レイカーズ(1勝)100-75マジック
ESPNのファイナル予想で10人中唯一マジック優勝と予測したヘンリー・アボット氏によると、ファイナルでブローアウト勝利するチームは大概ファイナルも制する傾向があるそうです。・・・よく考えたら当たり前ですね、それ。
ファイナルカード確定から日にちを空けてやっと今日開幕を迎えたファイナル2009。しかし、私は実は日程が開くのはなんか嫌な予感があったんです。1つには試合間隔が空く事で、カンファレンスファイナルで完璧に仕上がったマジックのシューティングタッチがまた狂う懸念。もう1つはこれだけのオフの間にレイカーズがマジック対策をみっちり立ててくる懸念でした。そこへ持ってきてネルソン復帰でチームケミストリーが乱れる恐れが出るという、新たな懸念材料が追加されたのです。
ネルソン復帰に関しては、本当に直前まではっきりしませんでした。第1戦スタート前夜(現地では当日朝〜昼)時点ではオーランド・センチネル紙はネルソンが第1戦のみならず、ファイナルではプレーしないと報じていたぐらいです。まあもうソース消えてますけどね。しかし、試合開始直前、オーランド・センチネル紙は泡を喰って緊急更新をかけました。なんとネルソンがティロン・ルーに代わってアクティヴロスターに登録されたというのです!今季終了だったはずのネルソンは、仙豆でも食べたんかいと思う程に常人ならざるスピードで回復していました。チームがもっと早くシーズンを終えていれば、勿論こんな事態には至りませんでした。これはファイナル進出が生んだ嬉しい誤算であり、ジレンマだったと言えるでしょう。
そう、長期離脱していた選手を、しかもファイナルの大舞台でいきなり復帰させる。こんなハイリスクな賭けもそうはありません。なるほどネルソンは今季前半のマジック躍進を支えた立役者でしたし、来季以降も彼がマジックの先発PGである事は間違い無いところでしょう。
しかし、ネルソン離脱で揺らぎかけたマジックはアルストン獲得で再び甦りました。そのアルストン体制で来た今季、ネルソンが再び戻る事は来季ならともかく、今季においては危険ではないか?と言われるのは当然の事ですね。個人的にはもっと復帰を引っ張り、ここぞという場面で突然の復帰で相手も仰天・・・で良かった気がします。まあ今日試合開始直前まで復帰をはっきりしなかった事自体、陽動作戦としては分かるのですが。
かくて役者は揃いました。アルストン、リー、タコルー、ルイス、ドワイト。フィッシャー、コービー、アリーザ、ガソル兄、バイナム。ジャージーに20周年のワッペンの代わりにトロフィーのマークをつけて、遂に2008-2009シーズンを締め括るファイナルの試合が始まったのです。
バイナムのダンクで口火を切ったゲームは1Qからなかなかの接戦。バイナムがオフェンス面で頑張り序盤を引っ張ったものの、残り3:14で2ファウルのためベンチへ。・・・割とファウルしなかった方ですかね?キャヴス戦のようなアレなジャッジも無く、試合は粛々と進みました。1Q、24-22。まあまあですね。
そして、遂にあの男が2/2以来のコートに立ちます。アルストンに代わって2Qの開始と共にネルソンが現れると、まずはゴタートのダンクを、次いでルイスの3をアシスト。次いで復帰後初めて放ったジャンパーをヒットし、更にはリーのレイアップをもアシストしてみせたのです。33-28となった2Q残り8:32、レイカーズはすかさずタイムアウトを取ります。流石は今季レギュラーシーズンでもレイカーズを倒す原動力の1人だったネルソン、復帰1戦目からフル稼働かと思われました。・・・しかし、第1戦でマジックファンが盛り上がれたのもここまでだったのです。
タイムアウト明けからマジックの悪夢が始まりました。まずはウォルトンとブライアントが10-0のランを演出し、たちまちリードをひっくり返してしまいます。そしてマジックのオフェンスはレイカーズに効果的にストップされてしまい、皮肉にもドワイトのFT以外の得点源は殆ど絶たれたのです。3ポイントはクリーンに打たせてもらえず、ドワイトがボールを持てばキッチリ組織的に動きます。それでいてボールが外に出たらキッチリ対応し、オープンな選手を作らせないのです。かくして、前半が終わってみれば43-53、2桁得点のリードまで奪われていました。しかし、真の問題はここからだったと言えるでしょう。今までのセルティクスやキャヴスが相手なら、このぐらいのビハインドはさして問題ではありませんでした。ドワイトの高確率で決まるFGとリバウンド、そしてマジックお得意の3ポイント砲さえあれば、追いつくのは決して難しい注文では無かったからです。しかし、ファイナルの相手、レイカーズは違いました。いや、コービーが違い過ぎたのです。
