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前編より続く)

という事で続きです。今回は前編で紹介したランキングに登場しなかった選手・ムーヴについて、概ね年代順に取り上げていきましょう。

ビル・ラッセル:ブロックショットの鬼



NBA初のと言って良い黒人スーパースターにして、唯一の11個優勝リング持ちという偉大なセンターです。同世代最大のライヴァルだったチェンバレンのような派手なスタッツこそありませんでしたが、ラッセルには卓越したブロック技術がありました。しかも、ラッセルが恐ろしいのは単に力任せにブロックするのではなく、ブロックしたボールが味方ボールになるように計算してブロックしていたという事実です。そんな事まで考えてブロックしていた選手なんて他にご存知ですか?初めてブロックショットを武器にした男は、いきなり史上最強のショットブロッカーだったという事です。

ウィルト・チェンバレン:全てが規格外のスーパーセンター



1試合100点、シーズン平均50.4得点、FG成功率72.7%、シーズン平均48.5分出場などなどNBA史に不朽の記録を数多く残した名選手なので皆さんご存知でしょうが、実はNBA史上唯一のリバウンド王とアシスト王を同時に達成した選手でもあります。いいですか、リバウンドとアシストですよ。言うまでも無くNBA史上最長身のアシスト王であります。

またキャリアを通じてオフェンス志向の選手でありディフェンスへの評価は低かったのですが、ディフェンスを重視するHCの元でプレーするとオールディフェンシブ1stチームに選出されています。アシスト王になった時もそうでしたが、HCの戦術にあわせて何でも出来たという意味では真のオールラウンダーだった訳です。多少文句言いながらもHCの戦術に即したプレーをやってた素直さもちょっとビックリですね。

エルジン・ベイラー:元祖スカイマスター



ジュリアス・アーヴィングやジョーダンの源流は間違い無くこの選手です。今日では当たり前の高く飛ぶスウィングマンの元祖は彼なのですよ。圧倒的なジャンプ力と多才なムーヴで、ビッグマンありきだったNBAの潮流を今日のSG・SF隆盛の流れへと大きく変えた先駆者であります。あまり映像が残ってない事だけが悔やまれるところですが。

ジェリー・ウエスト:至高のクラッチシューター



ご存知NBAロゴのモデル。やり手GMのイメージの方が近年では強いですが、プレーヤーとしてはジョーダンと同じく最強のクラッチプレーヤーとして知られました。この動画1:00あたりで出てくるハーフコートショットは実は'70年のファイナル第3戦で負け越しシュートを食らった直後に放った同点ブザービーターであります。あれは彼の数々決めてきたクラッチシュートの究極形なのですよ。

また'69年のファイナルから始まったファイナルMVPの初代受賞者でもありますが、この時彼の所属するレイカーズは敗れています。彼は史上唯一のファイナル敗退チームからの受賞者となったのです。NBAのロゴに採用された理由、お分かり頂けましたか?

ウォルト・フレイジャー:スティールキング



泥棒ヒゲが印象的なこの選手はラッセルとは違う方向でディフェンスを極めております。スティール、です。見てお分かりのようにハヴリチェックやウエストなど、当時のトップスター相手にあっさりスティールを奪う様は正に職人芸であり、7年連続オースディフェンシヴ1stチーム選出も納得の結果でありました。おしゃれ番長としても有名ですが、ニックス史上たった2回の優勝をもたらした功績は彼によるところが大きいのです。

オスカー・ロバートソン:Mr.トリプルダブル



NBA史上最高の選手は誰か、という論議が出る際に絶対に外せない名前の1人がこの人、ロバートソンです。何しろNBA空前絶後のシーズントリプルダブルを達成した至高のオールラウンダーですからね。SF級の体格にガードのスピードとクイックネスを兼ね備え、信じ難いシュート能力の高さとコートヴィジョン、そしてパスセンスまでも兼ね備えた究極超人はNBAで彼以外に1人しか達成していない得点王&アシスト王同時達成、史上6回しか無い30得点10アシスト超のアヴェレージを5回達成、ガード唯一の平均2桁リバウンドを3年連続で達成・・・最早別次元です。

