さて、我等がマジックはデュホンを取れず、現在狙いをマゲッティーとドゥーリングに絞っている訳です。既にマジックにサラリーキャップの空きは無く、可能な補強はミドル枠といくつかの例外枠、そして最低保証額での契約のみ。何しろ昨季からのルイスの超大型契約に加え、来季からはドワイトのマックス契約、そしてネルソンの新契約分のサラリーもキャップに乗っかります。最早サイン&トレードでも駆使しない限り、FA補強で多くは望めなくなりました。
http://hoopshype.com/salaries/orlando.htm
その事を理由にスミスGMを責める意見も結構見受けられます。まあ確かにルイスは誰がどう見てもオーバーペイド、この先もきっとサラリーに見合った成績など望めません。同じマックス契約のレブロンやコービーといったオールスター常連の超大物に並ぶ活躍をしてDUNK SHOOT誌やHOOP誌の表紙をルイスが飾る可能性は相当低く、これなら他に選択肢あったんじゃないのか、との声も分かります。
では、なぜスミスGMはそんな超大型契約を結ぶ必要があったのでしょうか?当時はニックスが狙っていたから、なんて説もありましたが昨オフ時点のマジックとニックスなら、明らかにマジックに利がありました。ルイスがマジックを最初から本命視していたのも明らかでしたし、マジックがルイス獲得自体にそこまで焦る必要は無かったように思われます。
私が考えるに、真の理由はルイスというよりドワイトにあると思います。というのも、正に昨オフ、マジックはドワイトとの契約延長がかかっていたのです。このケース、実のところ金額は問題ではありませんでした。マックス契約、それ以外有り得ないのはマジックフロント、ドワイト側、いやリーグ全体の共通認識だったとさえ言えるでしょう。
マジックフロントに問われていたのはドワイト本人の契約金額ではなく、ドワイト以外の選手補強の姿勢だったのです。つまり、ドワイトという大黒柱を支える選手、それも小手先の間に合わせ人事でない、実績ある人材が求められていました。
あのオフ、FA市場で一番ドワイトサイドを納得させ得る選手、それがルイスだったのです。実際、ドワイト自身もルイスとの契約を後押ししましたし、ルイスとマジックが契約するからこそドワイトも昨夏早々に契約延長の合意に至ったのですね。これはオーランド・センチネル紙のブライアン・シュミッツ記者も認めている事です。
B.シュミッツ氏のライヴチャットまとめより
なるほどドワイトは「このままオーランドでキャリアを終えたい」と常々発言していました。その言葉に嘘は無いと思います。が、この種の発言をした選手が実際いかほど言葉通りの行動を取った事でしょう?KGだってウルヴスでキャリアを終えるのが夢であり、ジョー・スミス事件のせいもあったとはいえウルヴスのサポートが薄かった状況でもウルヴス一筋でやってきたものの、結局は夢破れてセルティクスへ向かい、そして結果は皆様ご存知の通りですね(まあ、彼の場合自らの巨額契約が首を絞めたという面もありますが)。T-MACだってマジック移籍時はここで引退予定でした。・・・当時のGM、ワイスブロドと揉めていなければ今もいたかも分かりませんが・・・。
ドワイトだって、マジックにいても勝てる見込みが薄い、と思えばマジックを出て行きたいと言い始めない保障はありません。ドワイトの地元アトランタ・ホークスあたりが甘い誘いをかけてきたらどうでしょう?大物ビッグマンのトレード獲得に定評のあるレイカーズがオファーしてきたら?・・・そんな移籍のリスクを避ける為にも、マジックはドワイトが満足してくれるだけの補強を昨オフ時点でしなければならなかったのです。例え、それが相場以上の高額契約だったとしても。あのタイミングでFAだったルイスは正直ラッキーだったんだなと今にして思います。
キャヴスのレブロンへの扱いを見ていれば分かります。2年後のレブロンFA時に向けてアップを始めているニックスとネッツのいずれかにレブロンが行ってしまえば、キャヴスの黄金時代は一瞬にして翳ります。それを防ぐためフェリーGMが日夜どれほど奮闘しているか、それはラリー・ヒューズの高額契約、そして昨季半ばの大トレードにも顕著でしたね。結局トレードの成果は思わしくありませんでしたが、レブロンに去られるという最悪の結末を避けるためなら、今オフもフェリーGMは必死に動く事でしょう。