前半残り4.3秒でレイアップを押し込んだコービーは、3Q開始早々からレイアップとフェイダウェーを決めます。その後しばらくはレイカーズのオフェンスも止まり、その間にルイスの3などで点差を戻しかけたマジックでしたが、それもしばらくのことでしかありませんでした。コービーが完全にアンストッパブルになってしまったのです。圧巻だったのは残り4:25、ピートラスをクロスオーヴァーで振り切り、ルイスとドワイトの間を突破して決めたほぼダンクに近いレイアップ、そして3:17、ピートラスの執拗なディフェンスをかわしてのジャンパーでした。ピートラスのファウルも取って3ポイントプレーです、これ。見ましたか、コービーの阿修羅の如き表情。ジャック・ニコルソンも思わずスタンディングオヴェーションであります。この頃にはレイカーズのリードは20点を越えていたのです。3Q終了時には最早58-82、絶望的な点差でありました。
もはやレイカーズのウィニングセレモニーでしかなかった4Qに、しかしコービーは今一度コートに戻ります。マジックの出鼻をより決定的に挫くため、そして自らの勝利へのあくなき執念を見せ付けるために、彼はわざわざコートに立ったのだと思います。この頃にはマジックはドワイト&ゴタートのツインタワーを試してみたり、ネルソンが慣らしを兼ねてもう一度もう一度現れたりと、もう実験以外にやる事も無くなっていました。終わってみれば75-100、TVゲームでも見るかのようなブローアウトで第1戦はレイカーズが制したのでありました。
http://www.nba.com/games/20090604/ORLLAL/boxscore.html
とりあえず言っておきたい事は、コービー1人が40得点8リバウンド8アシストしているというのに、マジックはドワイト+ルイス+タコルーで33点止まりという悲しい事実です。そりゃあそうで、マジックのFG成功率は悪夢の29.9%!ドワイトはFG1/6とゴール下でオフェンスの基点として全く機能せず、10/16のFTのお陰でかろうじて12得点15リバウンドのダブルダブルでした。2スティール2ブロックもマークしてますが、レイカーズもセルティクス並みの好ディフェンスを彼に仕掛けましたね。
ルイスはFG2/10で8得点5リバウンド、タコルーはFG3/11で13得点4リバウンド4TOとそれぞれ沈黙。3ポイントは打たなかったのではなく、レイカーズの堅守にあって打てなかったのです。4本ずつ3を打ったアルストンとリーは、残念ながらアルストンが全て外し、リーが1本のみ。7得点と6得点に留まってしまったのです。6thマンのピートラスが14得点でチームトップってのがなんともはや。てか、私が見る限り、カンファレンスファイナルまでのマジック的なプレーが出来ていたのはピートラス、そしてゴタート(4
得点8リバウンド2スティール4ブロック)、あと試合には全く影響ありませんでしたがコービーをFG1/5と唯一抑えたレディックぐらいでしょうか。なお、復帰初戦で23:28出場のネルソンはFG3/9、3ポイント2本はミスして6得点4アシストでした。
クリス・ウェバーはネルソンを長時間出し過ぎたのではないか、と分析していましたが、自分的にはそれはあまり大きな理由でも無かった気がします。アルストンは彼より酷いゲーム内容でしたし、A.ジョンソンが劇的に状況を改善してくれたとも思えません。ファイナルでの緊張?2Q途中まではリードしていたマジックにそれはあまり無いでしょう。昨季もファイナルまで勝ち進んだレイカーズとの経験の差はありますが。
