さて、オーランド・マジックナイトも無事恙無く終了致しました。総勢10人を軽く越えて正直全体のコントロールは無理でしたが、色んなチームファンの方々にお越し頂きました。また、日頃Twitterでのみの交流だった皆さんにお会い出来たのも嬉しかったですね。因みに私以外のマジックファンは1人だけだった事実を報告しておきますw

さて、ドラフトは終わりましたがFA、トレードによる補強はこれからが本番。と言いつつ、ネッツはセルティクスとのトレードにほぼ合意し、レイカーズもびっくりのハイパー金満軍団を作り上げる事に成功しました。何しろ、今聞いている限りで行けばネッツの先発は多分こうなります。

デロン・ウィリアムズ
ジョー・ジョンソン
ポール・ピアース
ケヴィン・ガーネット
ブルック・ロペス


いやもうこれ、笑うしかありません。デロン、JJ、ロペス兄の3人がマックス契約なのに、更にピアースとKGですよ。流行りのスモールラインアップにするならロペスとジェイソン・テリーを替える手もあります。

当然ながらタックスの金額はブレーザーズがマイクロソフトマネーを湯水の如く注ぎ込んだ時代もびっくりな事になるはずです。いや、あの頃よりタックスのルールがキツい現状ではもっとエグい事になるはずなんですが、プロコロフオーナーにとっては全く関係無いでしょうね。彼はルール上問題無ければタックスの金額なぞ気にも留めないはずです。優勝の為なら金などいくらでも出す、というある種潔い姿勢はサッカーのレアルマドリードあたりに通じるものがあります。

個人的には金満軍団は好みではありません。が、今回のネッツに関しては私、特段何も感じないんですよ。理由は簡単、多分ネッツはこれでも勝てないと感じるからです。それどころか、ネッツは早くも球団として舵取りが難しい局面に差し掛かったなと感じました。

いや、確かにオールスターメンバーですよ。インサイドもKGとロペス兄なら高さはありますし、組み合わせも悪くないように感じます。でもですね、このチームはやっぱり圧倒的な脅威を感じないんです。たとえばヒートとこのチームが戦ったとしてどうでしょうか。私はヒートが勝つと思います。スパーズやペイサーズのように、ヒートを第7戦まで追い詰める絵が浮かばないんですね。正直言えば、ペイサーズにも勝てないんじゃないかと。

以下、そう考えてしまう理由を書いていこうと思います。

1.現行レイカーズとの類似

まず、なんと言ってもこのチームはおっさん過ぎます。PGとCはこれから正に働き盛りって感じですが、後のポジションは30代中〜後半のおっさんばっかり。それで体力持つと思います?

で、レイカーズと同じく「未来より大事なのは今なんじゃあああ!」とばかりにドラフト1巡目指名権を投げ出してしまった以上、伸び代のある若手もあまりいません。レイカーズなら(再契約出来るか知りませんが)アール・クラークみたいなプラス要素も無くはありませんでしたが、ネッツの場合はそれさえも難しいです。

敢えて言うならマショーン・ブルックス、そして今ドラフトで指名したメイソン・プラムリーぐらいですが、そもそもこの豪華なラインアップではそれ以外の選手にはなかなか出番もボールも回って来ません。プラムリーにしても4年のビッグマンで、果たしてどれほど伸び代があるのかなーと。先発陣の休憩時間を体を張ったファウルと共に稼ぐぐらいが関の山じゃないかと思ってしまう訳です。

かくして先発のおぢさん達が疲弊して故障→他の主力に負担がかかり、そちらも故障、みたいな故障の連鎖が起きればレイカーズと全く同じルートを辿る恐れがあります。これがセルティクスならジェフ・グリーンはじめ、ある程度は若手がいました。故障でシーズンアウトしましたがサリンジャーもいましたね。今度のネッツはそういうところも望めないと思うんです。

スパーズが主力の高齢化をものともせずにファイナルまで辿り着けたのには、カワイ・レナードやダニー・グリーンに代表される若手の成長がありました。今回のネッツにはそこがありません。ね、成功すると思えますか?私は良くてニックス同様1stラウンド突破までだと思いますよ。

2.ディフェンスストッパー不在

私、これは結構重要だと思うんです。いくらなんでもピアースがレブロンやウェイドにいつまでも相対する事は出来ませんよ。出来たとしても、1試合、プレーオフの全シリーズを通じては無理です。ヒートを苦しめたペイサーズにはポール・ジョージ、スパーズにはダニー・グリーン、カワイ・レナード、ボリス・ディオウがいましたが、今のネッツではどうでしょうか。ブルックスではちょっと荷が重過ぎますよね。

ピートラスでも安く仕入れられたらちょっとマシかなーとは思いますが、あるいはドラフト新人やブルックスをトレードの駒にしてでも、ディフェンス職人は確保しておくべきでしょうね。自前で育成する意思と気の長さが無いのであれば。

