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http://espn.go.com/nba/story/_/id/7195620/nba-owners-players-end-talks-deal-table-wednesday
http://sports.yahoo.com/nba/news;_ylt=AiyQekUBHpokBwBDoUpaXNi8vLYF?slug=aw-wojnarowski_nba_labor_talks_110511

いやあ、参りましたなあ。現地土曜から再開された労使交渉ですは、これはかなりヤバい事になって参りました。Go New York Go!さんが完璧な纏めを既にアップされてますので詳しくはそちらをご参照頂ければと思いますが、とりあえず最大の争点だった利益分配の話だけ取り上げますと、選手会側が51%(しかも1%は引退選手用)まで要求を下げてきたのに対し、オーナー側は利益により49〜51%と変動する利益配分を提案したのです。つまり、選手会側の要求はほぼ50%と言って良いでしょう。それをオーナー側は更に下げる要求をした訳ですね。だってこんなん、「いやー今年も利益いまいちだったわ〜」って毎年最大に悪い数字で帳尻合わせれば51%なんてまず出ないでしょうからね。

しかも、オーナー側はこの提案に、現地水曜までというデッドラインを設けたのです。で、これを受け入れない場合はこの提案を取り下げ、利益配分47%&ハードキャップという提案を代わりに出すというおまけつきです。

・・・これ、オーナー側はもう今季中止に追い込もうとしてません?ただでさえ選手会側はフィッシャー会長は弱腰なんじゃないかとか、実は密約で妥協する話が出来てるんじゃないかとか言われだしており、一部強硬派は選手会を解散して法廷闘争に持ち込もうとしている、なんて話も聞こえています。そのタイミングでまず選手会の下げたハードルを更に低くしようとしているってのはもう、フィッシャー会長への弱腰という批判を更に強めようとしているとしか思えません。しかも交渉にこれだけ難航している時にデッドラインだけじゃなく、更に厳しい提案をちらつかせる・・・これは交渉じゃなくて脅しでしかありませんね。選手会の強硬派が「ほら見ろ、そんな弱腰じゃ駄目なんだよ!」と主導権を握るように仕向けているかのようです。そしてそうなれば、ほぼ確実に今季は終了します。

前々から申し上げている通り、そもそもこれは平等な交渉ではありませんでした。ロックアウトという形で財布を抑えられている選手会には圧倒的に不利な交渉なのは分かってましたし、ロックアウトによるダメージは明らかに選手会側の方が上なのは明らかです。

このままもし妥結したとしたら、もうこれは圧倒的に選手会の敗北、それも完敗ですね。それを選手会側が良しとするとは到底思えません。何しろ、57%→51%でも既に6%譲っているんです。49%?8%も譲ったらもう惨敗でしょう。オーナー側はそこまでして選手達を搾り取りたいの?と思いたくもなります。しかも選手会側の要求は51%といいつつ、引退選手分1%を選手会側に含むという、実質50%と言って良い提案だった訳です。これは選手会とオーナー側のどちらの顔も立つ、なかなかの名案であり、選手会側としてはもう限界値の妥協案だったと思われます。それより更に下を行こうとするオーナー側の強欲さにはがっかりです。

http://sports.yahoo.com/nba/blog/ball_dont_lie/post/Hardline-owners-led-by-Michael-Jordan-could-se?urn=nba-wp10234


更に失望を深めさせているのが、選手出身のオーナーという事で両者の橋渡し的なポジションを期待されていたマイケル・ジョーダンが、よりにもよってオーナー側の最強硬派だったという報道です。前々回の交渉ぐらいの時にはなんでジョーダンは沈黙しているんだ?的な報道が出てましたが、ここに来て実はラスボスがジョーダンだったという報道が一斉に出てきました。おいおい、火曜サスペンス劇場の「犯人はあなただったのね!」(片平なぎさor木の実ナナ)じゃないんですから。

ジョーダンはウィザーズGM時代も大型契約選手のリストラに定評がありましたし、ボブキャッツでも戦力補強より支出削減のトレードばかり行っていた印象が強いので、私もあんまりこのヒトに期待してはいけないと思ってはいましたが、まさかここまで積極的に選手会の敵だったとはね・・・って感じです。

現役時代をご存知の方ならよくお分かりでしょうが、ジョーダンと言えば圧倒的な負けず嫌いで知られています。カードゲームすら自分が勝つまでは止めないような男ですから、この労使交渉でも選手会側をコテンパンに叩きのめす気なんじゃないかとさえ思います。こりゃ選手会側もコービーでも担ぎ出さないと勝てないんじゃないですかね。いや、担ぎ出しても勝てるかどうか怪しいですが。

とりあえず選手会側がデッドラインを待たずオーナー側の提案を飲むなり蹴るなりした場合を除けば現地水曜、つまり日本時間の木曜まで時間はあるはずですが、私は今回、今までで一番オーナー達に失望しています。本当にこの人達はシーズンすっ飛ばすリスクを全く気にしていません。そこに、ファンに対する目線や配慮は全く感じられませんね。選手会はハード過ぎる要求内容に頷けないだけでしょう。只でさえ不利な立場の交渉を強いられている選手会側を責めるのは酷に過ぎるというものです。

そして今季は本当に飛ぶかも知れないという危機意識を、私は今までで一番強く感じています。本当にアメリカって国も余裕が無くなってきたんだなというのは明治時代の不平等条約を連想させるTPPの要求内容を見ても痛感させられる昨今ですが、NBAまでもがこのままそんな時代の濁流に呑まれてしまうのか、不安は高まるばかりです。選手としてのジョーダンの凄さをつぶさに見てきた我々が今回ばかりはジョーダンの敗北を期待しないといけないとは皮肉にも程がありますが、ここは同じくクラッチタイムに強いフィッシャー会長の踏ん張りに期待したいと思います。何をどう期待したら良いのかも分かりませんが・・・(-_-;)




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