敗因はマジックのゲームプランに完璧に対応したディフェンスを練り上げてきたレイカーズ、そしてフィル・ジャクソンのコーチングスキルを高く評価する以外に無いと思います。セルティクスがドワイトに見事なチームディフェンスを見せた時、幸いマジックのディフェンスもセルティクスのアレンやピアースを抑え込めていました。しかし、この日のコービーは誰にも止め様が無かったのです。ドワイトとルイス、タコルーまで止められ、あっちはコービーが完全にアンストッパブルな上にガソルとオドムも好調・・・勝てないですね、これじゃ。
しかし、マジックとしてはもう開き直る他ありません。大差で負けようが僅差で負けようが1敗は1敗、同じ事なのです。むしろこの敗戦で目を覚まし、キャヴス戦までの事は忘れて目の前の難敵、レイカーズに立ち向かうしか無いのですから。
http://sports.espn.go.com/nba/dailydime?page=dime-090605
コービー対策ですが、もしかしたらレディック起用が有りかもしれません。ピートラス相手にFG8/16、リー相手に6/11だったコービーのFG成功率は、しかしレディック相手だと何故かガクッと落ちて1/5だったのです。もちろんブローアウト勝ちの最終戦近くとあってはコービーの本気もどこまでのものなのかとも思いますが、一方で彼がブローアウトの4Qと言えども手を抜くか?という話でもあります。
とにかくマジックとしては第2戦が行われるまでの2日間までに、好守両面のプランを本格的に見直さなければなりません。第1〜2戦、1勝出来れば・・・などと思ってましたが、この調子で第2戦も軽く捻られるようならマジックのファイナル初白星はまたも来季以降にお預けになりかねません。ヴァンガンディーHCのL.A.滞在はいきなりハードなものになりました。
そして、マジックの面々はコービーのあの勝利への執念を学ぶべきです。絶対勝つ!という堅い意思があのミラクルなプレー、あの阿修羅フェイスに現れていました。マジックの面々も勝利へのあくなき執念というものはセルティクスに学んだはずですが、まだ修行が足りないのかも知れませんね。
http://myespn.go.com/blogs/truehoop/0-41-26/Are-Finals-Blowouts-Meaningful-.html
冒頭で紹介したアボット氏によると、20点以上の点差で負けたチームがファイナルを制したケースは'96年のブルズ(ソニックスに21点ビハインド)、'00年のレイカーズ(ペイサーズに第5戦で87-120)、'05年のスパーズ(最初の4戦が全て21点以上の差で決着)ぐらいだそうです。また、オーランドセンチネル紙の記事では'85年のレイカーズはセルティクスに第1戦で34点差のリードを喰らって敗戦するも、巻き返して4勝2敗でシリーズを制し頂点に立った、とあります。ここから巻き返した例、決して多くはありませんが、まだ絶望するには早過ぎるでしょう。
フィル・ジャクソンはプレーオフで初戦を制すると勝率100%だとか、レイカーズは第1戦に勝つと16戦連続シリーズ全体をも勝ち抜いているとか、色々データはあります。しかし、それでもなお私はマジックを信じる事を止めません。1stラウンドでシクサーズに初手から転んだ時よりも事態は深刻ですが、何とか試合をマジック本来の形に戻せればと思います。ドワイトはセルティクスとのカンファレンスセミファイナル同様にタフな局面が続く事でしょうが、その分ルイスとタコルーに頑張って欲しいところです。
ネルソンは復帰までに4ヶ月待ちましたが、コービーはファイナル再到達までに1年待ったそうです。昨季セルティクスに敗れたリヴェンジだと言う訳ですね。それは分かります。分かりますが、こちとら14年待ったんです。オーナーのアムヱイ爺さん、もといディヴォスの事が私は正直嫌いなんですが、曲がりなりにもオーナーなんだから、あの爺さんの目の黒いうちに優勝トロフィーがオーランドまで凱旋するところを見せてあげたいとも思わなくも無いですしね。
前にも書きましたが、マジックは倒したセルティクスやキャヴスの無念をも引き受けたようなものです。彼らのためにも、このままレイカーズにいいようにやられる訳にはいきません。NBA球団史上3チーム目となるファイナルでの初戦から5連敗という記録をこれ以上伸ばさないためにも、第2戦で巻き返してくれる事を信じましょう。
