ゆ〜すけさんお待たせ!

こちらでは皆様久々にお目にかかります。Twitter、そしてマンガ、音楽、政治各テーマでブログを新たに立ち上げていましたが、一昨年ファイナル前以来1シーズン丸々お休みを頂いていた当ブログもようやく再稼動、いや再起動です。毎日更新は流石に難しいですがぼちぼちやっていきます。

さて、昨季のマジックはジャック・ヴォーンHCを更迭した後釜として、オーナー一族の覚えもめでたいOBにしてNBAの1試合アシスト記録保持者でもあり、ディフェンスの仕込みには定評のあるスコット・スカイルズを新たにHCに迎え、プレーオフを目標に戦って序盤は悪くない戦いを見せたものの、途中またしても失速。シーズン半ばのチャニング・フライとトバイアス・ハリスのいとこコンビのトレードによるテコ入れも身を結ばず、結局またしてもポストシーズンはお預け。そしてオフシーズンにはスカイルズが1シーズンでいきなり辞任となってしまいました。

ジャック・ヴォーンという人選からも明らかですがORLのヘニガンGMはSAS人脈でチームを作っていました。その後属したOKC人脈も勿論ガンガンに生きてます。また、リロイド副GMはこれまた古巣のDET人脈を生かしていました。スカイルズという人選はこのどちらにも属さない、オーナー一族からの推挙だったと思われます。つまり、これはオーナー一族がなかなか結果の出ないチーム状況に遂に口を挟み始めた事を意味していたと見るべきでしょう。

しかし、スカイルズはPG起用でヘニガンGMと対立してしまいました。具体的にはペイトンです。彼をチームの正PGと見込んでいるヘニガンGMに対し、スカイルズはハリスとのトレードでやって来たブランドン・ジェニングスを好んで起用し、試合終盤にもペイトンを座らせてジェニングスを使う事がしばしばありました。これで両者は対立し、その結果スカイルズが引き下がってHCの座を退いた、という訳です。まあスカイルズは今まで率いてきたチームも選手との人間関係悪化とかで全部プッツンして辞めてますんで、今回も時間の問題だったような気はしますが(笑)。

後任は電光石火の速さで決まりました。フランク・ヴォーゲル。これまた選手起用でラリー・バード社長と対立して、INDを去ったばかりのところでした。ポール・ジョージをチームの柱に据えて、スリーキングス体制のMIAとかなり互角にやり合えるチームを作り上げた若き智将ヴォーゲルでしたが、バードが提唱したジョージをPFに置くスモールラインアップ体制に反対し、結果袂を分かったばかりだったのです。タイミング良過ぎですねホント。

ヴォーゲルHCはヘニガンGMのSAS〜OKC人脈ともリロイド副GMのDET人脈とも絡みはありませんが、若いライジングチームを育て上げるという意味でも、ディフェンシヴな人材を集めるというヘニガンGMのコンセプトからも正にジャストフィット。ヴォーゲルがORLで即決したのも分かります。

そう、ただてさえディフェンス志向なヘニガンGMはこのオフ、更にガチガチなチームを作り上げました。オラディポとドラフト指名ホヤホヤのサボニス息子(即戦力みたいで彼も楽しみですが)をOKCへ差し出してイバカを仕入れ、更にFAでは先にプレーオフでヴァランチュナス不在の間にTORで大活躍したビヨンボを引き抜き。未完のビッグマンから遂に一皮剥けたビヨンボは確かに今オフの目玉ビッグマンの1人でしたが、既にヴーチェヴィッチという一流センターを持つORLが、しかもPFにもイバカを仕入れてなおビヨンボを求めた事は驚きでした。ビヨンボがORLのインサイド事情を理解してなおORLを選んだのも驚きましたね。

かくしてPF〜センターだけで3枚もの先発級選手を確保したという事は、昨季PFで飛躍したアーロン・ゴードンはSFへ回る事を意味していました。私はアーロンのイメージは最初は小さめのブレイク・グリフィンだったんですが、その後のプレーを見てショーン・マリオンかなと思い直していました。恵まれた運動神経、優れたディフェンス、中途半端なアウトサイドシューティング、豪快なダンク等々両者は意外と共通項があるんじゃないかなと見ています。今後はディフェンスで今まで以上にエースストッパーの重責を担うのでしょう。ヴォーゲルHCはIND時代にコーチしていたポール・ジョージのイメージで考えているようですが、タイプが違うかな?ただ役回りは似てくる気はします。

そしてイバカ獲得によるオラディポ放出、これはSGのポジション競争にフランスの貴公子、フォルニエが勝利した事を意味していました。FAだった彼はあっさりORLと大型契約で残留を決めてくれました。ひと昔前なら大型契約を結んだ途端に気が緩むような輩が何人もいたものですが、彼の場合はむしろ更に兜の緒を締めた感さえありますね。オフの間は再契約に集中した事もあってリオ五輪にも参加せず英気を養っただけあり、プレシーズンから既にフルスロットル。マジックのオフェンスを牽引するのは間違いなく彼です。

PGはもちろんペイトン。ロングレンジ、TOの多さなどクリアするべき課題は変わりませんが、新戦力がズラッと並ぶ今回のチームにおいて最重要ポジションはもちろんPGですからね。チームリーダーとしてそろそろリーグに名を轟かせたいところです。

ベンチはオーガスティン、ヘゾニア、ジェフ・グリーン、そしてビヨンボ。ヘゾニアが低調なままシーズンに入ってしまったのは気がかりですが、こういう場合の保険としてミークスを確保しておいたのでしょうね。そのミークスも故障で出遅れてますが、更にC.J.ウィルコックスも控えています。ヘゾニアがまだまだとなれば彼らの出番でしょうね。

かくしてマジックはなんとサラリー総額リーグ8位のロスターを作り上げました。ヘニガンGMもかなり尻に火がついていて、今季こそ最低限プレーオフ進出がノルマ、出来れば明るい未来が見えるシーズンを過ごしたいところです。さもなくばヘニガンGMはあえなく更迭され、マジックはまたチーム作りを考え直さなければならなくなります。

そんなマジックの新たなシーズンはしかし、只今1勝3敗と些か出遅れ気味のスタート。しかもやっとの勝ち星はシクサーズ相手の、しかもエンビードの度重なる終盤のTOに乗じて拾った感は否めません。やはり新加入がここまで多いとなかなかチームとして固まるのには時間がかかるのか、それともそもそもチームコンセプトが間違いなのか。そのあたりについては次回更新時、シーズン序盤の戦況を見ながらドヤ顔結果論で考えていくとしましょう。