マジックから見ても、これは全くもって対岸の火事ではありません。ドワイトというこれまた得難い才能を他チームへ流出させないようにするため、スミスGMは今後も難しい舵取りを迫られる事でしょう。もちろん、ルイスのような高額契約者を抱える事によるリスクは言うまでもありません。スミスGMへのプレッシャーも高まる一方かと思います。
ラプターズがJ.オニールを獲得するという、明らかにマジックを意識した動きを見せるなど、今オフも昨季のセルティクス程ではないにせよ大きなロスター変更が始まっています。マジックは既に今のコアメンバー、つまりドワイト、ルイス、ネルソン、タコルーを中心にロスターを構築していくという基本思想は変えずに、サポーティングキャストのみを変更していくというやり方でこれからやっていくものと思われますが、一方で結果が伴わなければスミスGMの明日はありません。
ただ、契約金額はともかくルイスの加入がマジックの成績向上の大きな要因だった事は疑いありません。また、ビリー・ドノヴァンのゴタゴタの後とは言え、スタン・ヴァンガンディーのHC起用は明らかに成功でした。更に言えば2巡目にしては珍しいゴタートの地味な活躍、昨季トレードで獲得したエヴァンスの意外な活躍と、スミスGMは人を見る目は持っているように私は思います。J.J.レディックの塩漬け振りはアレですが・・・。ルイスの契約金額だけは擁護のしようもありませんが、じゃあ自分が同じ立場で果たして年平均1,000万ドルとかに値切ろうとして、もしもルイスに逃げられ、それがドワイトの残留に影を落としていたら?・・・などと考えたら、安易にスミスGMを責める事も出来ないなあと思います。
スミスGMを責める論調が現在あちらのメディアやブログ等であまり見受けられないのも、差し当たりマジックが成績を伸ばしたからです。低迷ないし伸び悩みの度、スミスGMとルイスはその契約金額を責められる事になるでしょう。そうなりたくなければ、スミスGMは今後ともデュマース程とは言わないまでも、それなりの手腕を発揮しなければなりません。
自らのクビを賭け、マジックというフランチャイズの運命を背負ったスミスGMの次の一手がミドル枠全額投入でマゲッティー獲得という超積極策なのか、新人コートニー・リーの成長に賭けつつミドル枠を分けて複数ポジションを補強する堅実な方法なのかは現時点では分かりませんが、GM契約も延長された今、我々ファンはどうあれ彼の手腕に期待する他ありません。アイザイア2世と呼ばれないよう(笑)、スミスGMの頑張りに引き続き期待しましょう。
Loveparade 2007
http://hoopshype.com/salaries/orlando.htm
その事を理由にスミスGMを責める意見も結構見受けられます。まあ確かにルイスは誰がどう見てもオーバーペイド、この先もきっとサラリーに見合った成績など望めません。同じマックス契約のレブロンやコービーといったオールスター常連の超大物に並ぶ活躍をしてDUNK SHOOT誌やHOOP誌の表紙をルイスが飾る可能性は相当低く、これなら他に選択肢あったんじゃないのか、との声も分かります。
では、なぜスミスGMはそんな超大型契約を結ぶ必要があったのでしょうか?当時はニックスが狙っていたから、なんて説もありましたが昨オフ時点のマジックとニックスなら、明らかにマジックに利がありました。ルイスがマジックを最初から本命視していたのも明らかでしたし、マジックがルイス獲得自体にそこまで焦る必要は無かったように思われます。
私が考えるに、真の理由はルイスというよりドワイトにあると思います。というのも、正に昨オフ、マジックはドワイトとの契約延長がかかっていたのです。このケース、実のところ金額は問題ではありませんでした。マックス契約、それ以外有り得ないのはマジックフロント、ドワイト側、いやリーグ全体の共通認識だったとさえ言えるでしょう。
マジックフロントに問われていたのはドワイト本人の契約金額ではなく、ドワイト以外の選手補強の姿勢だったのです。つまり、ドワイトという大黒柱を支える選手、それも小手先の間に合わせ人事でない、実績ある人材が求められていました。
あのオフ、FA市場で一番ドワイトサイドを納得させ得る選手、それがルイスだったのです。実際、ドワイト自身もルイスとの契約を後押ししましたし、ルイスとマジックが契約するからこそドワイトも昨夏早々に契約延長の合意に至ったのですね。これはオーランド・センチネル紙のブライアン・シュミッツ記者も認めている事です。
B.シュミッツ氏のライヴチャットまとめより
