キャヴス109-94ニックス
ペイサーズ90-84ヒート
スパーズ116-103ラプターズ
サンダー101-92ホークス
ネッツ104-96セルティクス
ウルヴス121-94ピストンズ
バックス78-74ブルズ
サンズ114-108レイカーズ




昨季スパーズを切られてからFAのまんまだったスティーヴン・ジャクソンが遂にクリッパーズにて復活となったり、コービーが2戦目にして早くも復活の気配があったり、何気にアマレの出番が長くなっていたりする本日のNBAですが、まあやはり一番注目の試合はどれだと言われたら、そりゃあイースト頂上対決ですやんね。2年連続プレーオフで激戦を繰り広げ、昨季はカンファレンスファイナルで第7戦までヒートが追い詰められました。そして今季はペイサーズが快調なスタートを切り、ポール・ジョージは今やMVP候補筆頭格に名前が挙がっております。いやマジでペイサーズとブレーザーズの今の勢いはヤバいっすね。

ところが、そこへレブロンさんがこのペイサーズとの対戦を控えた絶妙なタイミングで、なかなか香ばしそうなコメントを披露したのです。ボヤ程度の火事を大火にせんと自ら油を注ぐ事で定評のあるESPNが今朝のトップ記事にしていたので、目についた方も少なくないんじゃないでしょうか。が、今検索してみるとなぜか該当記事がESPNでは見当たりません。しょうがないのでマイアミ・ヘラルド紙の記事からレブロンの発言を抜粋してみましょう。

http://www.miamiherald.com/2013/12/11/3810784/lebron-james-rivalries-are-gone.html

“What is a rivalry these days?. What's a rivalry? A rivalry is Celtics and Lakers. They met like four out of five years. … Bulls-Pistons. Those are rivalries, man.

“We've played these guys two straight years in the playoffs, and guys automatically make it a rivalry. It's not a rivalry.”

“There is no real rivalry in the NBA these days. You don't see the competition enough or play the competition a lot. It's two really, really good teams that [are] striving to win a championship, but rivalries … there are no more rivalries. There isn’t. It's the truth. No rivalries.

“Cowboys-Redskins is a rivalry. Ohio State-Michigan is a rivalry. Duke-North Carolina is a rivalry. Bears-Packers is a rivalry.”


「近年のライヴァル関係ってなんだ?セルティクスとレイカーズ、ブルズとピストンズはライヴァルだ。僕ら(ヒートは)この男達(ペイサーズ)と2年連続プレーオフでプレーしたけど、それはライヴァル関係じゃない。NBAでは近年は真ののライヴァル関係は存在しないんだ。(NFL)カウボーイズとレッドスキンズ、オハイオ州立大学とミシガン大学、デューク大学とノースカロライナ大学、(NFL)ベアーズとパッカーズはライヴァル関係だ」

オッケー、ペイサーズファンはこれに異論を言っても良いと思います。実際この日の試合でペイサーズはヒート相手に競り勝ったのですから。しかも試合終盤にはレブロンが珍しくクラッチショットを連続して落としたり、TOしたりとあまり宜しくなかったようですしね。まあそれでも試合中にはこんな事やってるんですけど、レブロンさん。ディフェンダー3人相手に1人で得点するとかもうね。



ただ、この発言とその後の試合結果を受けて「ヒャッハー、レブロンフラグ回収乙。ざまあああああwww」で話を終わらせるのはあまりにもつまらないです。なぜなら、私はレブロンの言っている事自体には大きな違和感は抱かなかったからです。おや、どうやらスポーツイラストレイテッド誌にも私と同意見の方がおられるようですね

レブロンのライヴァルは誰か、という考察は以前の新・レブ論でわたしもやってみましたが、実のところレブロン個人のライヴァルと言える選手はカーメロ、デュラント、そしてポール・ジョージぐらいしか存在しません。たとえばコービーはファイナルで対戦する事なく終わりそうですよね。ポール・ピアースが手強かった時代もまもなく終わろうとしています。

さて、ところで「ライヴァル」という言葉なんですが、実は結構定義が曖昧だったりします。私の知る限りでは「ライヴァル」って言葉の使われ方には2種類あるような気がしますね。

1.対等な競争関係

レブロンが今回例に挙げたものは、基本的にこちらに該当すると言えるでしょう。セルティクスとレイカーズの歴史は正にそうですし、ラリー・バードとマジック・ジョンソンなんてNCAAファイナルからNBAまで続いたパーフェクトなライヴァル関係だったと言えます。セルティクスとレイカーズにそれぞれ在籍したのも今にして思えばNBAが意図的にそうしたとしか思えませんが(笑)、それでNBA人気が一気に盛り上がったのは紛れも無い事実ですね。大相撲の大鵬・柏戸時代がそうであったように、今も昔も一番盛り上がるパターンです。

