久々に日本バスケの話題です。

宮地陽子さんのtweetに突如、「NBL」なる文字が出てきたのは数日前の事でした。NBL?既に聞き覚えのあるリーグ名だし、ナショナル・バスケットボール・リーグってどこの国のだよ、一杯あるよと思ったらこれが我らが黄金の国ジパングではありませんか。あれ、宮地さん日本にいたの?と思ったら只今日本で取材中なんですよね。FIBAアジアカップが日本で開催されていたんですよ、丁度。先日当ブログの大喜利企画でもお世話になった青木さん、最近はH誌というより月バスでお馴染みの杣友さんも会場においでだったですね。日本男子は惜しくも決勝でイランに敗れましたが良く頑張ったと思います。

で、NBLですよ。日本に新しいバスケットリーグが出来るなんて朗報じゃないですか。いったいどんなリーグが出来るのかと、こんばんわくわくメールぐらいのテンションで続報を調べてみた訳です。遂にJBLとbjリーグが合体してバスケリーグが日本で大いに盛り上がる日が来るか!

・・・すいません、ハードル上げ過ぎましたね。この前振りで皆さん半ば予想がついた事でしょうが、残念ながらNBLにさして目新しい要素は見当たりません。JBLから8チーム中7チームが移行し、JBL2部から2チームが加わり、更に新規加入チームが1つ追加されますが基本的にはJBLが名前を変えただけです。あとbjリーグからは1チームが移りますが、他に続くチームはあるんでしょうか。

ご存知の通り、日本において依然としてバスケットボールというスポーツのステイタスは高くはありません。「Number」誌の表紙に最後にバスケットボールの選手が出てきたのはいつだったかもう思い出せませんよね。表紙と特集は完全にサッカーメインとなり、バスケの記事はNBAシーズン中の宮地さんの連載がかろうじて死守されている程度。ファイナルだけは流石に数ページの記事が出ますが、これもまず宮地さん。つまり、宮地さんだけで十分回ってしまってるんですよね、今の「Number」誌でのNBA記事は。

ましてや日本のバスケットボールシーンとなると、更に露出が激減します。JBLはNHK-BSでプレーオフが流れてましたがそれぐらいです。bjリーグはBSフジで継続して放送がある分まだベターな気がしますが、それでも共になかなか認知が上がらないのが現状かと思います。第一、我々だってFIBAアジアカップの開催をロクに知らなかった訳ですよ。いや、俺は知ってたでゴルァ!と言われたら私も(´・ω・`)ショボーンモード突入ですが。ただまあ、少なくとも一般的なレヴェルでの認知はほぼ皆無ですよね。

そもそも、バスケット人気が厳しいままなのにリーグが分裂したままの時点でおかしい訳です。私はこれに関してはJBL、というよりその後ろにいる日本バスケット協会に問題があると以前から思っています。そもそもbjリーグがJBLから飛び出していったのは、旧態依然なまま、一向にプロ化を進めようとしない日本バスケット協会の姿勢故でした。業を煮やした河内敏光さんが自らアルビレックス新潟を連れて新たに立ち上げたのがbjリーグだった訳です。

リーグ自体のレヴェルは正直なところJBLの方が上です。昨季初めてJBLとbjのチームが対戦しましたが、JBL側の圧勝でしたからね。しかし、一方でbjリーグの方がよりJリーグの理念に近い、地元密着型のチーム経営で成果を挙げている事もまた事実です。図らずも、あの東日本大震災がそれを証明しました。bjリーグ、仙台の選手達の被災地での献身的な活動は江頭2:50やコロッケといった方々に負けない素晴らしいものでしたね。

で、このNBLは本来はJBLとbjリーグが遂に統合して作られるはずのものだったんです。実際、既に両者はその協定を結んでさえいました。が、企業チーム側(=JBLチーム)が完全プロ化を嫌がった為にプロ化は見送られる事となり、それに反発したbjリーグ側が合流を撤回した為、結局ほぼJBLチームが移行するだけという有り様になってしまいました。要するにリーグ統合の交渉を纏められなかったのですが名前だけ変えてみましたテヘペロ、みたいな体裁だけ整えましたみたいな話ですよ。それって、原子力安全委員会が原子力規制委員会に名前だけ変わったけど構成員は旧組織のまんま、ってのと何が違うのかと。

NBLの誕生発表なんてまともに報じられてもいません。テレビのスポーツニュース見てても触れていた記憶がありませんし、ネット上でもさして話題にもなっていません。これがJBLとbjリーグが遂に統合、という分かり易いトピックがあれば幾分違ったのかも知れませんが、今回は正直報道するべき価値がある程の変化があるようには到底見えないのです。バスケの知名度が無い云々も否定はしませんが、特に目新しさを感じさせない今回の発表内容では無理も無いよな、ってのが私の素直な感想ですね。

プロ化を目指して独立リーグを立ち上げた以上、bjリーグはJBL、今後はNBLが完全プロ化しない事には合流などする訳がありません。そこをbjリーグが妥協する事はまず有り得ませんよね。完全プロチームと企業チームのまま合併する?それって収益配分とかどうなるんでしょうかね。

