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注)今記事は上記BGMをかけながらお読みになる事をお勧め致します。

http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1672805.html

またもプロ野球絡みのネタを1本。

皆様ご存知の通り、先のプロ野球ドラフトにおいて、巨人ファンには悲劇と言える事件が発生しました。巨人単独指名で確定と思われていた原監督の甥、菅野智之選手がまさかの日本ハムと競合、抽選の結果日ハムが菅野選手の指名権を華麗に奪い去ってみせたのです。原監督は得意の顔芸を発揮してどんよりモードになり、そして監督の父にして菅野選手の祖父にあたる東海大系列校野球部の総監督、原貢氏に至っては「事前のサツアイが無かった」とブチ切れまくりです

「事前のサツアイ」も何も、そもそも巨人関係者以外事前に会わせてくれなかったヤン!というツッコミで原貢総監督のコメントについてはカタがつきます。が、それだけで済ませるのもアレですし、特に巨人ファンの方は相田彦一並みの勢いで「なんでやあ〜!」だと思います。そんな納得行かない巨人ファンの貴方の為にも、何がいけなかったのかをNBAファンの知識を投入しつつ解説してみましょう。

まず、最初に指摘しておきたいのは「不快感」「不信感」とやらについてです。気がつきませんか、ドラフト指名時に「不快感」だの「不信感」だのを表明される際、巨人や阪神のような球団が対象となる事はまずありません。結局、それを口にしているのはただの我が侭なんですよね。

今回の原貢総監督、そして毎度お馴染みナベツネが言うところの「人権侵害」だの「人権蹂躙」だのって発言も随分酷いです。考えてみて下さい、プロポーズを断るにしても普通は気をつかうもんです。それを横から人権侵害だの蹂躙だのと口を挟む事がどれほど失礼か、って話ですよ。プロポーズ断るのに「人権侵害」は無いでしょ普通。

そもそも、日ハムは何もルールを犯した訳でも、どこかの球団みたいにルールの穴を突いたりした訳でもありません。むしろ、日ハムは現在のドラフト制度下で巨人がここ2年続けてきた「巨人指名じゃなきゃ浪人or社会人」という、実質逆指名制度を勝手に行っている状態を逆手に、1/2の確率で大物選手の指名権を獲得出来るチャンスに賭けた訳です。無論入団を拒絶されるリスクはありますが、なかなか見事な作戦だと思いませんか?巨人は3年連続無風ドラフトで行けると油断していた隙を見事に突かれてしまった格好です。外れ指名の事など正直考えてもいなかったんじゃないでしょうか。それがまた巨人ファンの方々には忌々しいんでしょうね(^_^;)

ドラフト制度下においてそもそも巨人だけが逆指名モードを押し通そうとする無理は巨人ファンでも否定し難いものがあるかと思います。では、原貢総監督やナベツネ宜しく、ドラフト制度に対する異議を唱えてみるのはどうでしょうか。職業選択の自由侵害だ!ってなもんですね。

えー、まず菅野選手はプロ野球選手になるという職業選択の自由は与えられてます。現状では行き先が巨人じゃない、というだけの事ですね。考えてもみて下さい、まだ何も成し得ていない新入社員が花形の職場じゃなきゃ嫌だとか抜かしたら皆さんどうしますか。「結果出してから言え」ですよね普通。いかにアマチュアでスターだとはいえ、それは菅野選手がプロ野球でも成功する事を必ずしも担保しません。プロでは全く通用せずに即引退となる可能性だって大有りなんですよ。何を我が侭言ってるの、って感じです。日ハムで頑張って、FAで大手を振って巨人行けばいいじゃないですか。

ドラフトが人権侵害だの蹂躙だのいうヒトって、残念ながら99%巨人ファンですよね。それはドラフト制度が日本においては、巨人にとって特にマイナスだからです。ナベツネ氏がドラフト制度否定派の急先鋒なのは当たり前の話なんですよね。

