しかしまあ、どうするんでしょうねえマジックは。前回エントリーにも書いた通り、マジックはドワイトを失った結果、少なくとも来季はリーグに名の知れたスターはいなくなってしまいました。普通に考えれば年間シートの売上は落ち、観客動員は下がり、空席の目立つアリーナが見られる事となってしまうでしょうね。しかし、球団の収益を考えればいかにサラリーが減るといえどもやはり観客動員が落ちるのは困ります。その為には、やはり観客が見たいと思いたくなる選手が必要でしょう。

ペニー・ハーダウェイ以下主力がごっそり移籍した'99-'00シーズン、マジックの「ハート&ハッスル」シーズンを支えたメンバーには確かにスターが不在でしたが、6thマンアワード&MIP同時受賞の活躍で一気に地元ファンの人気を掴んだダレル・アームストロング、そしてこれまたハードワークで頑張ったボー・アウトローがファンの目当てでありました。アフロ男ベン・ウォーレスのキャラも立っていたと思います。ああ、あと地元出身のチャッキー・アトキンスの存在も思い出されますね。あの時のマジックのロスターは要するに、以下のような面子で作成されていました。

1.生え抜き選手
2.叩き上げハードワーカー
3.期待の(?)移籍選手
4.地元出身選手
5.FA組


このあたりに、今日のマジックが求めるべきロスターの姿が見えて参ります。てな訳で今回は、マジックの来季を支える面子について考えてみましょう。誰が来季のマジックファンの心の拠り所になるのか、現有戦力及び在野のメンバーに候補を探ってみたいと思います。まずは元々マジックな方々から。

1.生え抜き選手

☆ジャミアー・ネルソン


ネルソンはダレル・アームストロングの代わりになれるかと言われたら色々ビミョーではありますが、少なくともドワイトが去った今のマジックにおいて、Loyaltyの体現者となったネルソンの存在は重要です。ここ何年もシーズン開幕前キャンプより早く自主トレーニングの音頭を取ってきたキャプテンシーは立派なもんであります。

勝敗なんか正直どうでもいい、むしろ積極的に負けたいシーズンではありますが、ネルソンのような存在はチームのアイデンティティーを失った今のマジックにこそ重要です。ロスター全員トレード候補と言ってよい今のマジックですが、私はネルソンは恐らく残留すると思います。口の悪い皆さんは「ネルソンなんかイラネ」と仰る事と思われますが(笑)、そうは言ってもリーグにトップPGがそうそういる訳でもありませんからね。ネルソンはリーグトップPGでは流石にありませんが、その次の水準で人材を求めるなら悪い選択ではないですよ。昨季の成績はアレでしたが。

ただ、ネルソンを6thマンに追い込めるような人材は欲しいですね。イッシュ・スミスやイートワン・ムーアがそうなるかと言われると、正直ニンともカンともではあります。来季終了以降ドラフトで仕入れるか、トレードorFAか・・・って話はまたその時にしましょう。

☆J.J.レディック


マジックのみならずリーグきっての現役イケメンであり、末永く爆発しろと言いたくなる美人妻を持つリア充たる彼こそは、既婚者ながら女性ファン(またはゲイ)人気を考えれば正直、是非キープしておきたい選手です。

しかしながら、一方で今のマジックにとってレディックは戦力的には微妙な存在になっています。ドワイトがいなくなってしまった以上4in1戦術はマジックには最早必要ありません。レディックは優秀なシューターですし、ディフェンスも白人シューターにしてはまだマシな方です。アンクルブレイカー動画のネタにされがちですけどね。ただ、彼でなければならない、という事は特にありません。

しかもレディックは残り契約1年、他チームからすればリスク少な目で獲得可能な戦力だったりします。そしてシューターという人種は常にニーズがある訳ですよ。シーズン前、またはシーズン中にレディックがトレードされる可能性はかなり高いと思います。マジック一筋でやってきてくれた彼との別れは避けたくはありますが、もしトレードとなれば笑顔で送り出してあげたいですね。

☆新人たち

去る者あれば来る者あり。こんなチーム状況であれば尚更、新人達に期待を抱くのは至って当然です。まして、スミスGMではなく下位指名でも成果を挙げるスパーズやサンダーからやってきたヘニガンGMの指名ならば期待の高さも無理からぬところでしょう。

で、今回マジックにやってきたルーキーは以下の3名です。

ニコルソン
オクィン
ハークレス


ニコルソンとオクィンはサマーリーグでもなかなかの活躍を見せました。ただ出場時間がどれぐらい見込めるかは未知数ですし、そもそもそこまでの大器かって話です。チームの何番目かのオプションになってくれれば最高ですが、流石にチームを牽引するようなクラスのエリートでは無いでしょう。トレードでやって来たハークレスにしても同様でして、まあ先発定着ないし6thマンで計算出来る存在になってくれれば万々歳です。

