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NBAでプレー出来る選手ってのは、多かれ少なかれ何らかの能力なり特技なりを持っています。背の高さ、フィジカル、運動神経、ジャンプ力、メンタルタフネス、そういった数々の能力に日々の努力が合わさって、NBAでやっていける何かを持つのです。それがどういう形で結実していくか、それは選手個々人の特性や日々の練習の内容・成果によって異なります。また努力の結果、後天的に身につけるスキルだって当然ある訳です。マイケル・ジョーダンは引退まで新しいムーヴを研究する事に余念がありませんでしたが、そういう努力の賜物が今の彼の地位を築き上げているんですね。

今回はある意味ジョーダンと同じく、スラムダンカーからクラッチシューターへとジョブチェンジを果たしたあるガードについて取り上げます。1965年10月5日、ケンタッキー州ボウリング・グリーンに生を受けたこのイケメン(過去形)の名前は、レックス・チャップマンです。

レックスさん素敵!





地元のアポロ高校で既にバスケットボール選手としてスターだったチャップマンはあちこちの大学からリクルートされるも、地元志向を徹底して大学でもケンタッキー大を選びます。地元ながらも名門のこの大学で、オールサウスイースタンチームに1・2年と選出。2年時にはチームを27勝6敗まで引き上げ、チームはAP及びUPIの全国ランキングで6位に入ったのです。NCAAトーナメントでの成果はスウィート16(文字通り16強入り)で終わりましたが、チャップマンは大学でもそのキャリアを成功させたと言えるでしょう。かくてチャップマンは2年の在学期間を終えてNBAドラフトへとアーリーエントリーを果たしたのです。

'88年ドラフト、8位でチャップマンを指名したのがシャーロット・ホーネッツ(現ニューオリンズ・ホーネッツ)でした。彼こそはホーネッツ史上初のドラフト指名選手だったのてす。新球団創設当初故にスター選手もおらず、気兼ね無くプレー出来たであろうチャップマンは16.9得点となかなかのNBAキャリアスタートを切ります。ただ、やはりチームはエクスパンション1年目の悲しさ、20勝止まりのドアマットモードでありました。



またこのシーズン、チャップマンはその運動能力を武器にダンクコンテストにもエントリーするも8人中6位でフィニッシュ。優勝は全員をウィンドミルで吹き飛ばした感のあるドミニク・ウィルキンスのものとなります。



しかし翌年、彼は今一度ダンクコンテストに挑みます。チームメイトのケンドール・ギルも参戦したこのコンテスト、惜しくもチャップマンは8人中3位で敗れました。これらを見ても分かる通り、この頃のチャップマンはその運動能力でド派手なダンクをブチかます選手というイメージが強かったですね。この頃のNBAヴィデオを見ても、ダンクでのハイライトシーンに彼のダンクは結構使われていたものでした。

チャップマン自身の個人成績は2年目には17.5得点、3年目には15.7得点と推移します。問題はその間、ホーネッツが特に勝ち星を伸ばせた訳では無いという点でした。そして4年目、'91-'92シーズンに遂にチャップマンはホーネッツに見切りを付けられてシーズン半ばにワシントン・ブレッツ(現ウィザーズ)へトレード放出されたのです。ラリー・ジョンソンがドラフト1位で加わり、いよいよホーネッツが浮上するかというタイミングでの移籍とは、チャップマンも無念だったのではないでしょうか。しかもこの時、チャップマンは故障のため移籍後1試合のみの出場でこのシーズンを終えるのです。順風満帆に見えた彼のバスケットボールキャリアに、翳りが差し始めました。

チャップマンはブレッツで3シーズンを過ごし、その出場試合の大半を先発で務めます。2年目にはFG成功率.498、3ポイント成功率.388、18.2得点と3部門でキャリアハイを達成。しかしながら、彼の在籍期間中ずっとブレッツはドアマットチームであり続けました。そして3年目、やっとクリス・ウェバーとジュワン・ハワードのミシガン大FAB5コンビが揃ってチームが浮上出来そうな戦力が揃い出したというのにチャップマンの出場試合数は僅か45試合と落ち込みます。ここまで2シーズン連続60試合しか出場出来ていなかったところに更に出場数が下がったのを見れば明白ですが、チャップマンは更に故障に苦しんでいたのです。