ドラフト制度導入前、読売巨人軍には才能ある選手がガンガンに集まりました。その成果が川上監督の偉業、V9巨人だった訳です。そして日本プロ野球においては巨人という主役、阪神という当て馬、そしてその他モブキャラ球団という図式が完成しました。「巨人、大鵬、卵焼き」とまで言われる巨人一極体制は昭和プロ野球界において確かな成功を収めたのです。テレビでは日本中どこでも巨人の試合が放送され、阪神含めどこの球団も巨人との対戦試合での観客増を期待したのです。日本プロ野球は完全に巨人人気に依存しており、巨人の意向には逆らえませんでした。ナベツネ氏の一見傍若無人に見える振る舞いは、この時代の名残なのですね。特に江川の入団騒動を知るヒトなら、あの時巨人がいかにルールをねじ曲げ、結局無理を押し通して江川を獲得したかをご記憶の事と思います。

ドラフト制度というものは、そういう人気球団の専横&戦力一極集中状態を打破するために投入されたものでした。それを人権侵害だと言うならば、それまでの状態というのはチームを補強したいという巨人以外の球団の権利を侵害し続けてきた歴史なんですよね。ドラフト制度を否定する事は、巨人、あと最近金持ってるみたいだから阪神もそうですが、それら人気球団だけが良ければいい、おまえら雑魚共は俺達の食い残しからせいぜい使えそうな奴でも探しとけやと言ってるようなものです。貴方が巨人や阪神の関係者・ファンならばそれでも満足かも知れませんが、その他の球団関係者やファンの気持ちはどうなります?って話です。

それに、パリーグの地方展開作戦が功を奏し、もう巨人一極体制というビジネスモデルは崩壊しつつあります。北海道、東北、九州には今やそれぞれ応援する球団があるんです。巨人の試合の視聴率が落ちたのはプロ野球の人気下落というより、他球団に人気が分散した結果に過ぎません。無論サッカーに持っていかれた分もありますけどね。

最下位チームから順に指名をするウェーバー制が導入されてない時点でドラフト制度は日本ではかなりいびつになってますが、戦力分散という意味では一定の成果を上げているのは確かです。ウェーバー制ならば横浜があれだけ低迷し続ける事も無いんじゃないかと思いますが・・・。その意味では、セリーグよりパリーグの方が健全な競争が出来ているんでしょうね。何しろ昨季日本一のチームが今年は最下位に沈むぐらいですから。

上でも書いたように、巨人に指名されなかった、と言っても菅野選手が奪われるのは新人時代から巨人でプレーする自由だけです。それを人権侵害と言うならば、指名されない選手達は皆プロ野球でプレーする自由を奪われた、人権侵害だとでも騒げば良いじゃないですか。彼ら指名の無い選手達に比べれば、菅野選手の悩みがどれ程贅沢なものかは明白です。NBAはじめメジャースポーツでもドラフト拒否の例が無かった訳ではありませんが、基本的にそんな選手が殆どいないのはここのところを良く理解している選手が多いからじゃないかと思います。それに、決して裕福じゃない家庭に育ったが故に早く家族を養いたいような選手には、そもそもそんな選り好みをしている余裕もありません。菅野選手は浪人の可能性もあるそうですが、社会人野球すら行かないとは、えらく余裕のある事ですな。流石野球一家三代ってなもんです。1年浪人、勿体無いですなあ。

そう、勿体無いんです。プロ野球で即戦力と見込まれている彼が1年間プロ野球でプレーしない事はプロ野球にとって、そして何より菅野選手本人にとって勿体無いんですよ。彼のこれから1年は1回しかありません。その1年の間にプロ野球で経験出来たはずの諸々を、彼は入団拒否で失ってしまうんです。金銭面のマイナスは栄養費でも貰えるのかも知りませんが、この損失はそういうマイナスとは本質的に違います。大卒1年目の時間は失えば二度と戻らないんですから。その損失を払ってまで巨人に入る事が本当に孫の幸せだと信じているのならば、東海大相模以来名監督と言われていた原貢総監督も老いたな、と言わざるを得ません。何しろ、来年のドラフトでも他球団が横槍を入れて来ない保証はありませんし、巨人だって来年は来年のプランがあります。巨人がそもそも指名しなかったらどうするつもりなんでしょうか?

