http://sports.yahoo.com/news/nba--thunder-trade-james-harden-to-rockets-27481909.html

さて、PCのトラブルで1つ前のエントリーに手間取ってる間にどえらい事が起きましたね。サンダーがいきなり、プレシーズンマッチも終わったこのタイミングで大型トレードを敢行したのです。このニュースをいち早く報じたのは毎度お馴染み、ヤフーの敏腕記者ワジロフスキーです。

ロケッツ←ジェームズ・ハーデン、コール・アルドリッジ、レイザー・ヘイウッド、デクワン・クック
サンダー←ケヴィン・マーティン、ジェレミー・ラム、'13年1巡目指名権×2(DAL・TOR由来)、'13年2巡目指名権(CHA由来)


まずサンダーですが、要するにこれはハーデンとの再契約交渉が決裂したのを受け、それをシーズン中に引き摺る事無く動いた結果ですね。ハーデンは制限FAだったのでまだ引っ張るのもアリだったんですが、このパターンは得てしてマックス契約が提示され、マッチしなければ無償放出・・・というのが最近のトレンドになりつつあります。サンダーとしてはそうなる前に交換材料を確保したかった訳ですね。ハーデンが4年5300〜5400万ドルの契約提示を拒否した以上、これはもう避けられない事態だったと言えます。

その見返りですが、もう完璧過ぎて恐れ入ります。まずケヴィン・マーティンの得点力は故障さえ大丈夫なら折り紙付き。ハーデンの役割を代わって果たすにはうってつけの点取り屋です。そして、そのマーティンは残り契約期間1年なのです。彼が1シーズン頑張っている間にセットで獲得したラムを成長させれば良いのですね。単純にマーティン故障時ないし期待外れ時の保険としてもラムは期待出来ます。

また、ドラフト指名権の獲得も見事です。指名権ですがラプターズの分は4〜14位であればサンダーが獲得します。もしそうならなかった場合、'14年であればトップ3、'15年であればトップ2、'16年であれば1位である場合のみプロテクトされます。ま、この条件で指名権がサンダーへ渡らない確率は果てしなく低いでしょう。

これでサンダーはハーデンにマックスを出す事無く、チームのキャップをガチガチにする事無く、しかも当面の穴埋め戦力に今年のルーキー1名、更には将来の補強の為に1巡目指名権まで2つ確保したのです。2巡目指名権にしてもボブキャッツのものですから1巡目下位に匹敵する価値があります。現在と未来を両方見据えた見事なマネージメントだと感嘆するしかありませんね。レイカーズファンの中にはこれで今季はもらったと喜んでいる向きもあるようですが、サンダーは殆ど戦力が落ちてないどころか、下手するとこれでもっと層が厚くなったかも知れません。しかもこの先も強敵であり続ける事でしょう。レイカーズファンの皆さんはむしろこのトレードを恐れるべきだと思いますよ。

一方のロケッツはちょっと色々出し過ぎじゃね?と思わないでもないものの、このトレードではっきりした事があります。それはロケッツは再建モードでも何でも無かった事です。そもそもジェレミー・リンとアシクにあんな3年目にサラリーが急増する嫌がらせみたいなオファーをやってまで獲ってきた時点で、ロケッツが再建モードというのには抵抗がありました。それがより明確になったのがこのトレードだったと思うんです。

これでロケッツはリン、ハーデンのバックコートにパーソンズとアシク、デルフィノ、更に1巡目指名新人を3人擁する体制となります。このチーム、結構戦力が揃ってるんですよ。優勝を狙うとこまでは行かないでしょうが、プレーオフ争いは可能だと思います。そして恐らく、まだトレードに動くでしょう。例えば主力のヴェテラン選手を出したいだろうマジックであればグレン・デイヴィス、レディック、アル・ハリントン、場合によってはアフラロまで狙いにくる可能性はありますし、交換材料としてロケッツの若手が獲得出来るのであれば、マジックがこれに応じる可能性は少なからずあるはずです。

とりあえず現時点でクリアなのは、これでサンダーがスモールマーケットに相応しく賢明な対応で戦力をほぼ落とさず、サラリーも高騰せずにチームを維持出来た事、そしてロケッツが再建どころか全然やる気だって事です。どちらのチームもそれぞれニーズを満たした、双方Win-Winのトレードだったと言って良いでしょう。

それにしても、私もそろそろシーズンプレヴュー書かないと開幕してしまいますねw 明日から本気出すんで皆さん宜しくです〜。

P.S.

http://sports.yahoo.com/news/nba--inside-look-at-james-harden-s-trade-to-rockets-28301609.html

ハーデン移籍の裏舞台を、ワジロフスキーが更に掘り起こした注目記事です。KenchさんがTwitterにて抄訳されているので一読をお勧めします。なるほど、マックス4年契約が5年になるのはデカいですね〜。サンダーのチームメイトもそんなにこの移籍に意外感を持っていないってのも発見でした。



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