レイカーズ114-109ホークス
バックス117-113ニックス
ジャズ98-81サンダー
ペリカンズ106-100キングス




レイカーズにようやくニック・ヤングが加わるや今季初の前半リード&連敗脱出、更にコービー通算32,000得点とはめでたいですな。ジャバリ・パーカー対カーメロのスコアリングフォワード、そしてアンソニー・デイヴィスvsダマーカス・カズンズの次世代ビッグマン対決と、4試合しかない割になかなか今日はいいカード揃いでした。さ、サンダーは・・・まあまだ慌てるような段階じゃないよと。ジャズはトレイ・バークがもっと調子上げて欲しいですな。

さて、今日はかれこれ1年は前からこのテーマで書こうと思ってたのに忘れ続けていたテーマを取り上げようと思うのです。それはズバリ、「強いチームの作り方」です。

古来、強いチームを作る方法なんてのは割とシンプルでした。話は簡単、ドラフトで優秀な人材を集めるのみです。無論トレードもありましたがね。

そのドラフトと絶妙なトレードを駆使してかつて王朝を作り上げたのがセルティクスでした。まあ最初はあまり高く評価してなかったボブ・クージーが大当たりだったって話もありますが。一方で大都市チームのニックスやレイカーズはなかなかセルティクスの牙城を崩せずに苦労した訳です。

それから時は流れました。ドラフト、トレード、それからFAがチーム補強の基本である事には変わりありません。しかし、様々なテクニックがそこで開発されてきた訳ですよ。今回はそのあたりの手法を色々纏めてみようと思います。

1.金満補強

まずはこれ。スポーツの種類を問わず、大都市のビッグマーケットチームならお約束ですよね。巨人、ヤンキース、レアルマドリード、皆そうです。NBAではニックス、レイカーズ、そしてブルックリン移転後のネッツがそうですな。ブレーザーズ、マヴスも一時は派手にやってましたし、キャヴスもレブロンが一旦移籍するまではそうでした。カネにモノを言わせ、FAやトレードでバンバン有力選手を集めようという作戦です。

正直、この方法はコストパフォーマンスが悪い割になかなか優勝出来ません。ニックスファン諸兄はよくご存知の事と思われます(T ^ T)ブレーザーズがオーナーのMicrosoftマネーをフル投入した時も結局ファイナルさえ辿り着けませんでしたねー。キャヴスの第1次レブロン政権やネッツの現状もご存知の通りです。

タックス上等体制になってしまうと、後はもうドラフトと最低保証額以外の補強はもうトレードでしか出来ません。トレード補強の為にドラフト指名権や若手も差し出してしまい、更にロスターが高齢化して行き詰まる・・・そんなチームが多いですね。失敗したからとチームをリセットしようにもドラフト指名権も出してしまい、再建にはなかなか苦労するのが常です。

第1次レブロン政権やドワイト時代のはマジックが正にそうでしたが、チームのフランチャイズスターをキープするために補強に次ぐ補強を重ねると、このパターンに嵌る可能性は大。そして最後にチーム解体を余儀無くされた場合は、そのスター放出をテコにして再建を行う訳です。マジックの現状はその延長線ですね。

2.タンキング

ただ今シクサーズが絶賛実施中のアレです。わざとチームの主力を放出して弱体化させ、まともな補強も行わずに放置して下位に低迷させてドラフト高順位指名権を狙うこの手法、元祖は結構昔へ辿れるようです。昨季のウィギンス&ジャバリ獲得合戦、2003年のレブロン争奪戦が近年では名高いですが、ダンカンを指名した時のスパーズも本当はシーズン半ばから復帰出来たはずのデヴィッド・ロビンソンをわざと休ませてチーム成績を下げたなんて言われてましたね。ここ数年のマジックもこの路線だったと言えます。

言うまでもなくタンキング期間中のチームは普通はモチヴェーションが下がります。何しろ勝つことを期待されていないのですからね。それでもNBAでやれる事を証明したい選手達はいるので士気を保ち続ける事はここ2シーズンのマジックのように不可能ではありませんが、まあ普通に連敗が込んだらそれだけでもテンション下がりますよね。

また、負けるのが分かっているチームをわざわざ見に行く観客ってなかなかいません。相撲の十両より前の取り組みを見に行くようなノリの熱心なお客さんでもない限りは客足も遠のくってもんです。それでもなお、1〜2シーズンを棒に振ってでも将来のフランチャイズスターを揃えたい、という方向性を目指すチームは今も後を絶たないのです。

近年最大の成功例はやはりサンダーでしょうね。デュラントとウエストブルックの二枚看板を揃えて見事にタイトルコンテンダーになりました。ハーデンは・・・まあ仕方ありませんね。この作戦をやっている限りルーキースケールが終わると再契約でサラリーが高騰するので、だいたいにおいて全員をキープするのは難しいのです。タンキングという手法自体がスモールマーケットの常套手段なので尚更ですね。そこで、再契約の難しい選手をトレードに使って見返りを得ることでサラリーのマネージメントをいかにうまく行うか、がフロントの腕の見せどころです。

