ブログネタ
読売巨人 に参加中!
さて、ロールちゃんのようにながーい前編を経てようやく、はとさんのご質問にお答えしましょう。スミマセンね、私は超回りくどい人間なもので(^_^;)

・巨人とその他の球団には絶対的な資金力の差があるのでしょうか。
→阪神は星野時代以降、巨人に近い手法を取ってますね。井川をヤンキースに売り付けて得た金額がなかなかデカいのと、阪神電鉄が阪急グループとくっついたのも大きいと思います。阪神タイガースフロントには明らかに凄腕のヒトがいて、レトロジャージーや女性ファン用の色違いジャージーなどを作成・販売したり、マスコットキャラのトラッキーを阪急・阪神系列ホテルでの結婚式に送り込むサーヴィスなんてのをやったりしています。肝心の選手補強はスカが多いですが(笑)。

'80年代の西武、近年のソフトバンクは巨人とタメ張る資金力があるかなーとは思います。ちゃんと比較した訳ではありませんが。それらの例外を除けば、巨人の資金力はやはりダントツだと言えるでしょう。また、政界への影響力も別格ですね。


・また、1対11の状況になってなお巨人が好き放題する状況になってしまうのは何故なんでしょうか。ほかの球団は何故阻止できないのでしょう。
迷惑な顔は作っているようにも思えますが、本気で止めようとしているようには見えないんですよ(正直あまり詳しくはないのですが)。

→理由は2つ。1つには各球団とも、そうは言っても人気球団である巨人との試合の旨味を考えれば、正面切って巨人批判は出来ないという事。ナベツネさんみたいな性格的にも面倒な上に政界にも顔が効く相手では尚更事を荒立てたくはないでしょうね。何しろ気に入らない事があれば「新リーグだ〜!(〔c〕いしいひさいち)」ですから。立派な恐喝ですな、しかし。

SAVE0027


もうひとつ考えられる理由は、巨人以外の球団も似たような事をやっている可能性です(笑)。栄養費事件とかありましたよね。ま、それでも巨人がそういった手法で常に先を行っている事は明らかです。巨人に対する批判にはそういう実績があります。ドラフトで事前挨拶無しに菅野選手を指名するなんて可愛いもんじゃないですか、清原を指名するって騙しといて他球団を出し抜いて進学希望だったはずの桑田を指名する事に比べれば。


・1球団の政治的・資金的なパワーが、ほかの11球団の合計よりも上回るのでしょうか。
新聞社も傾き始める時代で、巨人戦の視聴率も取れなくなって久しいのにも関わらず、圧倒的なパワーでいられる理由はなんなんでしょう。なべつねのごり押しでしょうか。

→まず、巨人以外の球団のオーナー企業はだいたい以下のように分類されます。

1.メディア企業
巨人の他には中日(新聞)、少し前までの横浜(TBS)が該当しますが、中日新聞は名古屋ローカル紙ですし、TBSがオーナーになった間の横浜が、じゃあ巨人みたく力を入れてたかと言われるとノーですね。他にも新聞社経営の球団は過去に複数存在しましたが全滅しました。

2.鉄道会社
元来メジャーだったこのパターンでは阪神、西武が生き残ってますね。関西では一時近鉄、阪急、南海に阪神と4球団が電鉄会社経営でした。スワローズは昔は国鉄スワローズでしたし、ライオンズには西武より前に西鉄時代がありましたね。

球団を経営して、沿線に球場を作りその観客を電車に乗せて鉄道の客も獲得・・・というこのビジネスモデル、ある程度成功していたのは明らかですが私が物心ついた'70年代後半には既に西鉄はクラウンになってましたし、南海は栄光の日々も遠く、パリーグのお荷物球団扱いでした。近鉄は最終的にあんな形で球団の歴史を終えてしまいましたよね(´Д`)阪神だけがあの異常な人気で持ち堪えた訳です。西武?あそこは鉄道会社だけじゃありませんからね。西武グループ、'80年代の勢いはハンパじゃなかったですから。

3.食品会社
意外と多いのがこのパターン。日本ハム、ロッテ、ヤクルトが該当しますね。昔は横浜も大洋ホエールズ時代はマルハが経営母体でしたし。ただ、これらの球団も資金力豊富とは言えないでしょう。日ハムはダルビッシュの年俸を今までよく支払って来たなと感心します。因みに在籍選手は大概、ハムなりヤクルトなりの宣伝に駆り出されるのがこのパターンのお約束です。あれ、ダルビッシュってハムの宣伝してました?

