いよいよ来ました・・・。そこ、誰も待ってないとか言わない。

この作品についてはあまりに多くが語られており、私如きが今更言い足すべき事も少ない気がしますが、バスケ漫画話をする限りやはりこの作品は避けて通れません。ジャンプ黄金期を支えた大ヒットにして、バスケ漫画史上最高の成功を収めた作品と言えましょう。まあ基本的な情報はWikipediaででもご確認頂くとして。

Wikipedia

自分が昔読んだバスケ誌(立ち読みにつき誌名不詳)には、主要キャラについて特定NBA選手がモデルなのではないか、というツッコミをし、森重寛(名朋工業高校)≒シャックという1点以外、完全に否定されてました(笑)。否定されてるのにもう一度最後に聞き直して更に否定されるとか、読んだ当時もなんだかなぁと思った記憶があります。

前々回に取り上げた「Dear Boys」の場合は作者自らマイケル・ジョーダンとマジック・ジョンソンがそれぞれ主人公の哀川・藤原のモデルと公言してました。確かにゴリこと赤木キャプテンとかどう見てもユーイングがモデルですし、桜木とロドマンの髪型およびリバウンダー振りの近似を否定するのは難しいです。このノリで行くなら、さしずめリョータはケヴィン・ジョンソンですかね?

私が思うには、井上さんの中では特定選手という訳ではなく、各ポジションにおける選手の理想みたいなものがいくつかあって、それを体現させていたのではないかと思います。もちろん同じポジションでも選手によって違う良さがある訳で、そういう描き分けが上手いなと。

例えばPGでもリョータ、仙道、牧、藤真、深津ピョン吉とかなり異なるタイプが描かれていますし、安田のバックアップPG感(リョータほど派手ではないが堅実なプレースタイル)はこれはこれで納得させられます。センターにしてもゴリと花形では剛柔全く対照的ですよね。同じポジションでもキャラごとにプレースタイルの差があり、読んでいてそれぞれの長所が非常に分かり易いです。こういう描き分けってのは特定のモデルがいるというより、長年バスケをプレーし、また観戦することで培ってきたものだろうなと思います。

NBA選手との類似といえば、「スラムダンク」の絵柄をそのまま書き写した漫画が連載強制終了&単行本全巻廃刊扱いになった際、その「スラムダンク」自体がNBAの写真からのトレースを指摘されていました。

検証サイト

個人的には「サルでも描けるまんが教室」の名言「見てかけばいいんだ!」を知っているので、この手のネタにはあまり腹は立たないなと。漫画そのものからのトレースよりは全然マシな気もします。あからさまなパクリはどうかと思いますし著作権法は守るべきだとは思いますが、あまりガチガチ過ぎるのも自由な創造活動の妨げになるかなと。ニコニコ動画で吉幾三絡みのネタとかを見てる人なら分かってくれると思います、これ。

ストーリー展開の巧みさはもう言うまでもないですよね。湘北の先発5人が揃うプロセス、特に三井の登場→殴り込みで部活ピンチ→「バスケがしたいです・・・orz」→先発SG三井復活、というアップダウンの流れは今読み返しても恐れ入ります。私が「スラムダンク」をまともにフォローし始めたのも今にして思えばあのあたりからでした。そうそう、インターハイ出場を賭けた陵南との決戦最終局面で、一切台詞無しで緊張感を表現しておき、この回通して初めて描かれたセリフが花道がリバウンドダンクを叩き込んだ直後のもので、しかもかつての練習試合で仙道にやられた時の伏線回収だったってのも前振りながっ!しかも印象付け上手っ!て感じです。

ただ、それだけにインターハイでの伏線(名朋工業、愛和学院、大栄学園関係)が一切回収されずに話が終わったのは残念でした。一説には井上さんは湘北が山王に惨敗する予定にしていたのを、ジャンプの編集者が湘北の敗北を許さなかったためあんな話になったと言われてますが、うーん信憑性あるかも。何しろジャンプでは当時、「ドラゴンボール」も散々話を引っ張らされたあげく、またまた天下一武道会・・・と思ったら唐突に悟空が会場から抜け出して連載終了、ということがありました。その「ドラゴンボール」も終わった後だけに、「スラムダンク」担当編集もプレッシャーが高かったであろうことは想像に難くありません。それだけに事実関係がそうだったとしても、あまり編集者個人は責められないかなぁ。実際「スラムダンク」連載終了と共にジャンプ黄金期は終了した訳ですし。

とはいえ、そうでなくても話が長くなる井上さんのことです。あのまま更に描き続けてももちろん面白かった事うけあいなんですが、結果的に山王戦で終わったことで、あの試合がこの上なく熱い展開になった事も事実でしょう。実際のところ有り得ないであろうアップセットを、なるべくリアリティーある展開で考えたら、ああいうミラクルの連続でも無ければ描けなかったでしょうしね。それがまた話を嫌が上にも盛り上げた訳ですけど。三井の4ポイントプレーとか。ああ、あそこでのメガネ石井くんの「ぐひぃ」と「湘北に入ってよかった・・・」は名言ですよね。

あの続きが読みたい人は多いですし、実際ブログ等でオリジナル続編を考えておられる方も複数いらっしゃるようですね。続編執筆については井上さんも言を濁してますが、今更あの続きを本格的に描く可能性はかなり低いように思います。「Dear Boys」を見ても明らかなように、時代背景やルール変更を作品に反映させるのも苦しいですしね。それに「バカボンド」「リアル」共にヒット中で長期連載モードに入っており、いつ終わるか分からないでしょうし、その2作品にしてもまだまだ続きが気になります。とりあえず、私は今のままでもう十分満足です。

ということで、最後に井上さんがイヴェントで黒板に書いた続編の動画でもご覧頂きましょう。いやー、これイベント終了後に全部消しちゃったとか本当勿体無いですよね。



次はアニメ版スラムダンクについてぼちぼち語りましょう。

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