さて、ホーネッツの話をしましょうか。

我々の年代、'90年代初頭からNBAファンになった世代にとって、ホーネッツといえばニューオリンズではなく、シャーロットでした。マジック、ヒート、ウルヴス、そしてホーネッツ。この4球団は同時期にエクスパンションチームとして創設されました。正確には1年ずらしで2球団ずつNBAデビューしてますけどね。

その中で、ブルズやレイカーズといった歴史も実績もある定番チームと共に、日本で重点的に展開されたエクスパンション2チームが、マジックとホーネッツだったんです。私、この2チームがピックアップされた理由が未だに良く分からないんですか、ブルズの赤、レイカーズの黄色&紫に対して青と水色って事で選ばれたのかなあと適当に分析しております。ヒートは赤でブルズと被り、ウルヴスはチーム創成期のやや垢抜けない感じが避けられたのかなあと。

私、今までも何度も何度も言ってきましたがマジックファンになったのはかなりの偶然と言いますか、要するにチームカラーが青だったからです。あの時好きだった色がロイヤルブルーより水色であったら私が今頃応援していたチームはニューオリンズのあのチームであり、今頃はブログ名の変更に頭を悩ませていたはずです。

そう、シャーロット・ホーネッツはニューオリンズへと移転しました。シャーロット市民の凄まじい不興を買ったチーム経営陣はそうせざるを得なかったのです。そして昨季、その評判の悪かったジョージ・シンオーナーから一時はNBAの管理チームというよう分からん状態になっていたホーネッツはようやく'12年4月に地元ニューオリンズの新オーナーたるトム・ベンソンを得ました。

そしてその新オーナーのチーム名変更の希望もあって、来季からチーム名がホーネッツからペリカンズへと変更される事が決定しております。アンソニー・デイヴィスとリヴァース息子のホーネッツとしてのキャリアは僅か1年だった訳ですね。デュラントのソニックス(現サンダー)時代が1年しか無かったのと同パターンですな。かくて、私がマジックの次に気にかけていたホーネッツという球団名は消滅するかに思えたのです。

が、実のところそんな危機感を私が感じる事は全くありませんでした。理由は簡単で、このチーム名変更によってホーネッツというチーム名が浮くのを見てとったマイケル・ジョーダンオーナーが、所有するシャーロット・ボブキャッツのチーム名をホーネッツへと変更する事に前向きだったからです。

http://espn.go.com/nba/story/_/id/9491180/nba-approves-name-change-charlotte-bobcats

そして先日、正式にこのチーム名変更が認められました。と言っても来季いきなりではなく、'14-'15シーズンからのチーム名変更となります。シャーロット・ホーネッツ、実にニューオリンズ移転の'02年以来となる復活ですね。

しかし、これは実にややこしい事態の始まりでもあります。なにしろ、ホーネッツが無くなってホーネッツが復活する訳です。そして、2つのホーネッツには歴史的には何の関連性もありません。大阪、広島の両方において有名お好み焼き屋が移転した後に、しれっと全く違う業者が同じ名前の店舗を作る事がありますが、それみたいなもんですね。因みに敢えて名は伏せますが三平と八昌という店がそうです。お前らも騙されないで正しい方の店に行けよ!

勿論今回はお好み焼き屋の仁義なき戦いとは異なりNBA完全承認ですから何ら問題は無いんですが、そう言われてもファンはなかなか心中複雑ですよね。つーか、実際ややこしいです。何がややこしいかといいますと、

1.チームの歴史

後世NBAの歴史を語るにあたって、間違い無く「ホーネッツ」は難易度マックスなテーマになりますね。シャーロット・ホーネッツは2つあるけど、新旧のチームは全く別物ですよ、とか訳分からんでしょうね。

2.永久欠番・バナーの扱い

これ、真剣な話どうするんでしょうかね?ボブキャッツ自体には永久欠番も飾るべきバナーも存在しないので、ホーネッツに改名するにあたって特に引継ぐべきものは何もありません。ボブキャッツ時代は完全黒歴史化されるのか!(血涙)