彼らには今のところ、そこそこチームに貢献し、将来を期待させる成果を挙げてくれる事を期待します。20-20連発とか平均25得点とかだったら最高ですが、まあ3人のうち1人でもそんな成績を出すようならヘニガンGMは早くも神GM確定ですな。お客さんにとっても、勝敗数に拘わらず彼らが活躍するのを見れば気も晴れるはずです。新人王とは言いませんが、オールルーキーチーム入りを果たす選手が出てくれる事を期待しています。

☆その他若手


実は、この枠はもう1人しか該当する人物がいません。オートンに次いでリギンズもサンダーと契約(但し開幕キャンプ向け人員なので保証はありません)してしまった今、マジック生え抜きの若手はもうジャスティン・ハーパーのみ。同じPFにニコルソン、SFにもハークレスと1巡目新人が両フォワードポジションに被ってしまった今、もうハーパーは当たればラッキーくらいの認識で良いかと。開幕前にカットされても驚かないで下さいませ。

2.叩き上げハードワーカー

☆グレン・デイヴィス


本来なら、昨季ドワイト離脱後に活躍した彼にこそ最大の期待がかかるべきです。ドワイトの代わりに先発センターとしてインサイドで奮闘し、プレーオフでペイサーズ相手に1勝をあげてみせたのは彼の貢献によるところ大でした。しかし、そのキャリアにおいてプレーオフ出場を逃した事が無い彼は、このままなら間違い無くプレーオフの無いシーズンを初めて送る事となるでしょう。

セルティクスでの、そしてマジックでのプレーを見れば、彼がまだまだこれからもプレーオフ出場チームで貢献出来るだけの力を有している事は明らかです。しかし、マジックはこれからどう短く見積もっても2シーズンはプレーオフとは無縁のはず。これはレディックにも言える事ですが、そんなチーム再建に若手や、既に覚悟の出来ているだろうネルソンならいざ知らず、それ以外の選手をつき合わせる必要は無いんです。むしろこの沈没船からは出してあげる方が彼らの為でしょう。今度この船が再浮上した時には、彼らはもうキャリアのピークを過ぎてしまいかねないのですから。

ドワイトの親友という意味合いでマジックに呼ばれた事情を考え合わせても、ビッグベイビーには新たなる再起の地へと誘導してあげるのが優しさというものでしょう。契約年数は多少ありますが、故障者発生などによって彼を欲しがる球団は必ず現れると思います。それまではマジックで、たとえ報われなくても懸命なプレーを見せ続けてくれる事でしょう。デイヴィスってのはそういう熱い男じゃないですか。もう数年早く、彼にはここに来て欲しかったとです(つД`)チーム再浮上の折りには是非ベンチに戻って来て欲しいですな。

☆ヒド・タコルー

ドワイト時代を代表する主力選手だった彼ですが、残念ながらその衰えはより顕著になってしまいました。残り契約年数2年ながら、その金額の重さを考えればトレードは実質不可能です。このままマジックであと1シーズンを過ごすとしても飼い殺し状態にせざるを得ません。そして遠からず、契約バイアウトも有り得るでしょうね。

タコルーは既にブレーザーズには'09オフのFA移籍交渉で不義理を働いてしまいましたし、ラプターズとサンズは既に彼の獲得には懲りていますので。ま、そうでなくとも近年のタコルーの衰えを見て、彼の獲得を望むチームがいるとは思えません。

来季も先発するかどうかも怪しくなってきました、というより恐らく控え確定でしょう。アル・ハリントンを先発SFに入れ、一定の出場時間を与えて他チームへのトレード材料にするのがマジックの意図だと予想出来るからです。残念ですがタコルーはもう、ハークレスが計算出来る存在になるまでの繋ぎの役割しか残されていません。今の契約が何らかの形で終了となれば、キングス時代の先輩ストヤコヴィッチ同様に最低保証額で雇ってもらえるかも知れませんね。そのパターンでストヤコヴィッチがマヴスでリングを得て引退出来たのも事実です。

ともあれ、話をマジックに限るなら、タコルーのプレーを見られる日はもう多くはないでしょう。一時は「トルコのジョーダン」と謳われ、オールスター出場も夢じゃなかった選手でしたが、トルコの英雄も遂に潮時という事でしょう。残念ですが、彼のプレーを見るのもそろそろ見納めだという認識で考えるのが正解かと思われます。しかし、それは特に観客動員には何ら影響は無いんじゃないかなと。

もしもタコルーが引退を表明するならば、あるいはドワイト時代の貢献を称えてマジックが何らかのセレモニーなどを行うか・・・というとこれも微妙ですね。オーランドの地にトルココミュニティがあるとかなら知りませんが、そんな話も寡聞にして聞いておりませんからね。来季基本的に喜ばしいニュース自体がレアなマジックなら、あるいはハイライト映像でも流して多少はセレモニーをやってくれるかも知れません。ま、それでもそのためだけに会場に足を運んでくれる観客がいるかは正直疑問ですが。

(以下次回へ続く)



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