もう旧聞に属する話なんですが、スポーツ総合雑誌ネタです。

文芸春秋社から発行されている「Number」という雑誌がありますね。スポーツ全般を扱った雑誌で日本におけるパイオニアと言って差し支えない同誌、しかしながらここ数年NBAの扱いはなかなか微妙です。ジョーダン全盛期なら表紙もそれなりにあったんですが、彼の引退後はアイヴァーソンあたりが表紙だったのが多分最後で、今やサッカーの表紙が6割、後は野球と競馬と五輪競技(フィギュアスケートとか)、たまにF-1みたいな感じです。バスケの表紙など夢また夢、たまにバスケの記事が載ってもドワイトのダンクコンテストの写真(勿論スーパーマンダンク)が1P掲載されて終了、だったりします。宮地陽子さんのコラムが最後の希望ですね、もう。

そんな中、「Number」の成功にあやかるべく他社もいろいろ類似雑誌を出しているのですが、なかなか「Number」の牙城は崩せていないのが実情です。ただ、サッカー等のメジャーな競技中心にやってれば勝ち目はありませんが、特定ジャンルのスポーツファンに訴えれば局地戦で勝つ事は出来る訳です。そして、集英社が先月バスケットボールをメインに取り上げる事で勝負を賭けました。

集英社が出しているのは「Sportiva」という月刊誌。「Number」が隔週刊誌なので情報の細かさetcでは一歩譲りますが、ページ数の多さ故により深く突っ込んだ特集が組める訳ですよ。そして6月号、同誌の表紙はこんな感じだったんです。

Sportiva (スポルティーバ) 2008年 06月号 [雑誌]


・・・これはヤバいでしょ。ドリームチームのユニフォームに身を包んだジョーダンの写真に「スラムダンク」ですよ。ドタマのサッカー用コラムすらガソルで一本記事を書いているこの号、件の特集は「スラムダンク」最終回の記念写真の絵、そして井上雄彦インタヴューからスタートします。そう、集英社さんはあの週刊少年ジャンプを発行している会社なのですね。そりゃあ井上さんのインタヴューは勿論「スラムダンク」の図版も使い放題です。その後も「スラムダンク」名場面&名言集、ゆずの北川さんや竹内兄弟が語る「スラムダンク」とまずは「スラムダンク」大々展開です。

で、その後はジョーダンの記事(梅田香子さんの記事、久々に見ました)、3PEAT時代のブルズ特集、ドリームチームの記事、更には横綱白鵬(実はプロバスケを目指していたと言う腕前)や石原さとみ(映画の宣伝かと思いきや本当にバスケ好きでした)etcのインタヴュー、ここ10年のNBA史概略、そしてファイナル展望、デヴィッド・スターンが語るNBAグローバル戦略、田臥勇太インタヴューと続きます。流石にもうこれで打ち止めかと思ったらダメ押しに「名将列伝」なるモノクロ記事でフィル・ジャクソンまで登場ですよ!いよっ、待ってました宮地陽子さん!

・・・てな感じで、終わってみれば雑誌の50%がバスケットボール関連記事と言って差支えない仕上がりになってました。この号、結局書店店頭ではあっという間に売り切れたようで、私もコンビニで立ち読みのためかかなりコンディションが悪いものを仕方無く買ったぐらいです。「スラムダンク」&ジョーダンの人気は依然健在、といったところでしょうか。

今回のファイナルが「Number」でどれくらい取り上げられるのか知らないのですが、「Number」さんもサッカーばかりじゃなくてたまにはバスケも久々に特集かまして下さいよ、と思った次第です。

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BRUTUS (ブルータス) 2008年 7/1号 [雑誌]