3.キャップ空け大物FA狙い

これはマイアミ・ヒートのスリーキングス体制でその威力が皆さん良く分かった事と存じます。サラリーの高い選手を次々より安価な選手や残り契約期間の短い選手、将来の指名権と交換してガンガンキャップを空け、大物FA獲得へ動くというこの手法を一番最初にあからさまにやったのはハート&ハッスルのマジック。1999年オフにアンファニー・ハーダウェイ、ニック・アンダーソンをはじめチームの主力を悉く放出し、1シーズンをスターレスなチームながら勝率5割で乗り切り、2000年オフにはFAに大人気に。あのティム・ダンカンがキャリアで唯一移籍を考えた夏になりました。

結局ダンカンはデヴィッド・ロビンソンがすんでのところで引き留めましたが、グラント・ヒルとトレイシー・マクグレディーを獲得。ヒルの怪我だけが惜しまれますが、それさえなければかなり上昇出来たんじゃないかと今でも思います。

ヒートもスリーキングス体制へ向けて相当派手に放出をしましたね。しかし、その頑張りの結果ブルズ、ニックス、ネッツ、クリッパーズといったライヴァルチームと比べても最大のキャップ空けに成功し、結果レブロンとボッシュの呼び込みが成功した訳です。

この手法はまた今後、大物FA狙いで使われるでしょう。レイカーズが現にやっですよね。彼らはナッシュとコービーの契約が完了すればキャップがガンガンに空きますからね。その時にレイカーズがどう動くかは見ものですよ。弱いレイカーズを見られるのは今のうち、って事になると思います。

4.若手で大物獲得トレード

これはセルティクスがやりましたね。ビッグ3体制確立のためにアル・ジェファーソンのような若手の戦力をトレードの弾にする手法です。実際彼らはまずレイ・アレンをトレードで獲得し、ポール・ピアースやアレンとチームが組めるというアピールでKGを翻意させ、ウルヴズからのトレード移籍に応じさせたのです。

キャヴスが今回やったのもこれだと言えます。ウィギンスとアンソニー・ベネットを出してケヴィン・ラヴ獲得ですからね。レブロンのキャヴス移籍の判断には勿論ラヴ獲得の目処が立っていた事も計算に入っていたはずです。

5.全部外様作戦

そこ、ニックスは大概そうだとか言わない。

えー、ロケッツが只今行っているアプローチは非常に興味深いです。実は上4つの作戦は大概の場合、生え抜きの選手が誰かいます。第1次レブロン政権のヒートならウェイド、第2次レブロン政権のキャヴスならアーヴィング。ビッグ3のセルティクスにしてもポール・ピアースは生え抜きでしたよね。

ところがロケッツには生え抜きの主力などいません。ハーデンはトレード、ドワイトはFA。このチームのタイトルコンテンダーへの第一歩はハーデンの獲得から始まっているんです。正確にはその前にジェレミー・リンとアシクのFA獲得もありましたが、これまた外様。

ニックスやネッツのような資金力あるチームがFAで大物を獲りに行くのは当たり前です。しかし、ロケッツの場合はまずリンとアシクを揃え、ハーデンにロケッツ行きを選ばせ、次にそのハーデンをアピールしてドワイトを連れて来ました。

スモールマーケット、ないしFAを呼び込み難いチームだからこそドラフトに頼り、若手を一から育てようとするのに対し、ロケッツはドラフトで主力を育成するのではなく、専ら外から人材を集めて今のチームを作り上げました。2巡目指名でチャンドラー・パーソンズを得たっいう上手さも光りましたが、彼もマヴスへ去りましたからね。正直、モーレーGMはかなり凄い仕事をやっているなと思います。実際ロケッツはタンキング期間無しで戦えるチームを作り上げている訳ですから。

6.スパーズ方式

はい、みんなの憧れスパーズ式です。フランチャイズスターを1人置き、下位指名権からでも主戦力を開発してしまうというこの球団経営に憧れ、スパーズから人材を呼ぶチームばかりですね。サンダーのプレスティGMはスパーズ出身ですし、スパーズ時代から彼をサポートしたのがマジックのヘニガンGMです。ホークスはじめ、他にもスパーズDNAは次々移植されてます。

しかしながら、スパーズ方式をやるにはまずダンカン級のタレントが必要ですね。そして敏腕フロントでないと長年チーム戦力を維持出来ません。特にドラフト補強、そして他チームからの放出選手再利用が上手くないとキビシイんです。

今のところスパーズ以外でそれがやれているのはサンダーぐらいでしょうか。あとノヴィツキー体制のマヴスも多少近いですかね。しかし、どちらもスパーズ程には巧みに出来ていません。マジックのヘニガンGMには期待してますが、問題はダンカン級のタレントがマジックにいるのかです。

つー訳でスパーズ方式はスパーズ以外多分無理です(笑)。ま、無理矢理分類しましたが上記の様々なハイブリッドで各チームは補強に動いている訳ですよ。あなたの応援するチームが果たしてどれに該当するのか、テキトーに考察にお使い頂ければ幸いであります。





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