NBLのチーム名には地域名を入れる事が今後義務化されるそうで、これは地域密着型のリーグを目指すという趣旨のようです。Jリーグ、そしてbjリーグの影響は明らかなんですが、問題はそのチーム名。従来のチーム名に地域名を追記する形なんですよ。結果、「三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋」「トヨタ自動車アルバルク東京」なんて長たらしい名前のチームが出来上がってしまいました。この違和感、見覚えが・・・あるはずです。だって、企業名と地域名の無理矢理な並列ってそらあんた、Jリーグ創設期に企業名排除を嫌がった読売系メディアだけが報道時に使用したチーム名表記とおんなじですもん。「パナソニックガンバ大阪」とか「読売ヴェルディ川崎」とか。

あの時、Jリーグは読売、っかナベツネ相手に一歩も引きませんでした。結局ナベツネはJリーグはプロ野球のように私物化出来ないと悟って手を引いたのです。これは川淵チェアマン(今はキャプテンとかでしたっけ)のグッジョブだったと未だに思います。今回、NBLのチーム名がこの読売形式になっているのは物凄く示唆的だなあと思うんです。企業側はあの時の読売同様に、チーム名に企業名が入らないbjリーグやJリーグのようなチームのあり方を嫌がった、これが全てでしょう。

この不景気ですから、企業側の気持ちも分からないではありません。しかし、現状でもパナソニックはNBL不参加を表明しているように、企業チームのままでリーグの未来はあるのか大いに疑問が持たれるところです。名門SB陸上部のように他のスポーツでも廃部が相次ぐ昨今、企業スポーツの限界を感じずにはいられません。

一方bjリーグはJBLよりも明確にタレントで劣るものの、内情は楽では無いだろうに、本当によくやっています。そもそもJリーグがあれだけの成果を挙げているのですから、同じビジネスモデルを踏襲していくのは至って当然ですね。今回のNBLもそれを目指した痕跡は見えますが、何と申しますか仏作ってソウルレス感バリバリという感じです。「ほぼプロリーグと同じ」と言われても、私にはそうは見えません。だったらなぜ「完全プロ化」をしなかったのか、という疑問しか私にはありませんね。

たとえば三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋はイケメンPGとして知られる五十嵐選手だけがプロ契約をしている状態です。しかし、私は五十嵐選手が今名古屋でプレーしている事を全く存じ上げませんでした。それを私の不勉強で片付けて頂いても構わないですが、曲がりなりにもバスケに興味・感心の高い私が全く知らなかったのは、バスケ専門誌以外での情報発信が全くなされていない証明でもあるなあと。ましてや一般世間の方々など、彼がバスケ選手である事は辛うじて知っているかも知れませんが、彼がJBLとbjリーグのどちらでプレーしているかも知らないでしょう。いや、そもそもリーグが分裂している事すら知らないかも知れませんが。

bjリーグは別に企業色の薄い世界ではありません。試合を見れば誰でも分かりますが、コート上にもコートサイドにも広告バリバリですし、ユニフォームだって企業名バッシバシです。NBAすらユニフォームに広告を入れようかという世の中です、今更それに文句などありません。金が無いのは首が無いのと一緒(〔c〕西原理恵子)ですから。でも、「三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋」「トヨタ自動車アルバルク東京」で本当に良いと思いますか?そんな覚悟の無さだからNHKで義務的に報じられるだけで終わってるんじゃないの?と私には思えてなりません。Jリーグがあれだけの成果を挙げているというのに。プロ化したところですぐにサッカーに追い付ける訳はありませんが、少なくとももっと状況を改善出来る下地ぐらいは作れるんじゃないでしょうか。今のままなら、某女子ゴルファーが嘯いた通り「将来食べられないのにバスケなんかやるなんてバカ」ですよ。相撲に人材持って行かれるのも当たり前です。

なでしこジャパンの成功でようやく女子サッカーが地上派で頻繁に露出するようになりました。彼女達のブレイク前の苦労たるや、バスケットどころじゃ無かったと思います。それでも彼女達は弱音を吐かず、成果を出して今日の状況まで持ち込みました。ええ話やないですか。ワールドカップというブレイクポイントの差はありますが、バスケにだって優勝は無理でも改善の余地はあるはずです。今は良い方向へと向かうスタートラインにさえ立てていないなと感じます。

バスケットボールというスポーツ自体は非常にポピュラーなスポーツです。体育の授業でもまず必須ですし、純粋な知名度においては野球、サッカー、バレーボールと良い勝負でしょう。ルールの明快さ(=とっつきの良さ)では一番なはずです。それが野球は仕方無いにしてもサッカー、バレーボールに明らかに水をあけられている今の惨状に、日本バスケットボール協会は責任と危機感を持ってしかるべきでしょう。今回のリーグ統合失敗なんか、誰かバスケ協会の方が責任を取ってしかるべき話だと思うんですけどね、私。

何だかネガティヴな事ばかり書きましたが、リーグそのものが上手く回る事で将来プロ化、そしてリーグ統一に繋がればという期待はしてます。その為にも選手の皆さんには本当に頑張って欲しいですね。そして日本サッカー界における川淵さんのようなリーダーが日本バスケットボールの世界にも現れて、今の不毛な状況を変えるべく立ち上がって下さる事を願って止みません。



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