒカン頭で肩に鋲の入った服着て「汚物は消毒だ〜!」とか言ってれば良いのでしょうか。ヒャッハー!

とりあえずポールの移籍話は落ち着きました。しかしながら、今の時点でポールが「ニューオリンズ以外でプレーする事なんか考えた事も無い」なんて発言をしていても、決して額面通りに取ってはいけません。思い出して下さい、レブロンが今回の決断を下すまでに何を言っていたか。「キャヴスで優勝したい」「クリーヴランドが第一の選択肢」とか散々言い続けた結果があのアクロン火祭りですよ。ホーネッツはキャヴスの轍を踏まないためにも、トレード等で上手く立ち回っての補強で、マジックみたいな(苦笑)金満補強だけが全てじゃ無いところを見せて欲しいものですね。

それにしても、私が何度か書いてきた「レブロンの回りの間違った大人達」って、この人達だったんだなあ、とやっと実態が掴めた気分です。有り難うエア〜ボールさん。有り難うD誌'10年9月号P92〜93。さて、じゃあそんな回りの大人が皆悪いのかというと、そう単純でもありません。レブロンはレブロンなりにやはり間違えた、私はそう思いますね。エージェント話はとりあえず打ち止めとし、次からは再びレブロン本人の決断の問題点を考え直してみましょう。

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