・・・こっちのシリーズは久々ですね。井上雄彦さんスペシャルで暫く行きましょう。

「スラムダンク」が理由はさておき、伏線回収を描き切れずに終わった事は、井上さんにとって恐らくはそれなりの不満を残したことでしょう。バスケットボール漫画を描きたい・・・その思いは読者の予想外も予想外、ウェブ上での連載という形で再び結実しました。それが「BUZZER BEATER」だったのです。載っていたのはCS放送のESPN(現在はJ-SPORTSに統合されました)のHP。井上さんの、バスケットボールシーンを盛り上げたいという気持ちが伝わります(現在は井上さん公式HPで全ページ読めます)。

http://www.itplanning.co.jp/bbimages/body.img/B0/FBEAT0.HTML

ウェブ上だからこそ実現したフルカラーの連載は、細かく描き込んだ訳ではなく、吹き出しも全て手書きというかなりハンドメイドスタイルです。が、センスの良さというのはむしろこういうスタンスでこそ伝わるのですね。キャラの造形の妙、「宇宙人」「角」というファクターの使い方、そして何よりこの人一流の躍動感。61回目のアリウープのシーンとかやっぱりお見事です。

・・・ところで、前々から思っていた事があるのですが、「スラムダンク」と「BUZZER BEATER」、タイトルの付け方が逆の方が良かった気がするのですね。というのも、「スラムダンク」は確かに第1回目は花道のダンク挑戦で始まりますし、海南大付属戦や陵南戦にも印象的かつ話の展開に重要なダンクはありますが、最終回は花道のブザービーターで試合が終わります。一方「BUZZER BEATER」は実のところブザービーターショットは1本しか出ない上に、主人公が打ったものではありません。むしろ主人公の決定的なシーンはダンクないしアリウープが殆どであり、むしろこっちの方が「スラムダンク」ってタイトルで良くね?と思ってしまうのですよ。

ともあれ、「BUZZER BEATER」は現在月刊少年ジャンプにも載った流れで集英社から単行本が発売されているほか、PSソフトで一部動画処理を施したものも発売されました。そして何より、アニメ化されてましたよね。WOWOWでのOAだったりしたので視聴の機会に恵まれませんでしたが、先日までスカパーでも流れていました。

正直このタイミングでのアニメ化という意味が良く分からず、またも駄作アニメ化かと殆ど期待せずに斜め読みならぬ斜め見してましたが、結構いけててビックリです。特に話の改変が絶妙で、原作に手を加えた映像化でこれほど上手いなと思わせたのは「DEATH NOTE」実写映画版以来です。バスケシーンは流行のCGで、明らかに同じ映像の使い回しもありますが、毎週OAのアニメでは致し方無い事なのでこれは不問という事で。ま、原作はお金ない方は上記リンクで、ちょっと余裕のある方はブックオフetcで、大変余裕のある方は本屋ないし下記リンクで、モノスゴク余裕のある方はDVDまで購入してみると良いと思います(笑)。

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BUZZER BEATER 1 (1) (ジャンプコミックス)
BUZZER BEATER 2 (2) (ジャンプコミックス)
BUZZER BEATER DVD-BOX
BUZZER BEATER 2nd Quarter DVD-BOX