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シクサーズ(3勝)82-75セルティクス(3勝)

☆本日のハイライト
アイヴァーソンも来場の中、シクサーズ逆王手。勝てばマジック以来史上2チーム目となるセルティクス相手に2勝3敗から逆転勝ちしたチームに
オールディフェンシヴチーム選出



ひとつ前のエントリーが何故か文章途中で途切れてしまいましたので、こちらにて続きと行きたいと思います。

さて、1日空けてフラグラントファウルのうち、ヒートの2件について格上げがなされました。即ちハスレムとピットマンのファウルがフラグラントファウル2となり、ハスレムが1試合、ピットマンが3試合の出場停止処分となったのです。一方、ペイサーズ側のハンスブローにちいてはフラグラント1のままであり、出場停止処分も無しとなりました。

この差はやはり、ハンスブローは先にファウルしたものの多分にアクシデンタルなものだと判定されたという事かと思われます。ハスレムのそれは誰がどう見ても報復でしたし、ピットマンに至ってはもう擁護する事自体がミッションインポシブルの域。これでも出場停止期間が短い!という論調さえ見られます。

もう一言付け加えるならば、ハスレムについてはそもそもフラグラント2ならすぐ退場させるべきでした。が、第5戦では結局フラグラント1扱いでしたから彼はコートに立ち続けられたのです。ボッシュ不在のヒートにとって、ハスレムの不在はインサイドの壊滅とほぼ同じですからね。ペイサーズにしてみれば2試合出場停止にしてくれないと割に合わないかも知れません。

何しろ、ペイサーズはグレンジャーがレブロンの足を踏んだ故障で第6戦出場が絶望視されています。更にはウエストまでもが怪我に見舞われました。幸いにもウエストの故障はそこまで深刻では無さそうですが、グレンジャー不在で背水の陣となる第6戦を戦うのは大変です。インサイドにまともな戦力がいなくなるヒートとエース不在のペイサーズ・・・さて、有利なのはどっちでしょうかって話です。ね、割に合わないでしょ?もしもペイサーズが次の第6戦で敗退してしまえば、ペイサーズファンならきっと「なんであの時ハスレムはすぐフラグラント2で退場させられなかったんだ」と思い続ける事となるでしょうね。サンズファンが「あの時アマレがベンチを離れなければ・・・」と思い続けるのと同じです。・・・と思ったらグレンジャーは出て来るようですが



ところで、なんでピストンズ対ピストンズやねん、って話でしたね。実は今回のペイサーズの快進撃を、'04ピストンズに喩える意見があったんですよ。リーグのトップスター選手がいなくてもスター軍団に勝つその姿は確かに、シャック、コービーにカール・マローンとペイトンを加えたBIG4体制のレイカーズを倒したピストンズに重なるものがありますからね。



一方、今のヒートはタイトル通り、「バッド・ボーイズ」そのもの。かつてハードファウルを厭わないディフェンスでリーグを震撼させたバッド・ボーイズ時代のピストンズそのものだよなと思う訳です。元々ディフェンスの力には定評があったヒートはここに来て、チーム全体がそんなハードファウルを厭わない雰囲気になって参りました。まあ今改めて見てみると、バッドボーイズの方が遥かに狡猾なんですけどね。いやー、偶然を装うバッドボーイズの技術はもう匠の領域ですな。

ただヒートが違うのは、言ってみればバッドボーイズにマイケル・ジョーダンがいるようなもんだって事ですかね。バッドボーイズにはアイザイア・トーマスとデュマースがいましたが、このヒートにはジョーダンの後継者と目された男が2人もいる訳です。2人とも今やダークサイドに落ちてはいますが、少なくとも選手としての能力はやはり圧倒的です。これは2人のアンチであろうと認めるところでしょう。あのオフェンスでの2人の見事な連携を見てそれを評価しないのはちょっと無理がありますよね。



