ヒート118-95バックス
マヴス105-95ウィザーズ
ウォリアーズ113-95ピストンズ
レイカーズ116-95ペリカンズ




今日のハイライトはノヴィツキーがジェリー・ウエストを抜いて歴代総得点記録16位になった事でしょうかね。次はレジー・ミラーの記録を抜けば15位となるそうです。優勝リングも既に獲得し、永久欠番と殿堂入りも確定。うむ、申し分無いキャリアであります。あともう一花咲かせられるか、盟友ナッシュの故障を見て彼は今何を思うのでしょうか。あ、因みに知らない方の為に念のため申し上げるとジェリー・ウエストはNBAのロゴのモデルですからね。

さて、今日は一昨日のエントリー、「トレードの成否を性急に結論付けると後で裏目に出るから止めた方がええよという話を書いたら私自身にブーメランが返って来たでござる」という話の続きです。前回はマジックのドワイト放出について触れましたが、今回はレイカーズのトレード例を挙げてみましょう。

まずはドワイトのトレードについて・・・は前回触れた通りですかね。奇行種の巨人ドワイトがレイカーズ残留という選択肢を選ばなかったからこそ何だか残念なイキフンになってますが、あれ自体はそんなにおかしなトレードではないと思うんですよ私。普通はレイカーズと再契約するでしょ、あのパターンは。デロン・ウィリアムズもネッツと、クリス・ポールもクリッパーズと再契約している訳ですからね。あのシチュエーションでドワイトが獲れますよと言われたら、普通のGMならそりゃ手を上げますって。だから、あのトレードを責めるのは私は酷だと思いますよ。

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http://espn.go.com/los-angeles/nba/story/_/id/9963293/steve-nash-los-angeles-lakers-miss-least-two-weeks-nerve-irritation-back-hamstring

ところでドワイトの話は一段落して、ナッシュについてです。只今背中とハムストリングの故障で最低2週間の欠場という事で、レイカーズファンの間でもナッシュはまたトレード放出出来ないかとか、そもそも獲得したのは間違いだったんじゃないかとかって話になっております。

うーん、まあ結果論から言えばそうですが、あのナッシュ、コービー、ガソル兄、ドワイトって体制を見たら普通は「アカン、優勝してまう!」と思うか、少なくとも侮れないと思いますよね。コービーの残り少ないキャリアを踏まえての補強なんですから、選手寿命の残り少なさは問題ではなかった訳ですし。

ただ、まあこれがヴェテランの大物を集めるリスクなんですよね。私はオラジュワン時代のロケッツ終盤でそれを学びました。ドレクスラーを獲得してヒューストン大のスラマ・ジャマを復活させて2連覇したまでは良かったんですが、チャールズ・バークリーをサンズから獲得した頃から厳しくなって来ました。

ジョーダン、ピペン、ロドマンのビッグ3でブルズ後期3PEATを達成したのを考えればこのロケッツのビッグ3にも期待したくなるのは当たり前なんですが、悲しいかな皆、年を取り過ぎていました。主力の3人がなかなか揃わないロケッツは、1996-1997シーズンこそ57勝してプレーオフでもカンファレンスファイナルまで勝ち上がったものの、その後は求心力を失います。

1stラウンドで敗退した翌シーズン終了後にドレクスラーが引退すると、代わりにピペンが加入してビッグ3体制は継続されたものの、これでも結局1stラウンド突破さえままならない状況は変わらなかった上にピペンがバークリーと対立して1シーズンでブレーザーズへ去り、ビッグ3体制は終わったのでありました。

今日のレイカーズの低迷は、あの頃のロケッツとあまり変わりません。次代を担うはずだったドワイトの流出だけは予想外でしたけどね。ま、でも考えたら私、「ドワイトがレイカーズから移籍する訳ないじゃん」と書いてた前、マジック時代には「ドワイトが引退間近のコービーと組むメリットは少ないから移籍はないんじゃね」みたいな事もそういやあ書いてました。今回はそっちが当たった事にしといてくださいw

ともあれナッシュの故障は確かに痛いですし、ここまでを見る限りはあの補強は失敗だったような気もします。何しろナッシュ今季絶望どころか引退説も出て来ましたからね。が、彼が故障から復活して再びチームの主力となる可能性が無い訳でなし、まあそう結論を急がない方が宜しいかと。コービー復活を待てるレイカーズファンの皆さんなら、ナッシュの復活も待ってみましょうよ。彼だってMVP受賞2回を誇る偉大なPGなんですから。え、昨プレーオフで「コービーがいない方がレイカーズは強くなる可能性がある(キリッ)」って書いた人間が書く事なんか信用出来ない?気にしない気にしない、あんときはそれぐらいの気概で応援したまえよって話でもありましたし、まだドワイトがいる状態でしたからね。

最後にトレードの評価があてにならない、一番分かり易い例を指摘しておきましょう。それはレイカーズとグリズリーズが繰り広げた、ガソル兄弟のトレードです。当時あれほど、レイカーズにだけ一方的に有利に見えたトレードもそうはありませんでした。

レイカーズ←パウ・ガソル、2010年2巡目指名権(後にテヴィン・イーバンクス指名)
グリズリーズ←クワミ・ブラウン、ジャヴァリス・クリッテントン、マルク・ガソル、アーロン・マッキー、2008年1巡目指名権(後にドンテ・グリーン指名)、2010年1巡目指名権(後にグレイヴィス・ヴァスケス指名


2008年2月1日に発生したこのトレードには当時、レイカーズ丸儲けやないかと不満が続出したものです。何しろガソル兄はオールスターだったのに対してガソル弟はまだ2巡目指名された、海とも山ともつかない存在でした。スパーズのポポヴィッチHCなんか力一杯クレームを公言してましたよね。そして確かにこのトレードでレイカーズは低迷を抜け出し、3度のファイナル進出と2連覇を達成します。一方フランチャイズの柱をみすみす放出したグリズリーズは言うまでもなくプレーオフ進出は叶わなくなった訳です。

しかし今日、如何でしょう?ガソル兄は今やキャリア終盤に近付いて衰えが見え、これまた再トレードの噂がありました。一方ガソル弟は今やリーグトップセンターの1人に成長しました。そして兄のレイカーズが低迷して弟のグリズリーズが遂にタイトルコンテンダーに・・・虫のいいレイカーズファンは半ばヤケでしょうが、今こそもう一度ガソル兄弟をトレードだなんて事を仰ってます(笑)。

あのトレードはグリズリーズにとって今を捨て、ガソル兄のキャップを空けて弟の成長を待つ、未来への投資だったと今なら分かります。あの時すぐ勝ちたかったレイカーズと未来に勝ちたかったグリズリーズ、双方の意向は今こそ完全に満たされたのです。

かように、実のところトレードの成否なんてのはかなり長い目で見ないと分からないんです。ドワイトの放出トレードでマジックが得したといってもそれはあくまで現時点までの話で、また状況が変わればどこが一番利益を得たかが変わる可能性なんて普通にあります。つー訳なので諸兄、まあトレードの成否に短いターム慌てなさんなという話でありました。





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