4.IT系
ご存知新興勢力。ソフトバンク、楽天、そしてDeNAが加わり今や球界の1/4を占めます。特に楽天とDeNAが仲悪いので組んで動く事は無さげですが、資金力は図抜けてますね。楽天は微妙に補強をケチってますが、強過ぎると勝ち試合=ポイント2倍の日が増えるからマズいのでしょうか(笑)。



5.その他
オリックス(因みにリース会社です)、ダイエーホークス、広島等の少数派です。オリックスは私が就職活動時に話を聞いた時は「メリットが無くなれば球団はすぐ手放す」と言ってましたが、どうやら今でも球団を持つメリットはある模様ですな。この会社は資金力もありますし政界へのコネクションもありますが、優勝を真剣に狙う事は無いと思います。多分楽天と同じく、企業の宣伝効果のみを重視しているのかと。

ダイエーは本業が傾きましたからねえ・・・。今ならイオンが球団持つようなノリでしょうか。広島の資金力の厳しさについては言うまでもありません。私は関西人なので阪神ファンですが、それでも強い赤ヘル軍団が復活してて私は嬉しいです(T_T)

他にも全滅しましたが映画会社(松竹、大映、東映)、ゴルフクラブ(太平洋クラブ)、ライター会社(クラウンライター・ライオンズ)等々ありましたが短命に終わっております。短命って事はまあ資金的にはアレだったんですね。

以上のうち、資金力のある4.が現れたのは最近の話です。それまでは巨人は人気も資金力も、ついでに政界への影響力も図抜けた状態が続き、日本プロ野球人気は基本的には巨人におんぶにだっこ状態でした。人気のセ、実力のパなんて言葉もありましたが、あれは本当は人気の巨人と阪神、だったんですね。'80年代に西武が現れてようやくパリーグにも政財界に強いチームが出来た感がありました。今の西武にはそれを感じませんが・・・。

読売グループがプロ野球と同じような横暴をやろうとして失敗したのがJリーグです。三浦カズ、ラモス、北澤、武田、柱谷等々スター軍団を形成したヴェルディ川崎が「読売ヴェルディ」と言い張り、読売・日テレ関連メディアだけが他チームも「パナソニックガンバ大阪」などと報じて企業スポーツの方向性を打ち出そうとしたものの、地域球団を志向する川淵チェアマン率いるJリーグ側に勝てず、結局徐々にヴェルディの経営からも力を入れなくなっていきましたね。今日のヴェルディの凋落は言うまでもなくそれが原因です。

思えばJリーグ成功の手法は、パリーグ球団が地域型球団へと切り替わっていった時のそれと同じです。福岡へ移ったダイエー(現ソフトバンク)ホークス、千葉へ行ったロッテマリンズ、北海道へ高飛びした日本ハム、そして仙台新球団楽天。西武だって今では埼玉という地名をわざわざ球団名に入れてます。パリーグはJリーグの地域密着の方向性を見て学んだのかも知れませんね。そして現状、その試みは全て成功しているようです。セリーグは相変わらず関東圏球団が巨人・ヤクルト・横浜と被ってますがそのまま行くつもりでしょうか?まあ横浜はロケーション的にはアリかなとは思いますがね。

パリーグも関東・関西に球団が集中していた時期がありましたが、あれは恐らくは巨人に人気が集中し過ぎていたため、そうしなければどの球団も経営が成り立ち難かったという理由もあったんじゃないかと思います。セリーグなら巨人戦の集客が見込めたので名古屋(中日)や広島での球団経営も可能だったんでしょう。それが、今やパリーグの方が遥かに地方密着型に特化した球団経営が出来るようになりました。