ここらでNBAファンならではの例を出しましょう。ポール・ピアースという選手はカリフォルニア州オークランドの生まれでロサンゼルス・レイカーズの大ファンであり、ライヴァル球団のボストン・セルティクスの事が大が付くほど嫌いだったんです。ところが、その彼がいざNBAドラフトにかかると、何の因果か、そのセルティクスに指名されてしまいました。

しかし、彼は入団拒否もせずにセルティクスに加入。1年目から才能を発揮して、やがてセルティクスの大黒柱となりました。FA移籍のチャンスもありましたし、チーム低迷期にトレードを要求したなんて報道もありましたが、セルティクスは逆に彼の回りにスター選手を2人連れて来る誠意を見せたのです。そして名門セルティクスは見事強豪として復活、なんとレイカーズを倒して久々の優勝を果たし、ピアースはファイナルMVPに輝いてみせました。今やピアースの背番号34がセルティクスの永久欠番になる事は確定事項となっているのです。

まあこんな遠い例を出さずとも、日本プロ野球でも近鉄バファローズに指名されて涙を流して拒否会見をしたはずが一転して入団、近鉄不動のエースとなった阿波野投手の例がありますよね。住めば都、って事です。家族の元を離れて北海道で暮らすのもこの際菅野選手の自立の為には良いかも知れません。父親はまだしも爺さんが孫の進路にあれこれ口を挟むなんて、自立出来てない証拠でしょう。もう大学卒業するいい大人なんですよ?

日本ハム、そしてパリーグという環境は菅野選手にとって、むしろピッチャーとして大成出来るチャンスです。栗山新監督の手腕は不明ですが、ダルビッシュ(MLBに行かなければ)をはじめとする先輩方もいます。球団は違いますがダルビッシュとも仲の良い楽天マー君もいいアドヴァイスをくれそうな気がしますね。彼らの今ドラフトについてのツウィートは冷静かつ非常に腑に落ちる内容でしたし

人間、挫折せずに生きる事はまずありません。恋愛、受験、就職活動、会社で人間なにがしかは挫折するのが普通です。菅野選手自身も先日、大学生活最後の試合でそれを痛感したはずです。このドラフトの結果も彼にとってはそうだったかも知れませんが、よくよく考えてみればそこまで酷い事態ではない事に気付くはずです。少なくとも、彼はプロの世界で野球をプレーする事を奪われた訳じゃ無いんですから。

菅野選手自身の人生ですから、どう選ぶかは確かに彼の自由です。ただ、とりあえずもう爺さんやおじさんの意見ではなく、自分自身で考えて決断して欲しいですね。そろそろ日ハムの人間を門前払いしたり親や関係者にしか会わせないとか失礼な事は止めて、自分自身で日ハムの人間に会って話してみて、自分自身の頭で考えて欲しいと思う次第です。ま、日ハム行った方がきっとベターだと思いますけどね、私は(^.^)

こんなジャンル的にも畑違いなマイナーブログをまさか菅野選手が見ているとは思いませんが、もしうっかり彼に近しい立場の方が読者にいらっしゃるようでしたらお伝え下さい。少年老い易く学成り難し、Soon we will be older、と。

P.S.

誤解されると困るので予め申し上げておきますが、私は別にアンチ巨人でも日ハムファンでもありません。敢えて言うなら緩い阪神ファンですが、今はどこの球団も好きだったりします。巨人についても前々から申し上げているように、原監督の顔芸をこよなく愛するものです私が批判しているのは巨人のドラフトのやり方であって、巨人という球団そのものではない事をどうぞご理解頂けると幸いです。

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いしいひさいちが書くところのナベツネさんのこの似顔絵もかなり好きですね。渡辺恒雄さん自身はナベツネと呼ばれる事を嫌がっているそうですが、あの年で仇名があるなんてむしろ親しまれてる証拠でしょw



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