しかし、問題は「ホーネッツ」ですよ。そもそも旧ホーネッツの永久欠番やバナーを引継ぐべきなのか?それはペリカンズのアリーナにだけ吊るしておけば良いのではないでしょうか?しかし、旧ホーネッツ時代からのファンはそれに納得出来ないと思うんです。ペリカンズってなんや、俺が愛し続けて来たのはホーネッツだけや!ホーネッツの選手なんやからホーネッツの永久欠番やろ!って考えても何らおかしくありません。

で、仮に旧ホーネッツの永久欠番をOKとしましょう。で、その場合はニューオリンズ・ホーネッツ時代の選手はどうするんですか?ペリカンズの方?それとも新ホーネッツの方?これ、割と真剣に突き詰めていくと難しい問題です。

で、旧ホーネッツの永久欠番ですが、この2つでした。

7→ピート・マラヴィッチ
13→ボビー・フィルズ


まずマラヴィッチですが、彼はホーネッツと名の付く球団でプレーした事はありません。が、ユタ・ジャズがニューオリンズにホームを構えていた時代、ニューオリンズ・ジャズのメンバーとして活躍した事から選ばれています。この経緯から考えれば、マラヴィッチについてはペリカンズでのみ引き続き永久欠番とするのが妥当であるように思われますね。

問題はフィルズです。彼は旧シャーロット・ホーネッツ時代に交通事故で命を落としたために永久欠番になった選手なんですよね。となると、新ホーネッツでのみ永久欠番かな?これはむしろペリカンズの判断が問われるところかも知れません。両方で永久欠番ってのもダメじゃないし、新ホーネッツに移譲するという考え方もアリですからね。

あとは、今後かつて在籍した選手が永久欠番になった場合ですね。幸い(?)シャーロットとニューオリンズの過渡期に永久欠番になりそうな選手は見当たらないですが、旧ホーネッツだとラリー・ジョンソン、アロンゾ・モーニングあたりはもしかしたら将来候補に挙がるかも知れません。その時はどうしますかね?・・・ま、これは新ホーネッツだけで良いかな。

問題はクリス・ポールかも知れません。彼は完全にニューオリンズ・ホーネッツの選手でしたが、「ホーネッツ」ではありましたからね。将来永久欠番的な話になればまずクリッパーズが対象になるんでしょうけど、ペリカンズと新ホーネッツはどうしますかね?まあシャックが永久欠番に選ばれた際にも最初に所属していたマジックはスルーしていたりするので、ペリカンズも新ホーネッツもスルーするかも知れませんが。

途中から完全に永久欠番の話だけになってしまいましたが、ともあれ我々中年NBAファンにとって、「シャーロット・ホーネッツ」復活は単純に嬉しいです。しかも今度はマジックと同じサウスイーストディヴィジョンで鎬を削る事になります。昔買ったホーネッツグッズでも眺めながら、ホーネッツが再びプレーする日を楽しみにしたいですね。そして今のうちにボブキャッツグッズを押さえておくと将来プレミアが付く、かも?いや、全く保証は出来かねますが。

ま、ボブキャッツのラストシーズンもきっとプレーオフ進出は厳しいだろうなと思います。そしてそれが確定した時には是非思い起こして下さい。ボブキャッツ史上唯一のプレーオフでスウィープを食らわせ、ボブキャッツにプレーオフでの白星を1つとて許さなかった鬼のような球団が、我らがオーランド・マジックであるという事実を(T ^ T)



NIAGARA TRIANGLE Vol.2 20th Anniversary EditionNIAGARA TRIANGLE Vol.2 20th Anniversary Edition
アーティスト:NIAGARA TRIANGLE 佐野元春 杉真理 大滝詠一
ソニーミュージックエンタテインメント(2002-03-20)
販売元:Amazon.co.jp