2.片方が基本的にやられ役

問題はこちらのパターン。実際は1人のスターが圧倒的なだけなんですが、相対的にその次のポジションの存在がライヴァルと喧伝されるも、殆ど負けっ放しという構図は、これまた結構ありがちです。下手すると実はイケメンor美人だとか人気チームだとかいう理由だけでキャラが立っているだけで、実力的には全く格が違ったりするから困ります。私は大昔、女子テニスでシュテフィ・グラフが圧倒的に強かった時代に、某テニス雑誌の4コマ漫画からこれを学びました。ガブリエラ・サバチーニっていうアルゼンチン出身の美人テニスプレーヤーが当時グラフのライヴァルと言われたんですけど、実は全く歯が立たなかったんですよね。

巨人に対する阪神も完全にこれですね。伝統の一戦だなんて言ってますが、その実は阪神は巨人の引き立て役以外の何ものでもありませんでした。天覧試合で長嶋さんにサヨナラホームラン打たれるなんて実に象徴的な話でして、阪神の役回りはあくまでプロレスにおける一昔前の外国人悪役レスラーみたいなものだった訳です。

本当は誰も勝てない、実際にはライヴァルなど存在しない独走状態はあまりスポーツ興行的には美味しくありません。だから意識的にそういう存在を仕立て上げようとする、という要素もあると思います。たとえばF1はアイルトン・セナとアラン・プロストが鈴鹿で毎年クルマぶつけあっていた頃は凄まじくヒートアップしましたが、ミハイル・シューマッハ、そして今日のセバスチャン・ヴェッテルの独走状態だとやはり世間の人気もちとビミョーになります。何せシーズン最終戦を待たずしてどころか、まだ複数レースが残っている時点でチャンピオンが決まるのですから。F1では現在最終戦だけポイント2倍みたいなクイズ番組みたいなアホな案が真剣に検討されているそうですな(^_^;)しかし上述のグラフといいシューマッハとヴェッテルといい、極めたドイツ人のやる事はハンパじゃありません。案外NBA得点記録はノヴィツキーが更新してしまう気がしてきました。

という訳で、レブロンが今回言ってる「ライヴァル」は明らかに前者を指す訳です。じゃあペイサーズはこれに該当しないのかとペイサーズファンなら怒りそうですが、私の見たところ、これは恐らく「まだ」ライヴァル関係じゃない、という意味じゃないかなと。たった2年連続プレーオフで戦っただけ、しかも2回ともヒートが勝っている。これをライヴァル関係と呼ぶのは違うんじゃないか、というのがレブロンの真意であると私は解釈します。どうです、これならペイサーズファンの方でも納得頂けるのではありませんか。

NBAの場合、マイケル・ジョーダンとシャキール・オニールには1.の意味でのライヴァルは存在しませんでした。それぞれ短いタームで互角に戦うかに見えた存在はいましたが、彼らの殆どは基本的には既にヴェテランの域に達していて勝ち逃げ状態で引退or衰えてしまうか、同年代ならまるで勝負にならずに終わったかでした。因みにシャックと長いタームで張り合えたのはダンカンぐらいでしたが、あんまりライヴァル感が無いのはダンカンのキャラの問題でしょうかねw

今のレブロンも似たようなものです。コービー、ピアースあたりは既にキャリアの黄昏であり、本来ライヴァルと目されたカーメロとの差は開く一方。デュラントにしてもファイナルで対戦はしましたが互角とは言えない状態ですからね。そう考えればポール・ジョージが現在、一番ライヴァルに近いところまで来ていると言えます。これはそのまま、マイアミ・ヒートとペイサーズにも当てはまる図式だと思います。

レブロン自身がマイアミにスター集合なんて事をやってしまい、ウェイドというライヴァルになり得た相手までもチームメイトにしてしまったが為に今ライヴァル不在状態になってしまったという自業自得感は正直ありますが(笑)、そんな訳でペイサーズは現在一番ライヴァルに近い存在だと私は思います。サラリーキャップのコントロールの問題でチーム戦力の維持も簡単ではないって事はサンダーがハーデンを出してイバカを取った例を見ても明らかですが、ペイサーズには何とか頑張ってヒートを倒して頂き、今度こそはレブロンの口からペイサーズがライヴァルだと言わせて欲しいものですね。マジックが再浮上するまでの間、ヒート1強時代に風穴を開けるべく、またスモールマーケットチームの矜持を見せるべく、ペイサーズのポストシーズンでの成果を大いに期待しております。





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