http://espn.go.com/new-york/story/_/id/11323854/kevin-durant-oklahoma-city-thunder-withdraws-team-usa

・・・いやー、えらいこっちゃですわ。

先のポール・ジョージの大怪我でなかなか不安な出足となってしまったアメリカ代表チームに、更なるマイナス材料が飛び込んでしまいました。なんと前回世界選手権の大黒柱にしてイギリス五輪チームでも主力の1人だったケヴィン・デュラントが、なんと代表チームを離れてしまいました。何だか色々辞退理由を言ってますが、まあ普通に考えてジョージの怪我がデュラントを萎縮させたのは明らかですね。

この件に関してデュラントを責めるのも酷ではあるのです。単純にジョージの怪我により、デュラントに更に負担がかかるのは火を見るより明らかでしたからね。彼だってサンダーでチームメイトだったハーデンと一緒にプレーするのは楽しみだったはずで、それでもなお辞退を選んだというのはやはりそれなりに決断が難しかったでしょう。彼なりにアメリカ代表の事を思う気持ちが無い訳がないですし。むしろ、デュラントに代わりチームを牽引出来る選手がデュラントより下の年代に少ないのが問題なんですよね。その候補の1人がジョージだった訳ですが・・・。

ところで、例によって邪推大好きな私としては、ここでデュラントの代表辞退を語るのに、もう1つのファクターを指摘したいと思う訳です。それは、デュラントの履いているバッシュについて。

デュラントはNBAデビュー以来ナイキを着用しておりました。当然ながら彼はナイキにとって看板選手の1人であり、ナイキも彼専用のシグニチャーシューズを用意してきたのです。個人的にはデザインがあと一歩だったので手が出ませんでしたが(^_^;)

http://www.slamonline.com/kicks/report-armour-offering-kevin-durant-300-million/

しかし、デュラントとナイキの契約は期間終了。デュラントはここでナイキと再契約かと思いきや、ちょっと予想していなかった会社が飛び込んで来ました。アンダーアーマーです。この会社がデュラントにオファーした契約内容はなんと10年3億2500万ドル!いざという時は札束にモノを言わせてライヴァル会社をねじ伏せるあのナイキが、今回ばかりはデュラントを持っていかれるのを覚悟しているようですから相当ですね。

私はこの件が、デュラントのアメリカ代表辞退とダイレクトに繋がっていると見ています。しかも2つの点で、です。

1つには、やはりデュラントがこの高額オファーを怪我でフイにするリスクを恐れたという可能性。このタイミングでシーズン終了クラスの故障を負ってしまったら、確かにデュラントの契約に響く可能性はありそうですね。しかし、私が重視したいのはもう1つの可能性。即ち、ナイキとアメリカ代表の関係です。




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これは2008年、北京五輪の際のアメリカ代表チームの記念写真です。全員基本的に同じポーズなんですが、一番左のドワイトだけが手を下ろしてますね。はい、これは彼の契約チームに原因があります。即ち、この時の代表チームはアディダス契約のドワイト1人を除いて全員がナイキ契約!そしてアメリカ代表のユニフォームはもうずっとナイキが製作なんです。もうお分かりですね。ドワイトはただ1人、手を下ろしてナイキロゴを隠しているんです。そしてその報復であるかのように、彼が履いているアディダスはご丁寧にコーチKの左足によって隠されております。言わなくてもお分かりでしょうが、勿論これはわざとです。この集合写真はアディダスユーザーのドワイトの顔も一応立てつつ、基本的にはナイキの為に撮られたも同然の写真なんですね。



プロ選手が遂に五輪の舞台に立った1992年バルセロナ五輪の時点でこういったプロ選手とスポンサーの問題は既に顕著でした。他ならぬバスケットボールアメリカ代表、ドリームチームが優勝した時、ナイキと契約していたマイケル・ジョーダン、チャールズ・バークリー、そしてマジック・ジョンソンはアメリカ国旗を肩に表彰台に上がりました。しかしながらその理由は愛国心というよりスポンサーへの気遣い。彼らは着用していたウォームアップがリーボック製なのを嫌がり、わざわざリーボックのロゴを隠して表彰台に上がった訳です。どちらかと言えばうるさ型と目されるNBAの看板選手3人が素直に従ってこれをやるんですよ。ナイキどんだけよと思わずにはいられません。

そういう歴史を踏まえて今回の代表チームを考えた時、ナイキからアンダーアーマーに乗り換えんとするデュラントが代表チームから離れるというのは実に象徴的だなと思わずにはいられないですね。無論全ては推測でしかありませんが。

そもそもナイキが目ぼしい選手は契約して押さえてあるというのもアメリカ代表がナイキの選手ばかりになる原因だとはいえ、果たしてナイキ以外の選手がアメリカ代表のエースとなる日が来るのでしょうか?カイリー・アーヴィングやアンソニー・デイヴィスまでも確保済のナイキに隙は無さげに見えます。ウィギンスがアディダス?いやあ、あの人はカナダ代表なんだな、これが。ジョン・ウォールが早々に代表落ちした今、同じアディダスのデリック・ローズがどこまでやれるか、当面は期待するしか無さそうであります。



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アーティスト:高中正義
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