そしてチャップマンは'95オフ、ヒートへとトレードされます。既にイケメンの風貌は髪の毛と共に去り、いつしか彼は髪を剃って髭を伸ばす、やや精悍なビジュアルへと変貌しました。そのヒートでもチャップマンは56試合と相変わらず故障で減った出場試合のうち、50試合で先発を務めて14.0得点をマークします。そしてキャリア初のプレーオフ出場を果たしました。ま、史上最強のブルズ相手に3連敗してすぐ終わったのですが。チャップマン自身も9.0得点と一気に数字を落としてしまいましたが、まあ世界最高のSG、マイケル・ジョーダンが相手では致し方無いでしょう。

そしてこのシーズン後、チャップマンはFAでサンズと最低保証額での契約を果たしました。NBAデビュー以来実に4チーム目となったこのサンズこそが、彼にとって運命のチームだったのです。この時のサンズは既にバークリーがロケッツへトレード移籍して去っており、代わりにキャセール、オーリー、マーク・ブライアントを迎えていました。この時のサンズはそれだけではない激動の1年でしたね。まず開幕から13連敗でフィッツシモンズHCが退任し、代わって就任したエインジHCがオーリーに試合中顔面にタオルをぶつけられる事件が発生して、オーリーはセドリック・セバロスとの交換でレイカーズへ放出。更にキャセールもA.C.グリーン、マイケル・フィンリーとセットでマヴスからのジェイソン・キッド獲得トレードの為に出されてしまったのです。ああ、ついでに言うならばルーキーとしてスティーヴ・ナッシュが加わった年でもありました。

かように選手の出入りが非常に激しかったこのシーズンのサンズにおいて、チャップマンは例によって65試合という微妙な出場数のうち、33試合に先発して13.8得点をマーク。そしてこのポストシーズン、彼はサンズファンの心を完全に掴んで離さないプレーを見せたのです。40勝でかろうじて'97プレーオフに進んだサンズの1stラウンド(当時は5戦シリーズ)での対戦相手はソニックス。この強敵相手にサンズを引っ張ったのがチャップマンでした。

ケヴィン・ジョンソンとキッドがガードで先発し、チャップマンはSFという超スモールラインアップで望んだサンズにあってチャップマンは第1戦では42得点を叩き出していきなり1勝を勝ち取る原動力となります。第2戦でも18得点でチームをリードしますがこちらは敗戦し、1勝1敗でサンズはフェニックスへ戻ります。

第3戦、チャップマンは23得点。KJ21得点、ウェズリー・パーソン29得点も効いてサンズは王手。そして第4戦4Q残り4.3秒、104-107というところまで来て、チャップマンはサンズファンの目の前で、見た者にとって忘れ得ぬミラクルショットをぶちかまして見せたのでした。



クラッチショット数ある中でも、これは本当に凄いですね。かつてダンクコンテストに出場していたチャップマンの跳躍能力あってこそのこの同点3ポイントでこの試合は見事OTへ突入したのです。このOTで敗れたサンズは結局2勝3敗で1stラウンドで敗退しましたが、チャップマンのサンズでのステータスはこれで決定的なものになったと言えます。

実際、チャップマンはサンズと2シーズンの最低保証額契約が終わった後、平均300万ドル超の4年契約をかわします。これはサンズ側の誠意だったなぁと思いますね。正直故障の多いチャップマンに複数年契約を提示するだけでもリスキーだったはずですから。そして実際、チャップマンはサンズでこの後、結局通算4シーズンしか残れませんでした。サンズ2年目には68試合中67試合先発で15.9得点と往年のスタッツに近い数字を叩き出したものの、3年目は38試合(全50試合の短縮シーズン)、4年目は53試合しか出場出来ませんでした。しかも4年目には18.1分しか出られていません。この2シーズン、チャップマンは故障で満足にプレー出来なくなってしまったのです。かくて契約2年を残し、32才の若さでチャップマンはユニフォームを脱いだのでありました。

引退後のチャップマンはサンズに残ってスカウト、バスケットボールオペレーションディレクターを務めます。その後はTNTでコメンテーターを務めた後、ウルヴスでのスカウト、ナゲッツでのプレーヤー人事担当の副社長などを歴任してますね。

プレーヤー個人としては将来的に名前を残す事は難しいキャリアですが、彼の名前は知られなくともあのクラッチショットは永遠に語り継がれる事でしょう。NBAに入れても何も成し得ないまま去っていく選手の方が圧倒的に多い事実を考えれば、例えオールスターになったり優勝リングを持ったりする機会に恵まれなかったとしても、彼のキャリアは決して悪いものでは無かったと思う次第です。

※参考文献
Wikipedia
ケンタッキー大ホームページ
NBA.comよりスタッツ
バスケットボールリファレンス.comよりキャリアスタッツ



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