3.HC

やっぱここですよね。ネッツをかつて2度のファイナルへ導いた名PGがHCで復帰、というのは確かにええ話です。しかし、それはネッツのチーム状況にもっと余裕がある、つまり負けてもさして問題無い時期に試すべきでした。

今のネッツの体制はどう考えても「いつ勝つの?今でしょ!」モード。てか、こうなる前の時点のチームでもプロコロフオーナーは1シーズンの間にHCのクビを2人切っているのです。ネッツがレイカーズよろしくシーズン序盤出遅れようものならキッド政権はいきなり終了してもおかしくは無いんです。その後だって連敗が立て込めばその度にキッドのクビは危うくなる事でしょうね。

ネッツも一応新人HCの支援のためにキッドをコーチングした事もあるローレンス・フランクをACとして呼び返しましたが、これは勿論キッドが解任された際の代理HCとしての起用をも想定している事は言うまでもありません。そして恐らく、キッドであれフランクであれ、優勝出来ないとなればプロコロフオーナーはまたしてもその時点でHCのクビを挿げ替えます。間違いありません。

そんなに優勝したけりゃフィル・ジャクソンでも呼べば・・・って話ですが、彼は既にネッツのオファーを断りました。じゃあラリー・ブラウン?まあアリはアリですがトシですよね。ま、私は来季以降もネッツのHC交代狂想曲は終わらないと見ています。

4.プロコロフオーナーの短気

多分最大のネッツの問題は恐らくここでしょうね。ここまでを見れば明らかなように、プロコロフオーナーの手法は絵に描いたような金満補強です。札束にモノを言わせ、とにかくルールが許す限り戦力を揃えまくる。で、彼はHC、そしてフロントの人材をバシバシ切りまくり、機会があればロスターの改造に余念が無いはずです。かつてのマーク・キューバンが可愛く見える程のチーム改造を繰り返し続ける事でしょう。「戦力は揃ったはずだ、勝てないはずは無い。言い訳は聞きたくないね」と言いながら。恐らくプロコロフの下では「チームの熟成」なんて言葉は存在しない事でしょう。

それでもアイザイア・トーマス時代のニックスよりは勝てるとは思います。的外れな補強をやっているとまでは言いませんから。しかし、勝てるチームでは無いでしょうね。プレーオフに進出出来るチームにはなるでしょうが、頂点を極めるチームにはならないと思います。

5.誰がシュートするのか?

ま、結局これなんですよね。

確かにこのメガディールで机上の戦力は揃ったかも知れません。しかし、いくらデロンが彼らを仕切るとしても、このスターばかり揃えたチームでそのメンバーの実力をフルに発揮させる事は難しいと言わざるを得ないでしょう。残念ながらボールは1つしか無いのです。試合を決める大事なショットを決めるべきクラッチタイム、このチームはいったい誰にボールを託するのでしょうか?

たとえばヒートはなんだかんだ言っても、レブロンがNo.1です。セルティクスは生え抜きのピアースがやはりここぞという時はチームを牽引しましたし、レイ・アレンとKGは大人でした。最終的にはアレンとややこしくなりましたがロンドがチームを仕切っていたのも大きいですね。 レイカーズだって怪我するまではコービーが1stオプションなのは誰もが知る事でありました。

今回のネッツはPGについては申し分ありませんが、そもそもロペス兄以外誰も生え抜きでは無いというチーム構成が裏目に出そうな気がしてなりません。誰がクラッチショットを放つのかと問われれば、デロンかJJかピアースか、となるでしょう。・・・さて、こんなチームを平穏に運営し続けられると思います?揉めるに決まってます。

チームが勝っていればまあ、先のニックスみたくJ.R.スミスみたいな選手まで上手く使いこなしたような感じでチームが機能しなくも無いとは思います。レギュラーシーズンならまあそんな調子で何とかなるでしょう。しかし、プレーオフとなると話は違います。俺にボールを寄越せ、必ず決めてやる、と思っている選手ばかりが集まっているのですから、遠からず破局は来ます。特に誰かが外して負けたなら尚更です。だから俺にボールを渡せば良かったんだ・・・なんて誰かが思えばもうチームの空中分解は時間の問題ですね。

要するに今のネッツは4番打者ばかり掻き集めた頃の読売ジャイアンツと同じです。強そうではありますが、主役キャラが揃い過ぎても勝てません。主役をサポートするサブキャスト達が一定の質量でいなくてはダメなんですよ。そこが今のネッツには欠けているように思われます。パット・ライリーなら巧みにサブキャスト陣を揃えるかも知れませんが、今のネッツフロントにそれは望めないのではないかと。

とはいえ、今のままでは来季もヒートが東で独走し、かろうじて抑止力になるのはペイサーズだけ、という状況が繰り返されるのは目に見えています。それを少しでも変えるべく、願わくばネッツの補強がプラスに作用してヒートに対して少しでも張り合えるようになって欲しいですね。かつてシャック&コービー体制のレイカーズを追い詰めたブレーザーズぐらいには頑張って頂きたいものです。



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