かつての日本人は流行語が爆発的に広がり、子供から大人まで同じ歌謡曲に熱狂する、ある種御し易い民族だったと思います。それが今では流行語大賞を見ても「こんなの流行ったっけ?」な言葉ばかり並び、オリコン上位曲の殆ど全ては特定の年齢層・客層の人間しか買いません。AKB一派のヒット曲、おじいちゃんおばあちゃんはご存知無いでしょう?紅白歌合戦も視聴率に苦労するのは当たり前で、あれは今の音楽・エンターテイメントのシーンにフィットしないからなんです。あれに初音ミクとか出てもNHKホールのご老人達は意味が分からないでしょうからね。ちびまる子ちゃんがピンクレディーの曲に合わせて踊るのをおじいさんおばあさんまでが暖かく見守るなんて絵は今はもう昔です。

「巨人・大鵬・卵焼き」の時代は終わりました。巨人の試合の視聴率が悪くなったのはプロ野球にサッカーというライヴァルが出現した事も去ることながら、そもそも巨人が全国的に独占していたプロ野球人気が各球団に分配された結果であるに過ぎません。そして新聞というメディアへの信頼はもう、若い世代になる程に薄くなってしまっているのが現状なのです。

新聞社とテレビ局が同じ会社グループに属するという、メディアコングロマリットによる独占体制を日本はいち早く許して来ました。朝日新聞→テレビ朝日、毎日新聞→TBS、産経新聞→フジテレビ、日本経済新聞→テレビ東京、そして読売新聞→日本テレビ。まあ見事なものですね。これで更に各自出版社として週刊誌やら書籍やらまで出してたんですから・・。アメリカも近年は同じ傾向になって来たとも聞きますがどうなんでしょうかね。もっとも、新聞にせよテレビにせよ今やインターネットの前に相当危うい位置にいますが。

今まではナベツネさんが無理矢理ゴリゴリに押してきた横車も動かなくなって来ました。昨年プロ野球の開催が、結局は選手側の意見が通ってナベツネ側が譲歩せざるを得なくなったのもそうでしょう。また、WBC第2回の代表監督として、ナベツネ氏の力を背景に星野仙一氏が選出されると思われた矢先、イチローの異論(星野監督就任を嫌がった人達がイチローに声明を頼んだとも言われます)により覆った件も象徴的かなと思います。

ナベツネ氏には申し訳ありませんが、球界はいずれパワーバランスを変えざるを得なくなるでしょう。巨人という球団には根強いファンもいますから、支援者も少なくないはずです。しかし、今のようにルールもねじ曲げ、ドラフトまでも強欲に選手を獲得し続けようとするような経営手法は難しくなると思います。巨人自体が常勝足り得なくなるのも大きいですが、何より読売グループの中核たる新聞とテレビというメディアが著しく信頼と求心力を失いつつあるのが現状ですからね。特に日本では福島原発による真の被害がこれから明らかになるにつれて、その初期報道の酷さがクリアになればなるほど、新聞とテレビの信頼がどん底に落ちるのが目に見えていますから・・・。

別に今年下位だったから(と言いつつ間もなく阪神と入れ替わりそうですが)言う訳ではありませんが、「常勝巨人」は、少なくともV9巨人のような形では最早難しいでしょう。巨人ファンでも、特にアメリカ4大スポーツの状況やドラフト制度の本来の意義をご存知の方であるなら、それはむしろ健全なリーグの体制である事はご理解頂けるはずです。独占的に人気を集めるだけならまだしもリーグの経営にまで口を挟みルールをねじ曲げるチームなんて、私は他には例を知りません。少なくともNBAではキャヴスやマヴスのオーナーがレイカーズのトレードを覆す事が出来ましたからね。

重ねて申し上げますが、巨人ファンを止めろとかそういう話では決してありません。無論、アンチ巨人を意図した訳でもありません。ただ、今まで当たり前に見てきた日本プロ野球の世界はかなり世界的に見ても特殊なんじゃないか?という疑いの視点をお持ち頂ければ、と思います。

巨人ファンの皆様には、それでもやはり異論はおありの事かとお察しします。その際は、是非「ここは事実誤認」「俺はこう思う」といったご意見をコメント欄にぶつけて頂ければ深甚です。以上、日頃のNBAブログな内容からかなり飛距離のあるエントリーになってしまいましたがシクヨロです。




巨魁巨魁
著者:清武 英利
ワック(2012-03-16)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

巨人軍改革戦記巨人軍改革戦記
著者:清武 英利
新潮社(2011-12-22)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る