しかし、だからこそ厄介なんですよね。ご存知の通りNBAはスターに優しいリーグです。スター選手には審判の笛も優しくなるのは周知の事実で、例えばこの乱闘ではレジー・ミラーにだけ退場が告げられてジョーダンはお咎め無しでした。いやいや、確かに先にぶつかったのはレジーだけどジョーダンもパンチ出てますよねこれ。

ウェイドとレブロンも、実力では流石にジョーダンには及ばないでしょうが審判の扱いは同じ域に来ているのは確かですね。あのショルダータックルでなおウェイドがフラグラント1で住んだ所以です。前にも言いましたがこれがワールドピースだったら何試合出場停止か、って話じゃないですか。

この組み合わせは厄介です。レブロンとウェイド自身が多少の事をやらかしても出場停止には至りません。で、ペイサーズがそれに反駁すると、回りの鉄砲玉達が黙ってない訳ですよ。特にピットマンなんて完全に自分が出場停止でも何ら問題無いのを自覚してあんな行動を取ったように見えます。正のピットマンがヒットマンになった訳ですな。




http://espn.go.com/nba/playoffs/2012/story/_/id/7967717/2012-nba-playoffs-erik-spoelstra-rips-indiana-pacers-targeting-miami-heat-stars


しかもこの状態で、ヒートはスポルストラHCが「リーグはウェイドとレブロンへのハードファウルは気にしないんだ」とぶち上げました。レブロンもまた「ヒートは2選手出場停止でペイサーズはお咎め無しだ」とか言ってますね。いやー、ウェイドは確かに出血したけどアクシデンタルだし、レブロンはジャージ引っ張られたとかそれぐらいだと思うんスけど。ま、これらの発言は勿論審判へのアピールでもあるでしょう。

http://espn.go.com/nba/playoffs/2012/story/_/id/7962732/2012-nba-playoffs-larry-bird-indiana-pacers-game-5-flop-s-o-f-t

一方、ペイサーズ社長のラリー・バードは自らのチームを厳しく批判していました。

"I can't believe my team went soft. S-O-F-T. I'm disappointed. I never thought it would happen. That's all I have to say."


いやー、流石はバードです。バードは先に挙げた'84ファイナルでも第1戦で惨敗したセルティクスのチームメイト達をメディアの前で公然と批判、チームメイト達を奮起させてマクヘイルのハードファウルを引き起こさせました。バード自身も相手のファウル(?)に「あ、今の痛かったぞワレ」みたいな因縁つけてましたね。

あの時のマクヘイルはともかく、バードは別に退場モノのファウルをブチかました訳ではありません。ただ言えるのは、第1戦の惨敗を受けても全く揺るがない戦う姿勢をバードが示し、チームもまたそれに従ったという事です。あの時レイカーズのHCだったパット・ライリーには今回のバードの「ソフト」発言はちょっと嫌な思い出が甦るものだったに違いありません。

もっとも、そのバードの発言に奮起出来るかどうかはペイサーズ次第です。第5戦、グレンジャーとウエストの故障でペイサーズは明らかに動揺してしましました。バードが「ソフト」と喝破する由縁です。'04ピストンズのようにスーパースター2人に対しても臆さない闘いが出来るか、それこそがペイサーズには最も重要です。

背水の陣となったペイサーズが果たしてシクサーズと同じく第6戦を勝って最終戦に持ち込めるか、これはペイサーズにとって物凄く重要な瞬間です。ここを勝てばペイサーズには'00年以来のファイナルが見えてきます。今プレーオフでブルズとマジックが主力選手の故障で早々に散ったという事を考えても、このチャンスは是非とも掴んでほしいところです。

「ピストンズ」同士の対決はいよいよ最重要局面に差し掛かります。ヒートが決めるかペイサーズがプレーで仕返すか、注目の第6戦となりそうですね。

P.S.



バスケでこれ以上のハードなファウルは流石に無理だと思いました。乱闘の口火となったファウル(45秒ぐらいから)を見て吹かなかったら偉いですよ、これ。



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アーティスト:GOMES THE HITMAN
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