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ESPNのファイナル予想で10人中唯一マジック優勝と予測したヘンリー・アボット氏によると、ファイナルでブローアウト勝利するチームは大概ファイナルも制する傾向があるそうです。・・・よく考えたら当たり前ですね、それ。
ファイナルカード確定から日にちを空けてやっと今日開幕を迎えたファイナル2009。しかし、私は実は日程が開くのはなんか嫌な予感があったんです。1つには試合間隔が空く事で、カンファレンスファイナルで完璧に仕上がったマジックのシューティングタッチがまた狂う懸念。もう1つはこれだけのオフの間にレイカーズがマジック対策をみっちり立ててくる懸念でした。そこへ持ってきてネルソン復帰でチームケミストリーが乱れる恐れが出るという、新たな懸念材料が追加されたのです。
ネルソン復帰に関しては、本当に直前まではっきりしませんでした。第1戦スタート前夜(現地では当日朝〜昼)時点ではオーランド・センチネル紙はネルソンが第1戦のみならず、ファイナルではプレーしないと報じていたぐらいです。まあもうソース消えてますけどね。しかし、試合開始直前、オーランド・センチネル紙は泡を喰って緊急更新をかけました。なんとネルソンがティロン・ルーに代わってアクティヴロスターに登録されたというのです!今季終了だったはずのネルソンは、仙豆でも食べたんかいと思う程に常人ならざるスピードで回復していました。チームがもっと早くシーズンを終えていれば、勿論こんな事態には至りませんでした。これはファイナル進出が生んだ嬉しい誤算であり、ジレンマだったと言えるでしょう。
そう、長期離脱していた選手を、しかもファイナルの大舞台でいきなり復帰させる。こんなハイリスクな賭けもそうはありません。なるほどネルソンは今季前半のマジック躍進を支えた立役者でしたし、来季以降も彼がマジックの先発PGである事は間違い無いところでしょう。
しかし、ネルソン離脱で揺らぎかけたマジックはアルストン獲得で再び甦りました。そのアルストン体制で来た今季、ネルソンが再び戻る事は来季ならともかく、今季においては危険ではないか?と言われるのは当然の事ですね。個人的にはもっと復帰を引っ張り、ここぞという場面で突然の復帰で相手も仰天・・・で良かった気がします。まあ今日試合開始直前まで復帰をはっきりしなかった事自体、陽動作戦としては分かるのですが。
かくて役者は揃いました。アルストン、リー、タコルー、ルイス、ドワイト。フィッシャー、コービー、アリーザ、ガソル兄、バイナム。ジャージーに20周年のワッペンの代わりにトロフィーのマークをつけて、遂に2008-2009シーズンを締め括るファイナルの試合が始まったのです。
バイナムのダンクで口火を切ったゲームは1Qからなかなかの接戦。バイナムがオフェンス面で頑張り序盤を引っ張ったものの、残り3:14で2ファウルのためベンチへ。・・・割とファウルしなかった方ですかね?キャヴス戦のようなアレなジャッジも無く、試合は粛々と進みました。1Q、24-22。まあまあですね。
そして、遂にあの男が2/2以来のコートに立ちます。アルストンに代わって2Qの開始と共にネルソンが現れると、まずはゴタートのダンクを、次いでルイスの3をアシスト。次いで復帰後初めて放ったジャンパーをヒットし、更にはリーのレイアップをもアシストしてみせたのです。33-28となった2Q残り8:32、レイカーズはすかさずタイムアウトを取ります。流石は今季レギュラーシーズンでもレイカーズを倒す原動力の1人だったネルソン、復帰1戦目からフル稼働かと思われました。・・・しかし、第1戦でマジックファンが盛り上がれたのもここまでだったのです。
タイムアウト明けからマジックの悪夢が始まりました。まずはウォルトンとブライアントが10-0のランを演出し、たちまちリードをひっくり返してしまいます。そしてマジックのオフェンスはレイカーズに効果的にストップされてしまい、皮肉にもドワイトのFT以外の得点源は殆ど絶たれたのです。3ポイントはクリーンに打たせてもらえず、ドワイトがボールを持てばキッチリ組織的に動きます。それでいてボールが外に出たらキッチリ対応し、オープンな選手を作らせないのです。かくして、前半が終わってみれば43-53、2桁得点のリードまで奪われていました。しかし、真の問題はここからだったと言えるでしょう。今までのセルティクスやキャヴスが相手なら、このぐらいのビハインドはさして問題ではありませんでした。ドワイトの高確率で決まるFGとリバウンド、そしてマジックお得意の3ポイント砲さえあれば、追いつくのは決して難しい注文では無かったからです。しかし、ファイナルの相手、レイカーズは違いました。いや、コービーが違い過ぎたのです。
