☆グループA

アメリカ(4勝)99-94リトアニア(1勝3敗)
フランス(3勝1敗)73-69チュニジア(4敗)
アルゼンチン(3勝1敗)93-79ナイジェリア(1勝3敗)

☆グループB

ロシア(4勝)77-74スペイン(3勝1敗)
ブラジル(3勝1敗)98-59中国(4敗)
オーストラリア(2勝2敗)106-75イギリス(4敗)


そろそろ若い世代に「ソ連」って言っても「何スかそれ?」って言われる感じなんでしょうか。ドラえもんの声が大山のぶ代であるかどうかで世代間の壁があるように、ソ連ことソヴィエト社会主義共和国連邦という国家名も今や、ロシアと言わないとまず通じないでしょう。

しかし、オリンピックにおいてバスケットボールのアメリカ代表チームのライヴァルは常にソ連でした。1972年、ミュンヘン五輪で疑惑の判定込みではあるもののアメリカに初めて土をつけたのは決勝戦を戦ったソ連でした。アメリカはこの時の銀メダルを未だに受け取っていません。

その時と異なり、完全に実力でアメリカを捩じ伏せたのが1988年のソウル五輪でした。この時は準決勝でソ連がサボニス、そしてマーシャローニスの活躍などもあってデヴィッド・ロビンソン、ダニー・マニング、ダン・マーリー、ミッチ・リッチモンド、ステイシー・オーグモン、ハーシー・ホーキンス、ウィリー・アンダーソン、チャールズ・スミス等々未来のNBA選手を多数揃えていたアメリカを82-76で下しました。そんなソ連への反攻という意味もあってアメリカがドリームチームを結成した、という話は前回エントリーでも触れた通りです。

ソ連がゴルバチョフ書記長(後の大統領。書記長って言葉もそろそろ通じ難くなってきましたね・・・)によるペレストロイカを経て1991年に崩壊へと至り、現在のロシアへと変わっていく際にはソ連から多数の国家が独立していきました。その中の1国が今回アメリカが対戦した相手、バルト3国の一角を占めるリトアニアだったのです。サボニス、マーシャローニスの2人共がこのリトアニア代表としてドリームチームセンセーションのバルセロナ五輪を戦い、ソ連からバルト3国を抜いた状態の独立国家共同体ことEUNとして参加した旧ソ連チームの4位を上回る3位、銅メダルの成績を収めています。



リトアニアはその後1996年アトランタでも銅メダルを獲得。そして2000年シドニーではアメリカと準決勝を戦い、ヤシャケヴィシャスが最後のFGを決めていればアメリカを下していたという大接戦を演じてオールNBA体制になったアメリカ代表を初めて心胆寒からしめてみせたのです。最後にヤシャケヴィシャスのシュートをブロックに飛んだマクダイスがシュートが外れた事を喜ぶよりも、何だかもう疲弊し切っているようにさえ見えたのが何とも印象的だったものです。

この後もリトアニアは2004年アテネ、2008年北京と2大会連載4位に入っています。皆さん、一度このリトアニアという国を検索して、どのあたりの国家規模か調べてみて下さい。正直「え、こんなちっちゃい国なの?」と驚くと思います。バルト3国同じぐらいの規模に見えるのになぜリトアニアだけがずば抜けてバスケ強国足り得ているのが不思議に思われる事でしょう。実際、ソ連支配下にあたたこの国がなぜアメリカ発祥のこのスポーツにこれだけ強いのか、私も今一つ明確な理由を知らないんですよね。サボニスの存在が大きかったとかでしょうか?

そしてこのロンドン五輪、やはり彼らはやって来ました。エースとしてナショナルチームを率いてきたヤシャケヴィシャスは流石に年ながらも4大会連続の出場出場を果たしています。しかしながら彼らは今大会、著しく不調に陥っています。アメリカと対戦するまで1勝2敗、もしかすると予選敗退しかねない危機にありました。

http://espn.go.com/olympics/summer/2012/basketball/story/_/id/8233684/2012-olympics-lithuania-causing-issues-team-usa


しかし、やはりリトアニアはリトアニアでした。アメリカ相手に終始接戦を演じ、今大会に入って初めてアメリカに敗戦の危機をもたらしたのです。ヤシャケヴィシャスも良いところで3を決めてきたりとまだまだ健在でしたね。レブロンが試合終盤にクラッチショットを次々沈めていなかったら本当に危ういところでした。'11年までのレブロンであったならこうはならなかったかも知れません。一皮剥けたレブロンだった事をアメリカは幸運に思うべきでしょうね。まあレブロンが駄目ならデュラントやコービーが何とかしていたのかも知れませんが。

リトアニアはこれで1勝3敗になってしまいましたが、幸いにも予選ラウンド最終戦の相手はここまで0勝で敗退確定のチュニジア。決勝進出最終枠のグループA4位を争うだろうナイジェリアはフランスと戦います。フランスはナイジェリアに勝ち、アメリカがアルゼンチンを下せばグループAの2位で決勝トーナメントに入れるだけに、ナイジェリアだからといって手を抜くとは思えません。要するに、リトアニアの決勝トーナメント進出は濃厚なんです。アメリカ、フランス、リトアニアが勝てばグループAは1位から順にアメリカ、フランス、アルゼンチン、リトアニアとなります。

問題はグループBです。地元イギリス、そして中国が敗退が決まったこちらのグループの注目はグループ内順位のみ。そんな中、1位通過確実かと思われたスペインがなんとソ連、もといロシアとの接戦を落としてしまったんです。ユーロリーグMVPのキリレンコを擁するロシアを優勝候補に挙げる声があるのは承知していましたが、ここまでやれるとは正直思ってませんでしたね。しかもこの1勝をもってロシアはグループB1位通過を確定させてしまったんです。アメリカにとって常に脅威であり続けて来た強豪が遂に復活の様相を呈してきた訳ですよ。

ところが、グループBの1位になった事はもしかするとロシアには不幸かも知れません。グループBの1位って事は当然ながら、グループAの4位チームと当たります。そう、つまり順当に行けばロシアが決勝トーナメントで当たる相手はリトアニアになってしまうんですよ。

かつてソ連を支えてきた原動力となったリトアニア、そしてそのソ連の領土の大部分を受け継いできたロシア。アメリカを脅かして来た難敵が分裂して出来た2チームが再度あいまみえた時、一体どんな試合になるのか今から楽しみですね。いやー、決勝トーナメントが早くも待ち切れなくなりそうであります。



ザ・ビートルズザ・ビートルズ
アーティスト:ザ・ビートルズ
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