背の低い選手がガード、というそれまでの固定観念を覆した初の選手という意味ではマジック・ジョンソンの先輩とも言えます。オールラウンダーという意味ではグラント・ヒルやレブロンのプロトタイプと言えましょう。更に付け足すならば、ヘッドフェイクやフェイダウェージャンパーなどの普及にも貢献した選手でもあります。

リック・バリー:アンダースロー



「スラムダンク」で花道がやっていたアンダースローのFTですが、恐らくは彼が元ネタです。そもそも1940年代以前はこっちがFTの打ち方としては一般的でしたが、それを久々に甦らせたのが彼、バリーでした。ブレント、ジョン、ドリューと次々NBAに登場したバリー兄弟の父親です。

本来は外角シュートを中心に多彩なスキルとクイックネスを武器とした長身選手であり、凄まじい闘争心の持ち主でもありますが、そういった本来の持ち味とのギャップを感じずにはいられないこのフォームもまた、立派なシグニチャームーヴであると思います。なお、学生時代には既にこのフォームをモノにしていたバリーのNBA・ABAを通じてのキャリアFT成功率は89.3%でした。

ネイト・アーチボルド:小さな巨人



ロバートソンと並ぶ、得点王とアシスト王を同時に達成した選手はこの人です。背丈僅か6-1という小兵選手ながら、卓越したペネトレーション能力を惜しみ無く発揮してビッグマン溢れるインサイドへガンガン切り込み、ファウルを誘って得点を稼ぎつつ正確なパスも繰り出してみせるというちょっと凄い選手です。キャリア晩年にはセルティクスでアシストにより注力して、リングも獲得しています。私はアイヴァーソンやマーブリーには、こういう選手になって欲しかったとです・・・。

マジック・ジョンソン:ノールックパスの完成者



ま、この人について今更あまり解説は不要かもしれませんが、ノールックパスにフェイクを加えたりレッグスルーまで組み合わせたりというところまで持って行ったのはこの人です。こうして見ても、色々と別次元ですな。

オールラウンダーとしても実力があり、ロバートソンに次ぐ歴代2位のトリプルダブル達成を誇ります。だいたい新人の年に、ファイナルで故障したカリームの代わりに先発Cで出場してファイナルMVPですからね。ファイナルでのミスでクラッチ能力を疑われた時期もありましたが、カリームから学んだフックショット、「ベイビーフック」で最終的に払拭出来ました。キャリア終盤にはFT成功率を上げるなど、修練を欠かさない努力家でもあったのです。

ラリー・バード:ザ・レジェンド



マジックと違ってPGではありませんでしたが、このライヴァル2人は結構似たところがあります。バードもまた抜きん出たオールラウンダーであり、マジックほど手が凝んていなかったものの秀逸なノールックパスを得意としていました。ライヴァルであるが故に互いにインスパイアしあった結果でもあったのかな、と思います。

しかし、バードの一番の持ち味と言えばやはりクラッチ能力。見ての通り、彼の勝負強さもまたNBA史上屈指のものでした。上の動画でも出てきますが有名な'86年の3ポイントコンテスト、最後の1球が入る前に既に勝利を確信して指を立てていたのを見れば分かるように、自信に満ち溢れていました。その能力は数々のクラッチショットで顕著ですが、一方でチームの窮地を救うスティールもありました。



これが「THE STEAL」と称される名プレーです。'87プレーオフでピストンズに追い詰められたところで飛び出したこのプレーはアイザイア・トーマスのやや迂闊なパスを見逃さなかったバードの見事なスティールでした。