前半残り4.3秒でレイアップを押し込んだコービーは、3Q開始早々からレイアップとフェイダウェーを決めます。その後しばらくはレイカーズのオフェンスも止まり、その間にルイスの3などで点差を戻しかけたマジックでしたが、それもしばらくのことでしかありませんでした。コービーが完全にアンストッパブルになってしまったのです。圧巻だったのは残り4:25、ピートラスをクロスオーヴァーで振り切り、ルイスとドワイトの間を突破して決めたほぼダンクに近いレイアップ、そして3:17、ピートラスの執拗なディフェンスをかわしてのジャンパーでした。ピートラスのファウルも取って3ポイントプレーです、これ。見ましたか、コービーの阿修羅の如き表情。ジャック・ニコルソンも思わずスタンディングオヴェーションであります。この頃にはレイカーズのリードは20点を越えていたのです。3Q終了時には最早58-82、絶望的な点差でありました。
もはやレイカーズのウィニングセレモニーでしかなかった4Qに、しかしコービーは今一度コートに戻ります。マジックの出鼻をより決定的に挫くため、そして自らの勝利へのあくなき執念を見せ付けるために、彼はわざわざコートに立ったのだと思います。この頃にはマジックはドワイト&ゴタートのツインタワーを試してみたり、ネルソンが慣らしを兼ねてもう一度もう一度現れたりと、もう実験以外にやる事も無くなっていました。終わってみれば75-100、TVゲームでも見るかのようなブローアウトで第1戦はレイカーズが制したのでありました。
http://www.nba.com/games/20090604/ORLLAL/boxscore.html
とりあえず言っておきたい事は、コービー1人が40得点8リバウンド8アシストしているというのに、マジックはドワイト+ルイス+タコルーで33点止まりという悲しい事実です。そりゃあそうで、マジックのFG成功率は悪夢の29.9%!ドワイトはFG1/6とゴール下でオフェンスの基点として全く機能せず、10/16のFTのお陰でかろうじて12得点15リバウンドのダブルダブルでした。2スティール2ブロックもマークしてますが、レイカーズもセルティクス並みの好ディフェンスを彼に仕掛けましたね。
ルイスはFG2/10で8得点5リバウンド、タコルーはFG3/11で13得点4リバウンド4TOとそれぞれ沈黙。3ポイントは打たなかったのではなく、レイカーズの堅守にあって打てなかったのです。4本ずつ3を打ったアルストンとリーは、残念ながらアルストンが全て外し、リーが1本のみ。7得点と6得点に留まってしまったのです。6thマンのピートラスが14得点でチームトップってのがなんともはや。てか、私が見る限り、カンファレンスファイナルまでのマジック的なプレーが出来ていたのはピートラス、そしてゴタート(4
得点8リバウンド2スティール4ブロック)、あと試合には全く影響ありませんでしたがコービーをFG1/5と唯一抑えたレディックぐらいでしょうか。なお、復帰初戦で23:28出場のネルソンはFG3/9、3ポイント2本はミスして6得点4アシストでした。
クリス・ウェバーはネルソンを長時間出し過ぎたのではないか、と分析していましたが、自分的にはそれはあまり大きな理由でも無かった気がします。アルストンは彼より酷いゲーム内容でしたし、A.ジョンソンが劇的に状況を改善してくれたとも思えません。ファイナルでの緊張?2Q途中まではリードしていたマジックにそれはあまり無いでしょう。昨季もファイナルまで勝ち進んだレイカーズとの経験の差はありますが。