なるほどドワイトは「このままオーランドでキャリアを終えたい」と常々発言していました。その言葉に嘘は無いと思います。が、この種の発言をした選手が実際いかほど言葉通りの行動を取った事でしょう?KGだってウルヴスでキャリアを終えるのが夢であり、ジョー・スミス事件のせいもあったとはいえウルヴスのサポートが薄かった状況でもウルヴス一筋でやってきたものの、結局は夢破れてセルティクスへ向かい、そして結果は皆様ご存知の通りですね(まあ、彼の場合自らの巨額契約が首を絞めたという面もありますが)。T-MACだってマジック移籍時はここで引退予定でした。・・・当時のGM、ワイスブロドと揉めていなければ今もいたかも分かりませんが・・・。
ドワイトだって、マジックにいても勝てる見込みが薄い、と思えばマジックを出て行きたいと言い始めない保障はありません。ドワイトの地元アトランタ・ホークスあたりが甘い誘いをかけてきたらどうでしょう?大物ビッグマンのトレード獲得に定評のあるレイカーズがオファーしてきたら?・・・そんな移籍のリスクを避ける為にも、マジックはドワイトが満足してくれるだけの補強を昨オフ時点でしなければならなかったのです。例え、それが相場以上の高額契約だったとしても。あのタイミングでFAだったルイスは正直ラッキーだったんだなと今にして思います。
キャヴスのレブロンへの扱いを見ていれば分かります。2年後のレブロンFA時に向けてアップを始めているニックスとネッツのいずれかにレブロンが行ってしまえば、キャヴスの黄金時代は一瞬にして翳ります。それを防ぐためフェリーGMが日夜どれほど奮闘しているか、それはラリー・ヒューズの高額契約、そして昨季半ばの大トレードにも顕著でしたね。結局トレードの成果は思わしくありませんでしたが、レブロンに去られるという最悪の結末を避けるためなら、今オフもフェリーGMは必死に動く事でしょう。
マジックから見ても、これは全くもって対岸の火事ではありません。ドワイトというこれまた得難い才能を他チームへ流出させないようにするため、スミスGMは今後も難しい舵取りを迫られる事でしょう。もちろん、ルイスのような高額契約者を抱える事によるリスクは言うまでもありません。スミスGMへのプレッシャーも高まる一方かと思います。
ラプターズがJ.オニールを獲得するという、明らかにマジックを意識した動きを見せるなど、今オフも昨季のセルティクス程ではないにせよ大きなロスター変更が始まっています。マジックは既に今のコアメンバー、つまりドワイト、ルイス、ネルソン、タコルーを中心にロスターを構築していくという基本思想は変えずに、サポーティングキャストのみを変更していくというやり方でこれからやっていくものと思われますが、一方で結果が伴わなければスミスGMの明日はありません。
ただ、契約金額はともかくルイスの加入がマジックの成績向上の大きな要因だった事は疑いありません。また、ビリー・ドノヴァンのゴタゴタの後とは言え、スタン・ヴァンガンディーのHC起用は明らかに成功でした。更に言えば2巡目にしては珍しいゴタートの地味な活躍、昨季トレードで獲得したエヴァンスの意外な活躍と、スミスGMは人を見る目は持っているように私は思います。J.J.レディックの塩漬け振りはアレですが・・・。ルイスの契約金額だけは擁護のしようもありませんが、じゃあ自分が同じ立場で果たして年平均1,000万ドルとかに値切ろうとして、もしもルイスに逃げられ、それがドワイトの残留に影を落としていたら?・・・などと考えたら、安易にスミスGMを責める事も出来ないなあと思います。
スミスGMを責める論調が現在あちらのメディアやブログ等であまり見受けられないのも、差し当たりマジックが成績を伸ばしたからです。低迷ないし伸び悩みの度、スミスGMとルイスはその契約金額を責められる事になるでしょう。そうなりたくなければ、スミスGMは今後ともデュマース程とは言わないまでも、それなりの手腕を発揮しなければなりません。
自らのクビを賭け、マジックというフランチャイズの運命を背負ったスミスGMの次の一手がミドル枠全額投入でマゲッティー獲得という超積極策なのか、新人コートニー・リーの成長に賭けつつミドル枠を分けて複数ポジションを補強する堅実な方法なのかは現時点では分かりませんが、GM契約も延長された今、我々ファンはどうあれ彼の手腕に期待する他ありません。アイザイア2世と呼ばれないよう(笑)、スミスGMの頑張りに引き続き期待しましょう。
Loveparade 2007