(動画は後)
はい、またまた更新止まってる間に嵐のトレードデッドラインが過ぎ去り、更に契約バイアウト→FA移籍祭りが現在行われております。契約バイアウトor解雇のデッドラインも過ぎましたので、あと可能な補強はNBADL組発掘を含めた完全FA選手の獲得、あと中国CBA組のアメリカ帰還ぐらいですかね。ポストシーズンに出場するにはレギュラーシーズンにも必ず出場しなければならないそうですが、そもそもレギュラーシーズンにある程度そのチームに慣れておかないとプレーオフでまともに貢献出来る訳がないですね。いや、凄くアジャストが早いヴェテランもいるでしょうけど。

という訳でそのあたりそろそろ整理したいんですが、トレードデッドラインでのトレードに関してはもうBulls Fan in Japanさんが完璧に纏めていらっしゃいますからね。だいたいもう大分遅いやんということで、そのあたりはFA関連が落ち着いたらチーム戦力分析みたいな感じでやろうかなと思います。

そんなトレードラッシュの中で、意外な移籍がありました。ケヴィン・ガーネット、まさかのミネソタ帰還です。思えば高卒でドラフトされて以来ミネソタ一筋だったKGは自ら移籍を懇願した事はありませんでした。自らが結んだ超大型契約で補強が難しくなったという自業自得感はあったにせよ、少なくともKGはウルヴズへのLoyaltyは欠かさなかったのです。

ビッグ3ブームに火をつけたセルティクスへのトレードにしても、当初KGはこれを一旦は断っています。先にソニックス(現サンダー)からセルティクスがレイ・アレンを獲得したのを受けて、ようやくKGは重い腰を上げてボストン行きを承諾したのです。そして悲願のファイナル進出、アレン、ピアースとのビッグ3体制1年目のチャンピオンシップ。それだけで満足するKGではなく、セルティクスはその後も東のタイトルコンテンダーとして君臨し続けたのは皆さんの記憶に新しいところです。

セルティクスのビッグ3体制もレイ・アレンのヒート移籍で崩れ、KGとピアースも共にネッツへ。そのネッツもハイパータックス体制で勝てず、更にプロコロフオーナーはロシアの経済情勢悪化も相まって一転コストカットに着手、チームを売りに出しています。ピアースもウィザーズへ去った以上、故障も増えて往年のような長時間の活躍が見込めない今のKGにとって、ネッツに残り続ける意味は薄かったのです。

とはいえ、FAでの最低保障額契約ならいざ知らず、一応トレードという対価を経ての移籍です。正直、ウルヴズがそこまでしてKGを再獲得する必要があるのか私は疑問でした。サラリーキャップを空けるためといった意図があるようにも思えません。じゃあ何故?それはもう、メンターとしての獲得以外には考えられないでしょうね。

KGのミネソタでの復帰戦、ウルヴズは物凄いセレモニーをぶち込んできました。ウルヴズのスターターが4人いつものように紹介された後、いきなり照明が落ちるとKGトリビュート映像ですよ。おいおい引退セレモニーかよ!って扱いです。うん、まあでも正しいよねこの対応。お客さんもそりゃ拍手を惜しみませんわ。

KGは実際、かつて彼がルーキーとして加わった時と同じくドアマット化していた古巣に活気を取り戻しました。ケヴィン・ラヴがトレードリクエストから移籍してしまい、新人王確定のウィギンス以外に明るい話題が無かったチームに喝を入れ、モチヴェーションを取り戻させようとしているように見受けられます。ああ、そういえばKGは昔からこういう人でした。大差で負けている試合終盤、気を抜いてプレーするチームメイトに「戦い続けろ!」と檄を飛ばす、彼はそういう男なんです。

度が過ぎるトラッシュトーク、負け試合で試合後の挨拶もせずロッカールームへ下がる姿、そしてチームメイトへの厳しい仕打ち。今や日本のNBL千葉で活躍しているリック・リッカートもNBAでのルーキー時代にKGに酷い仕打ちを受けた事が、日本のNBA誌にまで掲載された程です。彼の事を嫌いなファンは決して少なくないと思うんですよね。

一言で言えば、KGは多分何もかもが過剰過ぎるんですよ。勝利への渇望、ミネソタへの愛情。えーと、あの超大型契約もある意味過剰でしたね(震え声)。濃過ぎるカルピスとか果汁100%ジュースとか、苦手な人もいるでしょ?天下一品のあのこってりスープが堪らん人もいれば、あんなん無理無理むりー!な人もいる訳で、KGは明らかにその濃ゆい方の人間なんです。

私の人生経験からしても、こういう過剰といいますかトゥーマッチな人は好き嫌いがはっきり分かれますね。私も時々KGそれはやり過ぎだろと思う事は多分多々あります。でも、その過剰さ故にKGは今の地位を築き上げたんだとも思いますね。彼は多分、引退まで今のスタンスのまま突っ走るんでしょうし、もうそれでいいやと思います。

さて、今季開始前のレブロンのキャヴス復帰、そして今回のKGウルヴズ帰還と、NBAに新たな潮流が出来ました。はい、「古巣復帰」ですね。一度スター選手に見捨てられたフランチャイズのファンの皆さん、これはいい風が吹いて参りました。先日お会いした際にペリカンズファンのmasakatsuさんがクリス・ポール復帰あるで!と仰っていたので、とりあえず間違えてホーネッツへ行ってしまう可能性を突っ込んでボケておきました。ほら、クリス・ポールってジョーダンブランドですしおすし。

ただ、私としてはそういう選手に復帰の可能性があるとしたら、恐らく条件があります。はい、優勝しているかどうかですね。レブロンはヒートで2回、KGはセルティクスで1回ですが無事チャンピオンリングを勝ち取りました。2人が優勝の可能性が高いという保証が無かったにも関わらず古巣を選べた理由はただひとつ、既に優勝していたからですよね。特にKGはもしもまだリングを持っていなかったら、果たしてミネソタ復帰を受け入れたかは分かりません。

たとえばクリス・ポールがペリカンズ復帰(チーム名的に復帰感が薄いですが)するとしたら、やはりクリッパーズで優勝はしてくれないと厳しいでしょうね。またはペリカンズがその時点でクリッパーズより優勝の可能性が高いかどうかでしょうが、今や人種差別渋ちんオーナーからハイパー金満オーナーに交代したクリッパーズだけに、なかなか大変かも知れませんね。

え、ドワイト?うーん、出て行き方がアレだけに難しい気もしますが、何しろレブロンがクリーヴランドを出る際にあれだけ盛大にやらかしていたというのに、いざ復帰すれはあの通り大歓迎だったでしょ?ドワイトが元気なうちにオーランド復帰を選べば、まあ概ね同じような光景が展開されるだろうなと思います。ドワイトがそれを望むかはまた別の話ですがね。

という訳でフランチャイズスターに逃げられたチームのファンの皆さん。彼らに毒を吐いて呪ってる場合じゃござんせん。積極的に応援して、彼がリングを勝ち取る事を願いましょう。そして将来、彼がリングを手に昔のチームに戻って来る可能性に賭けてみては如何でしょうか?いやなに、現時点でどれだけあなたが彼らに悪口を言いまくっていたとしても、恐らくあなたはその選手が戻って来たらなんだかんだで許してしまうんですから。