敗因はマジックのゲームプランに完璧に対応したディフェンスを練り上げてきたレイカーズ、そしてフィル・ジャクソンのコーチングスキルを高く評価する以外に無いと思います。セルティクスがドワイトに見事なチームディフェンスを見せた時、幸いマジックのディフェンスもセルティクスのアレンやピアースを抑え込めていました。しかし、この日のコービーは誰にも止め様が無かったのです。ドワイトとルイス、タコルーまで止められ、あっちはコービーが完全にアンストッパブルな上にガソルとオドムも好調・・・勝てないですね、これじゃ。
しかし、マジックとしてはもう開き直る他ありません。大差で負けようが僅差で負けようが1敗は1敗、同じ事なのです。むしろこの敗戦で目を覚まし、キャヴス戦までの事は忘れて目の前の難敵、レイカーズに立ち向かうしか無いのですから。
http://sports.espn.go.com/nba/dailydime?page=dime-090605
コービー対策ですが、もしかしたらレディック起用が有りかもしれません。ピートラス相手にFG8/16、リー相手に6/11だったコービーのFG成功率は、しかしレディック相手だと何故かガクッと落ちて1/5だったのです。もちろんブローアウト勝ちの最終戦近くとあってはコービーの本気もどこまでのものなのかとも思いますが、一方で彼がブローアウトの4Qと言えども手を抜くか?という話でもあります。
とにかくマジックとしては第2戦が行われるまでの2日間までに、好守両面のプランを本格的に見直さなければなりません。第1〜2戦、1勝出来れば・・・などと思ってましたが、この調子で第2戦も軽く捻られるようならマジックのファイナル初白星はまたも来季以降にお預けになりかねません。ヴァンガンディーHCのL.A.滞在はいきなりハードなものになりました。
そして、マジックの面々はコービーのあの勝利への執念を学ぶべきです。絶対勝つ!という堅い意思があのミラクルなプレー、あの阿修羅フェイスに現れていました。マジックの面々も勝利へのあくなき執念というものはセルティクスに学んだはずですが、まだ修行が足りないのかも知れませんね。
http://myespn.go.com/blogs/truehoop/0-41-26/Are-Finals-Blowouts-Meaningful-.html
冒頭で紹介したアボット氏によると、20点以上の点差で負けたチームがファイナルを制したケースは'96年のブルズ(ソニックスに21点ビハインド)、'00年のレイカーズ(ペイサーズに第5戦で87-120)、'05年のスパーズ(最初の4戦が全て21点以上の差で決着)ぐらいだそうです。また、オーランドセンチネル紙の記事では'85年のレイカーズはセルティクスに第1戦で34点差のリードを喰らって敗戦するも、巻き返して4勝2敗でシリーズを制し頂点に立った、とあります。ここから巻き返した例、決して多くはありませんが、まだ絶望するには早過ぎるでしょう。
フィル・ジャクソンはプレーオフで初戦を制すると勝率100%だとか、レイカーズは第1戦に勝つと16戦連続シリーズ全体をも勝ち抜いているとか、色々データはあります。しかし、それでもなお私はマジックを信じる事を止めません。1stラウンドでシクサーズに初手から転んだ時よりも事態は深刻ですが、何とか試合をマジック本来の形に戻せればと思います。ドワイトはセルティクスとのカンファレンスセミファイナル同様にタフな局面が続く事でしょうが、その分ルイスとタコルーに頑張って欲しいところです。
ネルソンは復帰までに4ヶ月待ちましたが、コービーはファイナル再到達までに1年待ったそうです。昨季セルティクスに敗れたリヴェンジだと言う訳ですね。それは分かります。分かりますが、こちとら14年待ったんです。オーナーのアムヱイ爺さん、もといディヴォスの事が私は正直嫌いなんですが、曲がりなりにもオーナーなんだから、あの爺さんの目の黒いうちに優勝トロフィーがオーランドまで凱旋するところを見せてあげたいとも思わなくも無いですしね。
前にも書きましたが、マジックは倒したセルティクスやキャヴスの無念をも引き受けたようなものです。彼らのためにも、このままレイカーズにいいようにやられる訳にはいきません。NBA球団史上3チーム目となるファイナルでの初戦から5連敗という記録をこれ以上伸ばさないためにも、第2戦で巻き返してくれる事を信じましょう。
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