バードがマジックと違ったのは、アスリート能力には著しく欠けていたところです。それを補ったのは彼の高いスキル、マジック同様プロ入り後も絶やさなかった技術向上への努力、ルーズボールにも躊躇無く飛び込むガッツ溢れる姿勢、そして沈着冷静なプレースタイルからはちょっと考えられない激しいトラッシュトークと闘志だったと言えます。

ドミニク・ウィルキンス:武器としてのダンク



「栄光無き〜」でも一度取り上げましたが、この人が凄いスラムダンカーであったことは何となく皆さんご存知だったと思うんですけど、ここまでと知ってました?ディフェンスを蹴散らして叩き込むスラムダンクは正に対戦相手にとって脅威そのものだったと思います。そして決してダンクだけの選手でも無かった訳です。初代ドリームチーム未選出、NBA50周年時の50人に未選出など過小評価に喘ぐ彼ですが、皆さん是非この勇姿を目に焼き付けておいて下さい。

マイケル・ジョーダン:神いわゆるゴッド



突き詰めてしまえば、我々の世代はジョーダンを見てしまったからなかなかその後満足出来ないのでしょう。セナ後のF1みたいなもんですね。

ジョーダンって要するに、最初からシグニチャームーヴを複数持ってました。驚異的なジャンプ力から魅せるスラムダンクの数々、前編で見て頂いた空中でのダブルクラッチ・トリプルクラッチからの得点、そして大学時代に既に確立していたクラッチプレイヤーとしての資質。そりゃ人気と実力を兼ね備えもしますわ。

シャキール・オニール:「物理」




「俺がダンクすれば相手が吹き飛ぶのは当然。物理さ」これはマジック在籍時にシャックがインタヴューで言い放った言葉です。実際そうだから困ります。見ての通りシャックはルーキーイヤーに公式戦で2つのリムを破壊しているのです。チェンバレン同様、シャックもまた圧倒的なセンターでした。ま、流石に皆さんの記憶にも新しいと思いますが。

ヴィンス・カーター:史上最高のダンカー



ジョーダン後、ダンクでのインパクトでジョーダンを越えた選手はカーター1人だと思います。実際ラプターズ時代のカーターは疑いも無くNBAのトップスターでしたよね。今のところ、現役選手で最もインパクトの強いシグニチャームーヴを持つ男は依然として彼でしょう。流石に全盛期の勢いは失っていますが、体のつくりから違うなと思わずにはいられない体のバネとジャンプ力は依然として健在です。来季どこのユニフォームを着るのか分かりませんが、もう一花咲かせて欲しいもんです。

・・・以上、どえらく長くなりましたがこれでも掻い摘んでのご紹介です。他にも紹介するべき選手は正直いるだろうなーと思います。とりあえず、前編含めてこれだけ見てみて、今のNBAはどうですか?ドワイトは凄いショットブロッカーですけどラッセルほどの凄みはありません。レブロン&ウェイドやカーメロ、デュラントは皆素晴らしい選手で異論はありませんが、遠い将来まで名を残せるかというと私はまだ疑問です。スター選手は十分いますが、スーパーが付くほどのインパクトを後世に残せるかはむしろこれからにかかっていると思うんです。まあ先程名前を挙げた面々はドミニクやカーターよりは選手としては大成出来そうな気配はありますが。



ダンク、という一点で言えばブレイク・グリフィンは既にNBAにセンセーションを巻き起こしていますね。チームとしての結果が伴えば、彼は大いに可能性があると思います。そのためにはダンクだけではないオールラウンドな才能をより発揮して欲しいと期待しています。

「昔は良かった、それに比べて今時の若いもんは」などと古今東西で使い古されてきた言葉を使うつもりはありません。今時の若いもんだって、これだけ見習うべき偉大な先輩達がいるんです。ドワイトがユーイングやオラジュワンから学んでいるように、先達のスキルを学んでどんどんプレーに磨きをかけ、後世に名を残すレジェンド選手が再びリアルタイムで現れる事を願います。




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